疼痛管理
#緩和
【がん患者の疼痛治療の目標】
第一目標:痛みに妨げられない夜の良眠
第二目標:安静時の痛みが消失
第三目標:体動時の痛みの消失
【痛みの強さを聞く】
Visual Analogue Scale(VAS)
Numerical Rating Scale(NRS)
Face Pain Scale(FPS)
【痛みのパターんを聞く】
持続痛
突出痛
【どこが痛いか聞く】
皮膚知覚域 Dermatome
【痛みの分類】
侵害受容性痛 nociceptive pain:組織を傷害する、あるいはその可能性をもった侵害刺激が加わって生じる痛み
体性痛:骨転移など局在がはっきりした明確な痛み。ズキッとする。突出痛に対するレスキューの使用が重要になる。
表面痛
深部痛
内臓痛:腹部腫瘍の痛みなど局在があいまいで鈍い痛み。ズーンと重い。オピオイドが効きやすい
神経障害性痛 neuropathic pain:神経叢浸潤、脊髄浸潤など、びりびり電気が走るような・しびれる・じんじんする痛み。難治性で鎮痛補助薬を必要とすることが多い。末梢神経や中枢神経の損傷や異常に付随して発生してくる病的な痛み。痛みとなる原因が去り治癒した後、通常の治癒期間をはるかに超えて痛み続ける状態
心因痛 psychogenic pain 身体表現性痛
痛覚変調性疼痛 nociplastic pain:侵害受容の変化によって生じる痛みであり、末梢の侵害受容器の活性化を引き起こす組織損傷またはそのおそれの明白な証拠、あるいは、痛みを引き起こす体性感覚系の疾患や傷害の証拠がないにもかかわらず生じる。
【鎮痛薬使用の4原則】(WHOガイドライン2018年改変)
By mouth 経口的に
By the clock 時間を決めて定期的に
For the individual 患者ごとの個別的な量で
With attention to detail 細かい配慮をする
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【かんの疼痛治療のアルゴリズム】
➀NSAIDs、アセトアミノフェンの開始
②オピオイドの導入
③残存・増強した痛みの治療
持続的な痛みをとるためにオピオイドを増強する(持続痛の治療ステップ)
体動時や突然の痛みに対処するためにレスキューを使う(突出痛の治療ステップ)
<オピオイドの定期投与>
時間を決めて、定期的に投与(「疼痛時」のみに使用しない。毎食後ではなく、8時間ごと・12時間ごとなど一定の間隔で投与する)
NSAIDsは中止しない。併用する。
腎機能が低下している場合、モルヒネの使用は慎重に行う
体格が小さい、高齢者、全身状態が不良の場合、少量から開始
オピオイドの副作用
便秘:ほぼ必発、耐性形成されない→緩下剤と刺激性下剤を組み合わせて処方
悪心・嘔吐:約30%で発生、1-2週で耐性形成。制吐薬を併用 2週間後に吐き気がなければ中止
眠気:数日で耐性形成(呼びかけても完全に覚醒しないのは真の鎮静=過量)
呼吸抑制:眠気の先にある
かゆみ:ヒスタミンの遊離作用による
せん妄:腎機能の変化時に起こりやすい
他の要因を見逃さない
【痛みに対する薬物療法】
解熱性鎮痛薬:侵害受容性痛
NSAIDs(抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用)胃腸障害、腎機能障害、高K血症
アセトアミノフェン(解熱作用、鎮痛作用)
麻薬性鎮痛薬:侵害受容性痛、神経障害性痛
リン酸コデイン Ⅱ
トラマドール Ⅱ
モルヒネ Ⅲ
オキシコドン Ⅲ
フェンタニル Ⅲ
タペンタドール Ⅲ
ヒドロモルフォン Ⅲ
メサドン
鎮痛補助薬:神経障害性痛
抗うつ薬
抗けいれん薬
Naチャネルブロッカー
NMDAレセプター阻害薬
ステロイド
#オピオイドスイッチング
定期投与薬
LAO 除放製剤
SAO モルヒネ、オキノーム(オキシコドン)定期投与にも、レスキューにもなれる、ヒドロモルフォン
ROO フェンタニル
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