雑に読む『圏論の道案内』
圏論は最近人気がある数学の分野の1つで,その考え方はプログラミング,人工知能,物理など幅広い分野に応用されています。本書はそんな圏論を一から知りたい人に,圏論とは何かをわかりやすく解説していきます。
cFQ2f7LRuLYP.iconの目標:自然変換のところまで読む 折角なので借りてみたtakker.icon
本の構成
対話形式
各節の最後にまとめがあるので、それだけ読めば定義は把握できる
1章
関連書籍
「異なるものの間の同じさ」をシステマティックに扱う数学的な枠組み
p.7
2章
圏 (category) は対象 (object) と射 (arrow, morphism) とからなるある種のシステム p.18
圏の公理って何?cFQ2f7LRuLYP.icon ほかに圏のパーツとなるものがあるので書いていく
圏のパーツ
対象
射
イメージで言うと矢印
何かから何かに向いたその道筋みたいなものcFQ2f7LRuLYP.icon
例:のぞみ号の駅
博多→小倉→広島→岡山→新神戸→新大阪→京都→名古屋→新横浜→品川→東京
上の矢印が「射」、各駅が「対象」にあたる
射には必ず域と余域がある
上の博多→小倉だと、cFQ2f7LRuLYP.icon
domainは博多
codomainは小倉
$ 博多 \overset{f}{\to} 小倉\overset{g}{\to}広島\overset{h}{\to}岡山\overset{i}{\to}新神戸
対象と対象の間にどれだけ射があるかとかは関係ない
一つの場合もあるし、複数の場合も、無限にある場合もある
0の場合もあるよnishio.icon
https://gyazo.com/84e43693a2b9b24401fb9e37c53eff57
「集まり」は空になりえるから
いや待てよ?恒等射が必ずあるか?
いや違うな、相異なる対象の間には恒等射はないからな
博多から小倉に行くのぞみは平日44本あったcFQ2f7LRuLYP.icon
仮に「博多から小倉への平日ののぞみ」を射$ fとすると、44本の射が作れる
射$ f,gについて、$ {\rm cod}(f)={\rm dom}(g)であるなら、$ f,gの合成 (composition) と呼ばれる $ {\rm dom}(f)から$ {\rm cod}(g)への射が一意に存在する。これを$ g\circ fと書く。 p.24
ふたたびこれで見てみる$ 博多 \overset{f}{\to} 小倉\overset{g}{\to}広島\overset{h}{\to}岡山\overset{i}{\to}新神戸
このとき$ {\rm cod}(f)=小倉、$ {\rm dom}(g)=小倉であるので、博多から広島への射が一意に存在する
これが$ g\circ f
$ 博多 \overset{g\circ f}{\longrightarrow}広島
https://plantuml-proxy.vercel.app/svg/https://scrapbox.io/api/code/villagepump/射の合成の図/composition.pu#.svg
矢印で考えるとfしてからgするのになんで$ f \circ g じゃなくて $ g \circ f なんだろという気持ちになるけど、関数で考えると $ (g \circ f)(x)=g(f(x)) なんだよねnishio.icon
射の合成記号$ g\circ fはグラフと逆になって混乱しがちなので、$ f;gもしくは$ f⨟gを使うといいかもtakker.icon
$ a\overset{f}{\to}b\overset{g}{\to}cは$ a\overset{f⨟g}\to cと書ける
いや、本に頻出する記法に慣れる方が優先でしょう。同じものの二通りの表現方法の本が使わない方を使うと混乱が深まるnishio.icon
たしかにtakker.icon
またこの本では、図式を左右反対にする事で対処してて、うまいやり方だとおもったtakker.icon
code:rtf-composition.pu
@startdot
digraph associative {
rankdir = RL;
}
@enddot
図式を逆にする方式で書き換えるとこうかな:
ふたたびこれで見てみる$ 新神戸\overset i\gets岡山\overset h\gets広島\overset g\gets小倉\overset f\gets博多
このとき$ {\rm cod}(f)=小倉、$ {\rm dom}(g)=小倉であるので、博多から広島への射が一意に存在する
これが$ g\circ f
$ 広島\overset{g\circ f}{\longleftarrow}博多
下りにするともっと良さそうcFQ2f7LRuLYP.icon
博多←小倉←広島←...←東京
なるなるtakker.icon
射$ f,g,hについて、$ {\rm cod}(f)={\rm dom}(g)かつ$ {\rm cod}(g)={\rm dom}(h)であるなら$ h \circ(g \circ f)=(h \circ g) \circ fである。言い換えれば
(図式)
p.29
ここで射に対する「等しい」が使われてるねnishio.icon
https://plantuml-proxy.vercel.app/svg/https://scrapbox.io/api/code/villagepump/結合律の図/associative.pu#.svg
code:associative.mmd
graph RL
A((A)) -- f --> B((B))
B -- g --> C((C))
A -- g∘f --> C
B -- h∘g --> D
C -- h --> D((D))
写像の定義で考えるとかなり謎takker.icon 可換でない写像は考えられないから
可換でない図式をしりたい
p.28に書いてあった
なにも理解してなかった反省
写像でもおなじ
ところで図式ってなんだろう?cFQ2f7LRuLYP.icon
西郷<射の合成を定義したから、合成できればなんでも良いわけではないという話をしよう。だがその前に、圏論といったらこれ、というほど頻出する「図式」というものを説明しておくことにする。厳密に定義しようとするとなかなか奥深い概念なのだが、ひとまずは「対象と射の関係を図示したものを図式(diagram)と呼ぶ」と捉えてくれ。 p.27
はい
$ \forall Aに対して以下の条件を満たす射$ iが一意に存在する
1. $ {\rm dom}i={\rm con}i=A
2. $ \forall f,gについて
1. $ i\circ f=f
2. $ g\circ i=g
この条件は、以下の図式が可換図式であることと同値である
code:identify.mmd
graph RL
Y((Y)) -- f --> A1
A1((A)) -- i --> A2((A))
Y -- i∘f --> A2
A1 -- g∘i --> X
A2 -- g --> X((X))
code:こっちのほうがわかりやすいかも.mmd
graph RL
Y((Y)) -- f --> A((A))
A -- i --> A
Y -- i∘f --> A
A -- g∘i --> X
A -- g --> X((X))
$ 1_Aと書くことにする
$ {\rm dom}f={\rm con}fだけでは恒等射にならないことに注意takker.icon
例えば集合圏$ \bf SETの射$ f:\underbrace\N_{始域}\ni n\mapsto 2n\in\underbrace\N_{終域}は$ {\rm dom}f=\N={\rm con}fだが恒等射ではない
5行くらいでできるnishio.icon
ひえーcFQ2f7LRuLYP.icon
もしも恒等射がたくさんあったらと考える?
やってみたんだけど、この問題文って「存在するなら一意であることを示せ」じゃなくてOK?
「存在すること」を使わずに「存在すること」を証明するのは無理じゃない?
/icons/hr.icon
対象$ Aから$ Bへの射$ fが可逆 (invertible)であるとは、対象$ Bから$ Aへの射$ gで$ g\circ f = 1_Aかつ$ f\circ g = 1_Bをみたすものが存在するときにいう。このとき$ gを$ fの逆射 (inverse)、あるいは単に逆と呼び、$ f^{-1}と書く。可逆な射を同型射 (isomorphism) と呼ぶ。対象$ Aから$ Bへの射が同型射であるとき、$ Aと$ Bといは同型 (isomorphic) であるといい、$ A\cong Bと書く。 p.37
さてどういうことだcFQ2f7LRuLYP.icon
code:inverse.mmd
graph RL
A1((A))-- f -->B1
B1((B))-- g --> A1
A1-- 1A -->A1
B1-- 1B -->B1
こういう図があるとするcFQ2f7LRuLYP.icon
$ g\circ fはどうなるかっていうと
$ {\rm dom} (g) ={\rm cod} (f)=B, んで$ {\rm dom} (f) =\ {\rm cod} (g)=Aなので合成できる(下のnishioさんの指摘で直し済み)
合成の定義を確認するnishio.icon
射$ f,gについて、$ {\rm cod}(f)={\rm dom}(g)であるなら、$ f,gの合成 (composition) と呼ばれる $ {\rm dom}(f)から$ {\rm cod}(g)への射が一意に存在する。これを$ g\circ fと書く。 $ {\rm dom} (g) = {\rm cod} (f) = Bで$ {\rm dom} (f) = {\rm cod} (g) = Aなので合成できる
これで$ g\circ fができる
域と余域はどうなったか
しかし$ g\circ fとは$ 1_Aか?
$ f,gに$ g \circ fを合成しても元通りになることをいえばいい
思い出しタイム
2. $ \forall f,gについて
1. $ i\circ f=f
2. $ g\circ i=g
追記:この下も書き方を大いに間違えている
$ fに$ g \circ fを合成すると
$ {\rm dom} (f) \ {\rm cod} (f)に$ {\rm dom} (a) \ {\rm cod} (b)を合成
これは$ {\rm dom} (a) \ {\rm cod} (b)になる、すなわち$ fである、もとと変わんない
gfにgを合成すると
dom b cod a に dom a cod aを合成
これもdom b cod aのまま、すなわちgだ
なのでgfは1aと同じはたらきだ!
今度はこれをfgでやるのか..cFQ2f7LRuLYP.icon
射$ fが可逆とは...をみたすものが存在するときにいう。なので、存在しない可能性がありますnishio.icon というか一般的には存在しないのでここまでの定義から導出はできないかと。
むむむ...cFQ2f7LRuLYP.icon
例題を出そうと思ったけどまだ圏の具体例があんまりないから逆写像の有無の話になっちゃったな...nishio.icon
あんまり良くないかもしれない
問1: 偶数 から 奇数 への射 $ f(x) = x + 1 は可逆か?
問2: 実数 から 整数 への射 「切り捨て」は可逆か?
対象$ Aから$ Bへの射$ fが可逆 (invertible)であるとは、対象$ Bから$ Aへの射$ gで$ g\circ f = 1_Aかつ$ f\circ g = 1_Bをみたすものが存在するときにいう。 まずfがあるcFQ2f7LRuLYP.icon
域はA、余域がB
このfが可逆であるためには次の条件が必要
BからAの射gで、gf=1_Aかつfg=1_Bをみたすものが存在する
gfはfとgの合成、fgはgとfの合成
1_Aは対象Aの恒等射、1_Bは対象Bの恒等射
対象:ひらがな
射:ある文字から次の文字に行く操作
合成:文字列
ひと、とり を合成して ひとり にする
恒等射:1文字のひらがな
結合律:例えば ひ(とり)と(ひと)りを同じものとみなす
単位律:...?
ここがまだよくわかってなさそう
$ fが可逆である$ :\iff$ \exist g;{\rm dom}f={\rm con}g\land{\rm dom}g={\rm con}f インデント的に圏のパーツみたいになってるけど違うよねnishio.icon
Yes、これは圏の定義の中には入っていないcFQ2f7LRuLYP.icon
水を差すぞいcFQ2f7LRuLYP.icon
もろもろは大丈夫ですか!
大丈夫くない。田中賞を受賞した橋梁の選考理由から当時の日本の時代背景を推測する作業があるtakker.icon
離脱!!!!
圏論の説明助かりました!良き課題進行を願いております!cFQ2f7LRuLYP.icon
2024/01/17も先置きで水差ししておく
ウケるnishio.icon
要約だけ読めて助かるnishio.icon
修正助かるcFQ2f7LRuLYP.icon
\rm、あと小さい丸
∘はIMEで入力しにくいので、そんなに気にしなくていいですよtakker.icon
はいcFQ2f7LRuLYP.icon
借りた初日に完全に理解したけど、何でこんなのを定義したのかわからなかったので、まだ何もわからないには至っていないtakker.icon 雑に読むとはcFQ2f7LRuLYP.icon
雑に読んでいいのよnishio.icon
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「雑に読まない人」の表現は違う気がした
「雑に読まない人」
雑でない読み方をしてる人: 今回の僕は読んでないのでこれじゃない
本を読まない人: これは正しい
本を読まないで、本を読んだ人の書いた文章の整合性を検証する人: これっぽい