「光る君へ」第19回「放たれた矢」
公式サイトの第19回まとめ:
長徳元/995年
前回に引き続き
「長徳元年六月、一条天皇は、道長を右大臣に任じた」「道長は、内大臣の伊周を越えて、公卿のトップの座に就いたのである」
「ゆっくり話したことはなかった」
叔父といっても距離のある人を、叔父だからと補佐役に選ばざるをえないのは、心許ないというか不安というか
伊周の方がいいなという気持ちにもなりそうだ
「これからは太政官の長である。朕の力になってもらいたい」
「お上をよろしく頼みます」定子からも
「一つ聞きたいことがある」「そなたはこの先、…関白になりたいのか? なりたくはないのか?」
「なりたくはございません」「関白は、陣定に出ることはできませぬ」「わたしはお上の政のお考えについて、陣定で公卿たちが意見を述べ、論じ合うことに、加わりとうございます」現場にいたい人
「関白も後で、報告を聞くが」「後で聞くのではなく、意見を述べる者の顔を見、声を聞き、共に考えとうございます」「彼らの思い、彼らの思惑を感じ取り、見抜くことができねば、お上の補佐役は、務まりませぬ」
「これまでの関白とは随分と異なるのだな」「はい。異なる道を、歩みとうございます」
道兼はほぼいないようなものだから、兼家と道隆を指しているか
陣定に出とかないと公卿たちの策謀とか印象操作を防げないもんな。ロバート実資に仕事してるアピールするだけでだいぶ失脚リスク減るし。
そういう面もあるのか
実資つよすぎません?
何か書いているまひろ
「このところ熱心になさってますね、それ」「惟規が借りてくれた新楽府だから、早く写して返さないと」ああそうか
ど〜しよ〜かな〜と言いながらやっぱり借りてくれた
「それをお写しになるのは、そんなに楽しいのですか?」「楽しいというより、ためになるの。政のあるべき形が書かれているから」
「そういうことは若様にお任せになって、姫様はお家のために、よき婿様に出会えますよう、清水寺にでもお参りに行ってらっしゃいませ」
まひろうんざりしてるなー
若様は「そういうことは姉上に任せる」って言いそうだけど
「お供致しますゆえ」ま、ちゃっかりと
乙丸がさわさんからの手紙を持ってきた
濃い水色
「まあ、さわさん、婿をお取りになったのですって」
現地で婿を取ったら、京に帰ってこられるのかな…?
「ほ~らまた出遅れたぁ」いとさん的には頭が痛いんだろうな
■さわさんからの手紙。全文。#光る君へ
わりなきあつきをり
なんじいかがすぐし
たまふやこたびちちなる
人のめいによりてむこ
とりせむとすねかはくは
なんしもよき人にめぐ
りあはむことを
かしこ
★肥前からきたお手紙ですね。
父なる人の命によりて婿取りせんとす、か
道長の執務室
俊賢「従って、帝は伯耆の国と石見の国の申し出を受け入れ、租税を4分の1免除しては、との、ご叡慮にございます」
道長「さすが」扇子を肩にぽんぽん「帝であられる」
満足げだ
斉信「同意されるのでしょうか」道長「無論同意だ!」元気がいい
斉信、仕事の場では道長に対して敬語だ
「帝は、民を思う御心があってこそ。帝たりえる」
斉信「わたしは不承知です。陣定は大荒れになりますぞ」
ということで陣定
誠信→公任→惟仲→道綱→実資→隆家→顕光→公季→伊周
特に作中で兄弟の絡みはなさそう
父親の為光だって、忯子の父親だという言及はあったけど、親子の絡みはなかった
絡ませられる関係を結構ばっさり切ってる
紫式部から離れすぎるものねえ
今だってかなり道長に傾いてるんだが
誠信、公任、道綱、顕光、公季「帝の仰せのままに」
実資「同じく」
道綱は答えた後、道長の方を見たのかな?
顔色を気にした感じ
大荒れになる予想、外れ
平惟仲、隆家「わかりませぬ」
隆家も賛成はしない
伊周「この儀よろしからず」
「二国の申し出を入れ、税を免ずれば、他国も黙ってはおらぬ。そのようなことで朝廷の財を減らしてよいのか」「甘やかせばつけあがるのが民。施しは要らぬと存ずる」
道長「いまだ疫病に苦しむ民を救うは、上に立つ者の使命と存ずる」
道綱が微笑というか
微笑っていう感じでもないんだけど
空気が悪いとき、悪くなりそうなときの笑みというか
実資が頷いている
公任が道長をみつめている
伊周は目を剥いてるな
「では、皆の意見、帝にお伝え申す。他に意見がなければ、」と様子を見てから「本日はこれまでと致す」
意見があるけど言い出せない様子の人がいないか見た感じかな
目を閉じる伊周
みんなさっさと退出
伊周「父上と、道兼叔父上を呪詛したのは。右大臣殿か」
父上は晴明お墨付きの寿命だというのに
公任はまだ残ってた
隆家も
「ありえぬ。」行こうとする道長に「待て!」
道綱もいた
「自分の姉である、女院様を動かして、帝をたぶらかしたのも右大臣殿であろう」
女院様が右大臣殿の反対を無視して動いたんですよねえ
どこまで本気でどこまで難癖なのか
道長にやたらめったら容疑をかけているという面もあれば、「詮子が自分から動いた」可能性を考えてないという面もあるかな?
あの女院様を侮ってはなりませんぞ
「女院様を使って中宮様に無理強いするのもやめろ!」これは何を指している?
肩をつかもうとしたら躱されて、床に倒れ込んで手をついてしまった
副音声で「四つん這いに転んだ伊周」と言われている
道長、少し見下ろしてから去る
公任、道綱と去っていく
身内しかいないかと思ったら、公任にも見られてたな
隆家が「兄上」と肩に触れたのをつっぱねる伊周
副音声「隆家を払いのけ、いきり立つ伊周」
睨んでるけどそれは逆恨みというか
「何よ、難しい顔をして」「ああ、除目の案を考えておりました」
「この人入れておいて」副音声「書き付けを出す詮子」
詮子も結局そういうことするんですか
書き付けを開いた道長の視線を受けて、小首を傾げてみせる感じ、この
「知らぬ者を入れるわけにはいきません」ああ彼か、とピンと来るような人物でもなかったようだ
「伊周一派を封じるためには、わたしの知り合いを増やしておいた方がよいと思うけど」「道隆兄上のようなことはできませぬ」
「そうよね。でもわたしにも色々な付き合いがあるのよね~」「できませぬ」「はい」
「融通の利かないところがすばらしいわ」「帝の信用もいや増すというもの。お気張りなさい」
「これは帝にお頼みするから」「え?」帝がかわいそうじゃないか!
実資「ええ! 陣定の後、そんなおもしろいことがあったのか」
実資にまでおもしろいとか言われちゃった
目まで剥いて
道綱「いや、おもしろいというか、情けないというか…」「内大臣様があまりに、…無様で」
道綱にまで無様とか言われちゃった!
道綱が最近妥当なこと言うようになってませんか
「今日もやるかな?」副音声「実資の目が輝く」輝くって
「やる」って
「かな?」が急に現代っぽい言葉遣いというか、素が出たみたいというか
仲良し感が増す
「しかし、あの日以降、伊周と隆家は、参内しなくなった」
このとき道長の後ろについて歩いてるのは誰だろ?
道綱-実資ラインの政治力が全然拮抗してないから故の仲良し感、すげえいいな
お、道長も加えたF4で集まってる
公任「偉くなるのは大変だな…」
「次の除目は、俺のことは忘れておいてくれ」「俺は。今のままずっと参議でよい」
「父が関白であった頃は、俺も関白にならねばならぬと思っておったが、今はもうどうでもよい」
伊周と自分を重ねてるところもあるのかな
「漢詩や和歌や、読書や管弦を楽しみながら、この先は生きてゆきたい」
政治を動かせる立場にありながら「ぼくは文化人なんで」なんて言ってたらまひろが怒りませんかね?
斉信「いきなり枯れてしまって…体の具合でも悪いのか?」
「陣定で見ていても、道長は見事なものだ」「道長と競い合う気にはなれない」
「見事って…」「まーだ始まったばかりだ」何せまひろと約束した目標はとても大きいのだから
公任「それより、適切な除目を行うには、各々が抱えている事情を知った方がよいと思うのだ」
ちょっと考えて「貴族たちの裏の顔か?」「そうだ」
「それには。行成を使えばよい」行成が驚いてる
「行成は字がうまい。おなごたちはみな、行成の字を欲しがる」
「ゆえに、行成は意外にも、おなごたちと密な繋がりを持っておる」
「女たちの、男どもとの睦言から、あいつらが知られたくない話を仕入れるのだ」
公任自身が関白になろうと思っていたときは、自分がそうやって情報収集するつもりだったわけかな
秘策を譲った
行成「わたしで、力になれるなら、やりまする」大の道長贔屓なのでやる気も出るだろう
斉信「俺もそろそろ、参議にしてほしいな~」
「あ~…。すまぬ。今回は、ない」売り込み失敗
公任と行成も、えっそうなんだ…という反応
「8月の除目では、源俊賢を参議にするつもりだ」
斉信、憤然としたまでは行かないけど、怒りを含んだようなショックの表情
そういえば「俊賢殿」にはならないのか
公任「同じ蔵人頭なのに、なぜ斉信ではなく俊賢なのだ」斉信としてもそこがショックよね
「俊賢は、亡き源高明殿の息子だ」「されど目指すもののためには、その誇りを捨て去ることができる」
「今の俺には、なくてはならない男だと思っている」
俯く斉信に笑って「斉信のことは! その先に必ず考えるゆえ。このたびは、許してくれ」
友達なので急がなくても待っててくれるという甘えでもあるかな?
俊賢は早くちゃんと取り込んでおきたいという面もありそう
さて行成が「昨日までにつかんだことでございます」
「早いな」「右大臣様の御為ですゆえ」
「ほっほ、藤原朝経は酒乱なのか」「そのようにございます」ここで報告するような情報かしら?
張りきった行成が重要でない情報を集めてきちゃったのかとも思ったけど、画面止めて見たら読める部分だけでも集めた甲斐のある情報だった
藤原朝経
三行もある
一行目に「酔」が見える
二行目は「人々云酒乱之者也」かな
三行目の最後は「殊甚…」
源頼定
「…密通斎宮…」って書いてない?
藤原通任
長いけど読めないや、「為侍従之間…」かな?
藤原公信
「喧嘩」って書いてあるな
「お読みになったら、すぐ焼き捨ててください」確かに、うっかり見られたらまずい情報だ
この場にもう一人いるのは誰だろう?
「…いや。一度読んだだけでは覚えられぬ」駄々をこねるな駄々を
「そなたのような優れた才はないゆえ」
「されど、これが残るのは危のうございます」「お心に留まったことだけ、ご自身で記録をお作りください」
持ち運ぶと危険
行成の字だってこともわかっちゃうか
「それは日記のことか?」嫌そうだな
「わたしは毎朝、前日に起きたことを書き記します」お、朝に書くものだったという習慣をさりげなく
「そのことで、覚える力も、鍛えられまする」さっきの「一度では覚えられぬ」をつっつかれちゃった
嫌そうだなあ!
行成から得た情報は、酒乱の他、斎宮との密通の疑い、職務怠慢に喧嘩。
実際に源頼定は後の東宮の女御綏子(道長の異母妹)との密通が明るみに出ているし、藤原通任は後の斎宮の伊勢下向の際の怠慢が問題視されている。
道長がこの頃からずっと目を付けていたのだとしたら、何と恐ろしい…
藤原朝経
於公事泥酔及数度
力試し。
人々云酒狂之者也
去春□父喪之後殊甚云々
源頼定
有密通斎宮之疑
藤原道任
為侍従之間□公事懈怠疑恐懼数度
藤原公信
度々於京内及喧嘩云々
ちょっといくつか読めなかった
また小麻呂を追いかけてる倫子様
副音声「道長の畳座でまるくなる小麻呂」畳座っていうのか
お、道長、早速日記を書き始めたらしい
「牽分御馬…来直盧」?
「使近衛…」
「ふーん…」こわいってこわいって倫子様、その反応は何
「除目は、年に二回あり、秋の除目は、大臣を除く中央官人の任命、春の除目は、主に受領など、地方官人の任命であった」
実資が権中納言に
満面の笑みだ
俊賢が参議に
行成が蔵人頭に
俊賢、道長のもとへ
場面変わって二条第
夕方かな
「内大臣様中納言様にはご機嫌麗しく、心よりお喜び申し上げます」
中納言様「ご機嫌麗しい訳がなかろうが」「何だ? おまえは」あっ面識もないのか、と思ってしまった
内大臣様「右大臣殿に言われて、様子を探りに来おったか」
「わたしは源の再興のために右大臣様に近づいておりますだけで、道長様に忠義立てしているわけではございませぬ」首を横に振りながら
道長が言ってたのはこういうことか
「内大臣様の方がお若くご聡明で、いずれは、高みに昇られましょう」
「今宵は。先々のためにまずは種を蒔いておこうと、参じましてございます」なるほど
隆家「図々しいやつだなあ」覗き込んで、「おまえ」
「帝も。内大臣様のこと、案じておられました」おっこれは効いたか
「右大臣様に対抗する力がなければ、内裏も陣定も偏りなく働かぬと、帝はお考えなのではありますまいか?」
伊周の方を本当は信用しているとかいうよりも、バランスを気にしてると言った方がもっともらしいわね
「帝がそう仰せになったのか?」「そのようにお見受け致しました」これを実質的に否定だとわからなきゃ
この間まで蔵人頭だったので「わたしの目に狂いはございませぬ!」力強い
ズッと前に出て「どうか! ご参内くださいませ!」
「内大臣様、中納言様のおわさぬ陣定なぞ、あってはならぬと存じます」
「これで、内大臣様がご参内くだされば、右大臣様が内大臣様を蔑ろにしているという噂は立ちますまい」
「よくやってくれた」「内大臣が出てきてくれることを祈ろう」
「必ず参内されましょう」「駄目であれば…」「第二の手を、打ちます」自分から言ってくれるの頼もしい
でも謀略が「欠席させること」じゃなくて「出席させること」なの面白いな 実際に公平であることと公平であるという風評は別だから、風評にも気を使って場を整えておかないと駄目なんだ
そういうことかあ
「それでは今日は、大臣の妻としての心得を、伝授いたしましょう」「それは初めてでございます。ご伝授ください」
折に触れていろいろと教わっているのね
副音声「しゃなりしゃなりと向かい合う、穆子と倫子」しゃなりしゃなり
「やはり。第一は、丈夫であること」
「それと、殿に子供のことで心配をかけないことね。彰子の言葉が遅いなんて言わない方がいいわ」「もう散々言ってしまいました」
「これからはやめておきなさい。内裏では些細なことでも重荷になるのですから」
「そんな風には見えませんけれど…」「そんな風に見せないところが、立派なのよ。あなたの殿は」
雅信さんは重荷そうだったんだろうか
「何も考えずに」と「禿ができてた」なのでどっちとも取れそう
「父上なんか、何も考えずに内裏に通っていただけだったのに、小さな禿がしばしばできておられたもの」
蠅が止まってるとか禿ができてるとかもう…
詮子に脅されたり兼家に絡まれたり大変だったんですよ!
陣定
来ないか…
と思ったら来た!
俊賢とアイコンタクト
「帝より、若狭に宋人70名余りが来着した件について定めよとの命があった」
公季?「なんと」顕光「70名…」「何事でありましょう」声だけじゃわからないや
為時は、申し文を書いているのか
「右為時経文」ってあるから写経かと思ったけど
その前に「請特蒙天恩拝任□□國守」と書いてあるみたい
机に花が飾ってある
いとさんが来た「また申文の季節になりましたんですねえ」
「嫌みか?」「とんでもないことでございます!」これは慌てたね
「どうせ駄目だと思いつつ、10年も申文を書き続けたが」「今年を、最後にいたそうかと思う」10年か…
「殿様…」「泣くことはない」「あれも、これも。人の世じゃ」
あれも、これも
いろいろあった
またききょうが遊びに来ている
まひろも家事を優先して洗濯物干してる
しょっちゅう来てるんだろうな
「新しい右大臣様には望みは持てぬと思っておりましたが、それが案外頑張っておられますの」
実績を受けて見直してくれた
伊周に失望した反動もあるかも
「疫病に苦しむ民のために、租税を免除されたりして」お、それは道長の手柄でいいんだ
まひろ、あまり反応しないように抑えてる感じかな
若狭の宋人の話も「若狭は小国ゆえ、何かと不都合だったらしいのです」
そこで「受け入れる館のある越前に送るよう」道長が帝に提案した
「すばやいご決断にみな、感嘆しておりました」何だかききょうが自慢げな気もする
「宋人とは! …どんな人たちなのでしょう」こっちには食いついた
安心して興味を示せるからとか、道長のことは抑えてる反動とかいう面もありそう
「…さあ?」ききょうの方は特に興味がないようだ
洗濯物が片づいたのでお茶を出したようだ
「宋の国では、身分が低い者も試験の出来がよければ政に関わることができるのだそうです」「我が国では考えられないことです」「…そうですわね」
ききょう、まひろの熱心さに引いてる感じ?
引いてるというか気圧されてるというか
「わたしは、身分の壁を越えることのできる宋の国のような制度を是非、帝と右大臣様に作っていただきとうございます」
そんな制度があったら直秀も登用されていたかもしれない?
「あ…まひろ様って、すごいことをお考えなのね」「そんなこと殿方に任せておけばよろしいではありませんか」
「わたしはただ、中宮様のおそばにいられれば、それで幸せですので」
政治より推し活
…いや、定子の現状を思うと、「中宮様のそばにいられるだけでいい」もわりと重い話か
「ききょう様がそれほど魅せられる中宮様に、わたしもお目にかかってみたいものです」
言葉通りというか、今のききょうを見てそう思ったんだろうなあという感じ
「!」「中宮様の、後宮においでになりたいの?」ちょっと話飛びましたよ?
まひろは「宋に行ってみとうございます」ぐらいの夢物語で言ったのだと思うけど
「それはもちろん、参れるものなら参ってみたいです」一般論みたいな感じで
「…簡単ではありませんけれど、まひろ様はおもしろいことをお考えだし、もしかしたら、中宮様がお喜びになるかもしれません」「お話ししてみますわ」
視聴者に釘刺し「簡単ではありません」
まひろが軽い気持ちで言ったことを本気にしたというよりも、ききょうの方が「まひろを定子に会わせる」ことを閃いた感じかも
定子を元気づけたり、そこまででなくても気分転換になるかもしれない
最近の定子は辛い状況だから
「まことでございますか? 是非、お願いいたします!」頭を下げる
本当に参内できちゃった
ききょうが前を行く、いつもの赤い衣装
続くまひろも正装、黄色
その後ろに桃色、紫色の衣装の二人が続く
鋲を踏んだ
副音声「足元に、幾つかの鋲」なので「鋲」でいいらしい
「何か踏まれました?」一瞬ききょうが撒いたのかと思うぐらい涼しい顔だった
「こうした嫌がらせは内裏では毎日のことですの。お気になさらないで」ひえ
「わたしも三日に一度くらい何か踏みますので、足の裏は傷だらけです」
「でもそんなこと」「わたしは平気です!」「中宮様が楽しそうにお笑いになるのを見ると、嫌なことはみーんな吹き飛んでしまいますゆえ!」
御簾の向こう、几帳の陰に、女房が三人
まひろ、豪いところに来てしまった
「おいでになりました」副音声「庭を眺めていた定子が、座に戻る」
女房たちが御簾を下げようとするが「下げずともよい」
普段から御簾を上げまくっているので変な感じだ
副音声「ききょうと共に、平伏すまひろ」
ききょうの顔を見てから、「お初にお目にかかります。まひろにございます」
事前に話を通してあるから「まひろ」でいいのかな
「話は聞いておる」「少納言が心酔する友だそうだな」心酔とまで
まひろ驚いてる
「いえ、わたしの方こそ、少納言様にはたくさんのことを教わっております」
「まひろ様は和歌や漢文だけでなく、政にもお考えがあるようです」
「お上のお渡りにございます」あら突然
まひろ、まさかのお上が自分の目の前を通っていった
「今日お上がお渡りになるなんて、伺っておりませんでした」わかってたらまひろを今日呼ばないものね
「会いたくなってしまった」本心なのか、それとも
行っちゃった
ききょうやまひろに見向きもしない帝も、まひろに対してフォローもない定子も、この辺は上の人って感じ
定子のために、帝自ら戸を開けてあげてる
ききょうが顔を上げたのを見て、まひろも
「ごめんなさいね。すぐお戻りだから、少しお待ちになって」「どちらへいらしたのですか?」
無言でいるききょうの表情と、気がついて「はっ!」となるまひろの表情、いいな
「お上と中宮様は、重いご使命を担っておられますので」
まひろ、目も見開いて口も開けて、唖然というか何というか
やがて戻ってきた
「お上。この者は、少納言の友にございます」定子が紹介
定子もまだまひろのことをほぼ知らないままだけど、紹介する立場に
「正六位上、前式部丞蔵人、藤原為時の娘にございます」
「おなごながら、政に考えがあるそうにございますよ」
「朕の政に申したきことがあれば、申してみよ」
この帝ならそう言いそうだけど、まひろにしてみればすごい展開だ
中宮様に言うのだってすごいことなんだけど
「わたくしごとき、お上のお考えに対し奉り、何の申し上げることがありましょうや」
「ここは表ではない。思うたままを申してみよ」誰か前にも「表ではない」って言ったっけ?
「畏れながら」「わたしには、夢がございます」
科挙のことを語り「全ての人が、身分の壁を越せる機会がある国は、すばらしいと存じます」「我が国も、そのような仕組みが整えばと、いつも夢見ておりました」
科挙のことを知ったのはつい最近じゃないですか
日本の政治の仕組みの話だから、「一条天皇の政治に対して言いたいこと」とはちょっと逸れるというか、一条天皇個人に対する批判とはちょっと違ってまだ言いやすいかも
「その方は新楽府を読んだのか?」
帝も読んでるのね
ちょっと「この人は日本紀を読んでいるに違いない」を思い出すな
「高者、未だ、必ずしも、賢、ならず。下者、未だ、必ずしも、愚、ならず」新楽府の中からこの文をチョイス
「身分の高い低いでは、賢者か愚者かははかれぬな」帝直々の解説
「はい。下々が望みを高く持って学べば、世の中は活気づき、国もまた、活気づきましょう」
「高貴な方々も、政をあだおろそかにはなされなくなりましょう」おっと
帝、ちょっと笑って目を伏せた
定子「言葉が過ぎる」
「そなたの夢。覚えておこう」「畏れ多いことにございます!」
定子がちょっと複雑そうだ
政をあだおろそかにする高貴な方々に心当たりがありそうですな
「伊周様隆家様、お目通りにございます」おっと
二人がここまで来る前に、帝の顔にもう陰が差している
伊周「仲良くやっておられるか、拝見しに参りました」「中宮様には皇子をお産みいただかねばなりませぬゆえ」
伊周がこんなんだから昼間っからあーいうことに…
「ところで」「この女は見慣れぬ顔でございますな」矛先がまひろに
間者だとでも思ったのかしら?
「わたしの、友にございます。今下がるところにございました」短いお目通りであった
「本日は図らずも、帝のおそばに侍することが叶いまして、一代の誉れにございました」ほんと図らずもだ
定子に会いに来たはずなのに、結局定子とはほぼ話せず、帝と話して終わってしまった
帝は少し頷いただけで、言葉はない
二人は下がる
隆家「あのような者を、お近づけにならない方がよろしゅうございます」
「おもしろいおなごであった」微笑む帝
「お上。どうせお召しになるなら女御になれるくらいのおなごになさいませ」「そうでなければ。中宮様に皇子を。お授けくださいませ」
この際皇子が生まれるなら定子でなくてもいいのか
その皇子に入内させる娘はいるしね
「伊周はそれしか申さぬのだな」ほんとですよ
今だけで二回も言ってる
無職の六位ごときの娘が「高者未だ必ずしも賢ならず、下者未だ必ずしも愚ならず」という話をした後で、皇子を産め攻撃に走る中宮実兄・内大臣、なっさけないなあ
伊周を信じて関白にしようとしていた自分も情けなくなるのでは
「もうよい。今日は疲れた。下がれ」
帝の方が立ち去ってしまうと、置いていかれた定子がまた皇子を産め攻撃を食らうから、伊周たちの方を下がらせたんだろうか?
「父上、正月の除目の申し文ですけれど、越前守をお望みになったらよろしいのではないでしょうか」「はあ?」
「越前には宋人が大勢来ております」「父上なら宋の国の言葉もお話しになれますし、他の誰より、お国のために役に立ちまする」
「途方もないことを申すな」「大国の国司は五位でなければなれぬ」「わたしは。正六位だ」だからさっきの「はあ?」か
「東大めざしましょうよ!」「俺の偏差値知ってる?」とか、大企業をめざそうと言うのに「俺高卒だけど?」と返したようなものだと思えば、まひろの突拍子もなさが想像できる
「望みは大胆であるほど、お上の目にも留まりましょう」やってきた本人の言
「乱心しおったと思われるだけじゃ」
「もう十年も父上のお望みは叶えられておりませぬ」「ここはいっそ、千尋の谷に飛び込むおつもりで、大胆不敵な望みをお書きなさいませ!」「伸るか反るか、身分の壁を乗り越えるのでございいます」
貴族の中にも身分の壁が
「恐ろしいことを申すな」それはそう
「国司を望むなら、せいぜい淡路守くらいであろうが、それでも正六位のわしにとっては、出過ぎた願い」
「おまえ。宮中に参ったら何やら、おかしくなったのう」まさかの帝と対面して会話してきたものね
まひろ、すごく不服そうだ
一条殿
「その夜、伊周は、斉信の妹、光子のもとへ、忍んでいた」
「中宮様の気持ちがわからぬ」
「そなたはどう思う?」「入内したことのない者に、中宮様のお気持ちはわかりません」
「あーあ。そなたとおるとき以外はつまらぬことばかりだ」今の返事もつまんなかった気がするが
表向きかもしれないけど、あるいは本音かもしれない?
政治劇に負けまくって疲れてるようなときは、「むずかしいことわかんなーい☆」みたいなノリの方が癒やされるかもしれない
「世の中には、政のことを考えるおなごがおるのだな」
「中宮様も女院様も、さようにございますが」
「さような高貴な者ではない」「前式部丞蔵人の娘と言うておったかな…」
「名はちひろ…」「まひろと申しておった」道長びっくり
「朕に向かって、下々の中にいる優秀な者を登用すべきと申した」
口を開けて固まっちゃう道長、無理もない
「いかがいたした?」「お上に対し奉り…」「畏れ多いことを申す者だと思いまして」それはそう
「あの者が男であったら。登用してみたいと思った」
これを話してもらえる道長も信頼されてるなあ
伊周と隆家はああだったわけで
副音声「一点をみつめ、廊下を下がる道長」
申し文の山を探してるのかな
開いて「違う…」をカメラ内で3回やって、4回目に為時のをみつけた
「帝が褒めてた」→「が、本人は女なので、その父親を取り立てる」という口実が今なら使える、ということ?
「任淡路國守」とある
「淡路か…」
BGMがなんか不穏じゃないですか?
副音声「沓脱石に置かれた、黒漆の浅沓を、丁重に揃え直す乙丸」
乙丸に頷いて、いとも息を呑んで見守っているようだ
為時は緑の袍、まひろも内裏に上がったときの正装を着ている
使者は赤い袍
部屋の中にカメラが向いたぐらいまで、さっきの不穏なBGMが続いている
「正六位上、藤原朝臣為時を、従五位下に叙す」
二人とも驚きだ
乙丸といとも
「こう恩をかたじけのう致したるこの身、叡慮を承り、謹んでお受け、仕ります」
「右大臣様からの、ご推挙でございます」
副音声「まひろの瞳がうろたえる」
為時とまひろといと、使者を見送ってから部屋に戻ってきたかな
「これは国司にしてくださるということでしょうか」
「十年もの間放っておかれたのに、突然どうしたことであろうか…わからぬ…」それはそう
「ああーもし国司なら、父上は誰より越前だとお役に立てるのに」宋人のことで頭がいっぱいですね!
「もうその話はもうよせ」
「国司と決まったわけでもない」「ありがたく、従五位下を、お請けするだけだ」
「明日内裏にお上がりになるときは赤い束帯でございますね」こういう実際的なことはいとさんがすぐ気がつく
「殿様。うちに赤い束帯はございません」
東宮時代の花山天皇に仕えると決まったときも、緑の袍がすっかりかびくさくなっていたっけ
「へ?」「…位が上がるなどということを長い間考えてもおらなんだからな…」
「宣孝様にお借りいたしましょう! これからお屋敷に拝借に行って参ります」
まひろが出ていったので、いと「やはり、右大臣様と姫様は、何かありますね」
「こたびのことは。そうとしか思えぬな…」
まひろ、部屋に戻っていそいそと櫃を開けた
正装を脱いだらここにしまうのかな?
副音声「ふと、手が止まる」道長のことを思っているのか
為時、赤い束帯で参内
道長に挨拶「こたびは、ありがたくも、従五位下、叙爵へのご推挙を賜り、この為時、御礼の言葉も、ござませぬ」
喜びの滲み出た顔「悲田院でお助けいただいた娘も、おかげさまで、息災にしております」「何もかも。右大臣様のおかげに、ございます」「これより、身命を賭して、お仕え申し上げ、奉ります」
「お上の御為に尽力されよ」「ご苦労であった」
立っていく道長
為時、あ、あれ、? という感じだった
もうちょっと何か話すと思ってたかな
副音声「琵琶を鳴らすまひろ」
明るい顔で琵琶を弾いているのは珍しい気がする
一番下の弦が切れた
副音声「雲に隠れる満月」
いかにも不穏な前振りだけど、まひろにとって不穏なことかというと?
ついこの間特別に謁見させてもらえたばかりの定子の周りで騒動が起こればまあ不吉かな
廊下を歩く光子を呼び止める斉信
「帝よりの、賜り物じゃ。妹と分けよ」
父・為光は没しているし、斉信が妹たちの面倒を見ているのかな
兄・誠信もいるか
「ありがとうございます、兄上」「儼子は…ただいま、お忍びがあって…」「そうか」
この人名前わかってるのか
馬に乗ってやってきた伊周、門の前に牛車や従者たちを発見して動揺
伊周の従者は一人
牛車の周りには三人見える
牛車の向こうにもう一人いるかも
門番二人
酒を飲んでいる隆家
一人でも自分の席にいる(まあそりゃそうか)
伊周が何だかよたよたというか、放心の手前ぐらいというか、力が抜けたような感じで入ってきた
「あれ? 女のとこに行ったんじゃないのか?」
答えず「くれ。」と酒を取って直接飲む
「おーー。」杯も使わずとは、流石に何かあったかと思うわな
伊周、鼻を啜っている
「振られたの?」「男が来ていたとか? アッハハハ…」
兄上めっちゃ泣きそう
はあと息を吐いて、「まさかあいつに裏切られるとは、(鼻を啜って首を振り)思わなかった」
「あー…男が、押しかけてきたのやもしれぬぞ?」
隆家、さっきはからかったけど、本当にフラレたようだとわかると慰めに回ってあげてる
「見事なしつらえの牛車であった」
「泣いたってしょうがないだろう!」からの「よし! 懲らしめてやろう」おいおい
首を振る伊周
「関白になれなかったゆえ! 女まで俺を軽んじるのだ」
「情けないなあ!」隆家、腰を浮かせた「行こう! 誰だか確かめるだけでもいい」
また首を振る伊周を「ほら、兄上!」と促して
伊周は光子さんのことが結構本気で好きだった、ということでいいんだろうか
裏切られたと思って初めて自覚したとか
「女にまで軽んじられた」と思ったら心底情けなくなった、という線もあるけど
結局二人で一条殿に向かった
従者がそれぞれに二人ずつ?
いい笑顔で弓に矢をつがえ始める隆家
従者たちが立ち上がり、門が開いて
弓を引く隆家、伊周は「よせ!」
門から頭巾を被った男と、後に誰かついて出てくる
狙いをつける隆家、男をみつめる伊周、矢
射た
射る瞬間に口を開けたのがまーたいい笑顔ですねえ!
男の前を矢がよぎり、男が口を開けて飛び下がる
後ろに倒れ込んだ勢いで頭巾が落ちた
坊主頭
随分飛んだなあ!
副音声「牛車に矢が刺さる」
「脅しただけだ。当ててはおらぬ」
「誰だ?」伊周、目を細めて男の顔を見ようとする
肩で大きく息をしている男のもとへ、門の中から駆け寄ってきたのは斉信
「院! いかがされました、院! お気を確かに、院!」
「院…?」隆家もここで笑みが消えた
「矢を射かけられたのは花山院。長徳の変の、始まりである」
やってしまったと理解した伊周の顔!