「光る君へ」第13回「進むべき道」
あらすじ:
相関図:
公式サイトの第13回まとめ:
永祚2/990年
えっ4年飛ぶの?
裏でこまめにネゴってますよということを見せるシーンだったのかしら?
第1回と第2回の間で6年飛んだ後はそのまま続いてきたので、これは久しぶり
第6回と第8回で、ドラマ中に年が改まっている
ナレーションも「4年までの政変で…」と始めて、前回から4年経っていることを明示
「この日は、一条天皇元服の日」なるほど、4年飛んだ先としていいタイミング
兼家は摂政、息子たちも政権中枢にいる
一条天皇の加冠役も兼家
4年飛んだ現在の政権状況を簡潔に説明してスタート
0:45
3:30
「父上! 母上!」「兄上の恋文を見つけてしまいました」成長後の定子、初登場
道隆はまた酒を飲んでいる
「やめろ、やめぬか」兄上も追いかけてきた
「いつまでも子供で困ったものねえ」いや、止めてあげて母上
取り合ってるうちに破れてしまった
「戯れに下書きなぞしていただけです」下書きねえ
「定子。過ちは文を盗み見たおまえの方にあるぞ」「恋心とは秘めたるもので、人に見せるものではない」
ちゃんと注意する父上
と思ったけど問題はそこなのかしら?
恋を成就させて貴子と結婚しているので、恋に関しては自信がおありか
「もうよろしいのです父上」「お優しい兄上」「黙れ」
ここまでで兄妹関係がよくわかる
「ははうえー!」弟も登場「兄上と姉上が喧嘩してた」
まだ子供、と思ったけど元服してるな
「もう伊周と定子は仲直りしたぞ」兄上と姉上の名前を復習
「わたしも、伊周の恋文、読みたかったわあ」
母上にもからかわれている
と思ったけど割と本気だったりする?
「ちっともときめかなかったけれど」「何を言うか。最高の出来だった」
伊周はこう返せるタイプだから、両親もここで定子を深刻に叱ったりはしないのかな
「本っ当に伊周は、漢詩も和歌も、笛も弓も、誰よりも秀でていますものねえ」まあ親馬鹿
和漢どちらも、音楽も武芸も、ということか
定子の「ちっともときめかなかった」はからかいとして流されたようだ
伊周、鼻をかいて照れくさそう
「また兄上贔屓」「まことのことゆえ、仕方ないな」「自信ありすぎ」
祖父は摂政・兼家、父はその後を継ぐであろう道隆、皇太后は叔母、天皇は従弟だものなあ
自信満々に育ちそう
「兄上は、文のお相手に婿入りなさりたいの?」
「婿入りなんぞ! まだまだですよ」伊周の反応を待たずに母上
「母上は兄上が大好きで、手放したくないのね」「そうですよ?」
子離れできないタイプだったらしいので、伏線ですね
自覚があるのはまあよろしいが
当時は息子の方が婿入りして離れていってしまう
伊周「入内するからというて、浮かれるな」
真面目な顔? をしてみせる定子
道隆一家のキャラクターがだいたい見えた感じかな
弟は影が薄いが
5:00
そして入内の夜
副音声「夜の内裏」
髪を梳り、紅がつかないかチェック
副音声「御簾のそばに、正装姿の道隆」兼家も来た「よろける兼家」もうお歳ね
「一条天皇元服の、二十日後。定子が入内した」「道隆たち中関白家、絶頂期の始まりである」
御簾の向こうの廊下を定子が歩いていく
火を持った赤い袍の男性二人が先導
女性も前に二人、後ろに大勢
定子だけ扇で顔を半分隠している
5:45
副音声「ごそごそ落ち着かない、着座した一条天皇」まだ子供だものね
昼間かな?
帝は大床子(だいしょうじ)に座っている
四つ足の台を前後に二つ並べて、その上に座る
今日の「光る君へ」。
いよいよ定子様入内。元服したとは言えまだお子様の一条天皇と楽しい遊び仲間です。天皇が座っていた台は「大床子(だいしょうじ)」というもので、ベンチを二つ並べて半畳と円座を敷いて座るものです。
今回の典拠はこれでしょう。
『満佐須計装束抄』(源雅亮)
「大床子は御帳の西の間の母屋の柱の際に立つるなり。その体。上は簀子にて長さ三尺ばかり脚の高さ二尺ばかりなるを二つ差し合はせて据えて、上に高麗をただ半帖の様に打裏を付けて敷きて、その上に菅円座を敷きたり。」
畳や円座はなさそう
帝の前には脇息
大床子の前にも台か机みたいなものがある
すぐ左は布(几帳?)
後ろは調度があって、その後ろは山の風景画を描いた扉
帝のすぐ後ろに杯、定子の後ろには剣の袋(たぶん)が見える
帝の右に定子、こちらは床に
冷えそう
扇で顔を半分隠している
定子の右には屏風があって、その向こうに女房が控えている
結構横に狭くない?
「おかみ」「お、か、み」ひそひそ声で呼びかける定子
扇を下げると「口をすぼめて、変な顔をした定子」へんなかお
帝、ノーリアクション
ちょっとお!
扇を一度上げて別の変顔で再チャレンジ
自分で笑っちゃう
帝はそれにつられて笑ったのかな?
変顔は結局ウケてない気がする
帝が真顔でいるからどきどきしたわい
「お上のお好きなもの、お教えください」間を置いて「お上のお好きなもの。わたしも全部好きになります」
間を置いたのは、帝の返事を待ってたのかな
帝、考えながら「母上。つばき餅。…。松虫」
まず「母上」
まだ10歳らしい
6歳で即位して、ほとんど甘えさせてもらってないだろうけど
定子、座ったまま背伸びして、「わたし」「虫だけは苦手なんです」内緒話みたいに
「全部好きになるって言っちゃった! 早まった!」みたいなリアクションがあるわけではない
帝、笑ってくれてよかった
帝も松虫の声が好きなのであって、虫そのものを愛でたいわけでもないのでは
定子と一条天皇が仲良くなる最初
「幼稚園の頃よく遊んでくれた定子おねえちゃんよ」ぐらいの感覚かと
10歳にしては幼いけど、6歳で即位してあまり子供らしく過ごせてこなかったので、「子供」をちゃんと卒業できていないのかも
後々、彰子のときはどう描かれるか
6:52
一方、酒をかっくらう道兼
「そなたも、大きくなったら入内するのだぞ」俯く娘
これでもう懐かれてないことがわかるな
「まだ七歳でございますよ」母親は乗り気ではない
しかし一条天皇は六歳で即位しているのであった
定子十三歳、帝十歳、尊子七歳なら年齢差的にはそう悪くない
名前は出ないけど、藤原繁子
懐仁親王と詮子と女房たち大勢、みたいなシーンでは映っていたのかも
「入内させるべく学ばせるなら早いに越したことはない」それはまあ確かに
定子も早くからその予定で教育されてはいただろう
「ご自身のご栄達のことも大事ではございますけれど、尊子の幸せもお考えくださいませ」
出世のためだろと
一条天皇の乳母なら詮子を近くで見ていたわけで
詮子は国母にまでなったけど、妻としては決して幸せではなかった
「何を言うか。入内ほどの誉れはなかろう」
道兼は尊子にとっても良い話だと思ってるから平行線だわな
詮子は幸せそうに見えまして?
定子が入内したといっても、「帝はまだ幼く、定子との間に数年は子はできまい」
10歳で人にそんな話されるの嫌だなあ
「できたとしても。皇子かどうかもわからぬ」「そのときこそこの子の出番だ」じゃ、定子に皇子が生まれたらどうするので?
「わかったな。尊子」副音声「道兼の目に怯え、繁子の後ろに隠れる尊子」
俯いて引っ込んでいく様子がかわいい
道兼を睨む繁子
道隆の家庭とは対照的な道兼の家庭
ちやはを殺しておいて自分は幸せになっていても腹が立つけど、ちやはを殺していなくても別に幸せにはなっていなさそうである
7:43
まひろ、さわと共に市へ
衣装が薄緑になっている
乙丸と、さわのお供も一緒
さわとはずっと付き合いがあると
市は賑わっていて、子供が追いかけっこをしていたりもする
「この、針をおくれ」二つ折りにした紙に並べて刺してある?
乙丸がカブを三つぐらい載せたザルを差し出す、一つ取るまひろ
副音声「小振りなカブで支払う」副音声をつけるとどこがポイントなのかわかりやすい
「これでよいか?」副音声「困った顔の針売り」物々交換はこれだから面倒ねえ
さわ、見兼ねた様子で隣の店へ「まあー! おいしそうな鮎の干魚!」
…フォローになるのかな?
「買えないものは見ないようにしているの」というまひろの反応からすると、「ウィンドウショッピングを楽しみましょうよ」という方向に持っていこうとしたのかしら?
「今度うちにある干魚を持って参ります」
「そんなことしないで。また、お父上とお母上に叱られるわ」
前にも何かやったんか
叱られるようなことがあっても、変わらずまひろのところへ遊びに来ていると
友達の支援を受けるのも微妙なのかな…と思ったけど、そういうわけではないのか
そこへ「いい加減にしてください!」「どけ!」「邪魔するな!」「やめて!」と声が聞こえくる
女の子二人と男の子一人、母親、売った男、買った男
「この子たちを売った覚えはない。返してください」
「何言ってんだ。ここに証文がある」「これは」「染物師のもとに、預けるという証文ではないのですか?」
住み込みで働かせてあげるという話になってたのかな
話になってたというか、嘘だけど
名前だけ書かせたわけかな
「ここには一人、布一端で売ると書いてある」
コノ…ハ質物代トシ?
「布一端ニテウリワタス」は視聴者にも読めるように見せている
…ケアルヘカラズ
二月四日
証文をじっと見て、どうにもならないことを悟ったか
「帰ろう! 帰ろう!」つらいなーこの一連のシーン
「売るつもりはなかった」「取り返そうとした」ことが子供たちに伝わっているのは辛うじて救いだけど
「連れてくぞー」「毎度どうも!」母親は結局布も受け取れないのでは?
借金のカタに取られたのかしら
布は黄色、黄緑、オレンジとカラフルなので、染物師は実際に絡んでいるのかも
そういえば、売られたような子供でも、模様のある服を着ていた
まひろが来たときは、子供たちが連れていかれるところ
「誰か! 誰か助けて!」「大丈夫ですか?」「子供、子供を連れ戻してください」
「ごろごろ生まれてくる子なんか、いらねえ親もいるんだよ!」
この母親を大人しくさせるために怒鳴る内容ではない気もするけど
この人自身が子供の頃に売られたとか、兄弟や友達が売られたとかしたのかな
「子を売らないと食えねえ親もいる」
これじゃなくて「子なんかいらねえ親」の方を先に言ったの、やっぱり私怨が絡んでいそうな気がする
「これを見ろ。俺はそういう親を助けてやってんだ」
今この場で人攫いが発生したわけではなくて、表向きは手続きを踏んで売り渡したことがわかる
「子を売るなんて…」
もしこの男が子供の頃に売られた経験があるのだとしたら、こういう親を相手にするほど意固地になっていきそうだ
まあちょっと想像が過ぎるが
「これは、預けると書いているんではないんですか?」
ウリワタスと書いてあることがわかるまひろ、子供たちを追いかけようとするが
乙丸「姫様に何をする!」
10:20
「これくらいの傷でようございました」家でさわに手当てをうけるまひろ
肘の辺りに怪我
何かしらの薬を塗る前にまず水で洗うべきでは
「あの人の子は、とうとう売られてしまったのね」
別に主人公パワーで助けられるわけではなかった
代わりに自分が買い取れるわけでもないものなあ
針を買うのに小振りなカブを出して困らせてたような身で
「文字さえ読めたらあんなことにはならなかったのに…」「民のほとんどは字が読めませんから」
「文字を教えたい」まひろ、閃く
「えっ!」呆れたのかと思ったら「一人二人に教えても今日のような不幸は救えませんよ」そういう方向か
「一人でも二人でも、救えたらいいわ」
10:58
夜、月を見上げて
回収早かった
「よりよき世の中を求め、あなたは上から、政を改めてください」「わたしは、民を一人でも、二人でも、救います」
あら、顔にも怪我してる
顔の左側だから、さっきは角度的に見えなかったのか
11:27
乙丸を巻き込んで道で小芝居
巻き込まれてるなあ乙丸…
なんか見てらんない
直秀たちみたいなわけにはいきませんよ…
「を!」「おー! これが、『を』ーかーあ!」
「をとまる」と地面に書いてみせる
「るまとを」になるわけだが
「と! まー…る!」「『をとまる』だー! 俺の名だー!」
ところで、証文はカタカナだったけど、ここはひらがなでよいのです?
女の子が気に留めてくれた
「あなたも書いてみる?」
12:40
家に連れてきてレッスン
地面に書く「あ」「あ!」「雨の『あ』よ。さ、書いてみましょう」
手を添えて一緒に「横棒一本、上から縦に一本、ここから、回って、くるん」
今度は一人で「そう!」「書けた!」「ふふ、書けたね。上手」
「撮影の合間に子役と遊ぶ吉高由里子」みたいだ
にこにこ見ている乙丸
左腕に包帯
それで嫌気がさして付き合ってくれなくなったりはしないんだなあ
紙を見ながら「やーま、かーわ、みーね、たーに…」
いろは歌みたいなやつ
これを読めるようになるぐらいレッスンが続いている
針仕事をしていた乳母、もうやだという感じで立っていく
書を読んでいる為時のところへ
「姫様がまた、何の足しにもならぬことをおやりですけど」「こんなにお家が困窮しておりますときに、どうなんでございましょう」「どうなんでございましょう!」
「うん…」としか答えない為時
為時も仕事がほとんどないので文句も言えないと見える
為時もまひろも学問馬鹿というか
いととしては歯痒かろう
生活のことをあまり気にしてくれない
14:08
「国司の横暴」のシーン?
差し出された書をひったくり、「何だこんなもの!」と籠を蹴飛ばす
飛び散る芋「なんてことを!」
「米が取れないので芋で勘弁してください」みたいなことだったんだろうか?
そして内裏
雅信「国司の横暴をあげつらう上訴が多いのう」
為光「訴状を読むのも、面倒でございますな」
税を勝手に重くして私腹を肥やしているらしい
雅信としては「ほんとか?」と思っている「毎度ながら信じられぬ思いじゃ」
道隆「昨年、尾張の国の民の上訴により、国司を変更したばかり」
「強く申せば通ると思えば、民は一々文句を言うことになりましょう」つけあがるから却下、だと?
それでよろしいかと雅信が確認、道長「お待ちくださいませ」
「遠方より都に参り、上訴する民の声には、切実な思いがあるに違いありません」
道長をみつめる実資、感動していそうだ
他の公卿たちは首を振ったり俯いたり
雅信は婿の発言をどう思ったかな?
道長は兼家の雛形ではなさそうだぞ?
「民なくば! 我々の暮らしもありません!」頷く実資
「摂政殿。お考えを」雅信が促す
「おお…お、道兼か」
道兼がぎょっとしている
道隆も
「橋の…修繕は、急ぎ行え」
道長も啞然
場が凍りつく
「わしは今何か申したか?」
あの兼家が…
「父上の正気を失う前に、後継を指名してもらわねばなりませぬなあ、兄上」
道隆の背に話しかける道兼、そこへ来た道長は柱の陰で止まる
「父上にはまだまだ働いていただかねばならぬ」「本心とは思えぬ、きれいごとを…」
ちょっとだけ道長視点
実資が通りかかった
「精進、精進」と道長に声をかけていく
16:50
夜、道隆邸「父上は…今年の夏は、越えられまい」道隆もわかっている
橋は此岸と彼岸を繋ぐものだというツイートがあった
兼家はその橋を渡る
夏までだから急がないと
道兼の名前を出したのも何かに繋がるかしらん
家の存続の比喩ではないかという意見を貰った
明日へ架ける橋(違)
だとしたら、道兼がその橋を渡る方じゃなく修繕係に回されるのも納得←
「もしものことがあれば、わたしが摂政となる」自分がなることは疑わない
「おまえも忙しくなるゆえ、心積もりをしておけ」
「心積もりは。とうの昔からできております」これはいいんだけど
「明日そうなっても。心配ございませんよ」これはどうなんでしょう貴子さん?
摂政になる=父が死ぬ、なんですよ道隆にとっては
「そうなる」は「貴子が摂政の妻として忙しくなる」←「道隆が摂政になる」←「兼家が死ぬ」全てを含意しているわけで
道隆の返事がない、顔も映らない
「さすが殿が見込んだ妻でございましょ?」と貴子は言うが
道隆の反応が意図的に伏せられてる感じがするなー
道隆は、兼家の死後は自分に重責がのしかかってくるわけで、その覚悟をしないといけない
父を心配してばかりもいられない
17:45
一方の道兼
副音声「公任の邸」あっ公任の方の家だったの?
「俺がおらねば、父の今日は、ない」思えば、円融天皇も花山天皇も道兼が退位させたんだった
円融天皇には毒を盛らせて
花山天皇には出家を唆して
「それは亡き父からも聞いております」さらりと明かされる頼忠様の死
「なのに何故兄が内大臣で俺が権大納言なのかさっぱりわからぬ」不服
道隆のことは「嫡男だから顔を立てている」という解釈
道兼に取り入るためじゃなくて、公任も実際にそう思ってるってことよね
「心配はいらないのではございませんか?」楽観的だな公任
「俺が、摂政か関白となれば、必ずそなたを取り立ててやろう」「そなたはもう後ろ盾がないゆえ、俺を頼りにいたせ」
まさにこの通りで、公任はもう後ろ盾がないので道兼に取り立ててもらおうとしている
わかりやすく台詞にしてくれた
頼忠の事実上の遺言みたいなものだ
見込みが外れてるんだけども
杯を置いて「ありがたき幸せにございます」
「そなたは蔵人頭。帝にも父にも近い」「父の様子を逐一俺に伝えてくれ」
おっさりげなく「公任は蔵人頭になっている」という説明が
兼家が為時にさせてたようなことを…
父に向けて間者を放つんかい
「尽くせよ。俺に。」
ここは出世云々とは別に、「自分のために尽くしてくれる人」が欲しいという本音が混ざったかも
道兼はここで妻と話し合えるわけではないんだなあ
道隆も、この後の道長も、兼家のことを妻と話している
道兼は「兼家に認めてほしい」「応えてほしい」という思いが屈折して出てきてる感じ?
「権力を握りたい」でも「偉くなりたい」でも「兄を超えたい」でもなく「父に認められたい」だろうからなあ
19:09
倫子様と穆子様、寝ている女の子を笑顔で覗き込んでいる
ホーホケキョ
手毬が二個転がっている
「この子は、道長と倫子の一の姫、彰子である」副音声「二歳」
「あなたのこの年頃には、よくお喋りしたものだったけど、この子は言葉が遅いわね」
「殿に似たのかしら?」子供の頃は「いつもぼんやりしていて、父や兄に叱られていたって」
「それは倫子を笑わそうとなさっているのよ」「あんな凛々しいお方が、ぼんやりしていたわけはないでしょ」
穆子様の見立ても案外当てになりませんのね?
道長が帰ってきたので穆子様は失礼する
道長の様子が変「いかがされましたか?」「父が…。おかしい」
ん、あの陣の定めから何日経ってるんだろ?
道隆と道兼はその日の夜だったんだろうけど
道長は内裏で宿直があって、翌日早くに帰ってきた、のかな
話を聞いた倫子「摂政様も、人の子だということではございませぬか」
「我が父は、摂政様よりも年長」「このごろすっかり老いました」
雅信さんはまだ陣の定めではしっかりしてたけど
「あれは」道長、倫子の横に座る「老いなのか」「恐らくは」
「でもわたくしは、老いた父もいとおしゅうございます」「ここまで一生懸命働いてきたんですもの」
誰のせいで苦労させられたんでしょうねえ
「我が父も長い闘いを生き抜いてこられたからな…」
誰のせいだ誰の
誰も遵子に子供を産ませるなだの忯子の子供を呪えだのと兼家に強いてはいないでしょうが
「帝が即位され定子様が入内して。気が抜けてしまわれたのやもしれんなぁ」
というより、張り合いがなくなってしまったのかも
生きる目標、生き甲斐がなくなってしまった
「お優しくしてあげてください」
道長、彰子をそっと撫でる
笑顔、倫子の方をちょっと見た
道長と倫子がいい夫婦になっていることが窺える
道隆と貴子は既に長く連れ添った夫婦なわけで、好対照
なお道兼
道長は今の兼家に心を痛めつつ、それを受け入れる気持ちになった、か
倫子の支えによって
三者三様の兄弟
道綱は…
陣の定めに出られる立場じゃないから、兼家のあれを知らないものね
21:37
くるくる回って山吹色の衣装をまひろに見せている宣孝
宣孝も楽しそうだがまひろも楽しそうだ「どうだ?」「よく似合っており…」
そこへ為時「御嶽詣でにその姿で行かれたのか?」こちらは呆れている
「おう、これが御嶽詣での土産じゃ、腹の病によく効く」いただくまひろ
「御嶽詣でには大勢の人が来るゆえ、派手な身なりでないと神様の目に留まらぬと思うてな」一応理屈はあるのか、
「よくお似合いでございます」仕来りなぞ知るか! という態度がまひろには好ましいのかしら?
「みなそう言うておった」宣孝ご機嫌
「まことに、神様のご加護があれば、そのときはお祝い致しましょう」「是非祝ってくれ、ハハハハハ! ああところで」ぬるっと話変えるじゃん
「婿取りの話だがな」
「わたしはどなたともめおとになる気はございません」道長と一緒になれないからにはそういうことになるのかあ
「今子供に読み書きを教えており、やりがいもありますので」
「読み書きを教えて稼ぎになるのか?」「なりませぬ」揺るがない
目的は将来の不幸を防ぐことなので「楽しゅうございますしやりがいもございます」
「実入りもないのに楽しいのか」「おかしなおなごじゃのう」ストレートに「おもしれー女」来た
ここで為時から提案「宣孝殿。宣孝殿のご子息は、まひろの夫になってはいただけぬであろうか」
「あれは駄目だ。あれは駄目」「だめだーめだめだめだめだめだめだめ」そんな畳みかけなくても
「まひろのような賢い娘には到底太刀打ちできぬ」本心はどうなんだろうなあ
息子はもっと身分や富のある家に婿入りさせたいのかもしれないけど
「え! あの大事な息子をこんな家に?」という
言った通りなのかもしれない
「自分の息子がああだとバレる」「自分は息子をああ育てたとバレる」ことを思ってかもしれない
「ところで一つよい知らせがあるぞ」「摂政様のお加減が悪いそうだ」よい知らせと言っちゃうか
為時は複雑そう
「みまかられるようなことになれば風向きは変わろう」それは確かに
「父上は人の死を願うようなお人ではありませぬ」怒っていいぞ、まひろ
「そうか。そうだな。ああすまんすまん」
「ああならば婿取りの話はこれまでと致そう」摂政様の話に変えたところだったのでは?
婿取りの話を打ち切りたいがために慌てて話を変えたので、宣孝の中では婿取りの話がまだ引きずられてた感じかな
「では邪魔をしたな」「見送りはいらぬ、またな」宣孝はいつも見送りを断って帰っていくな
「一つ、訊いてもよいか」「おまえの夫を持たぬという強い気持ちはわかった、されど」「その真意は、どこに、あるのだ?」
初恋の人と物凄い別れ方をしてしまったせいとは言えぬわな
「言いたくなければそれでもよい」
「されど、あまり、己の行く先を、決めつけぬ方が、よいぞ」「誰か、よい人が現れるやもしれぬ、と仰りたいのですね」「そうだ」
結婚もしないで将来どうやって生きていくのか、は心配だろう
惟規が養ってくれるだろうと期待するには、惟規が頼りないものな
「実は、どこかのお屋敷に働きに出たいと思っています」夫に頼らず自力で稼ごうと
「それはよいが」代筆仕事がバレたときを思うと、父娘の関係も随分変わったなあ
「然るべき家の女房を務めるなら、五位の受領の娘くらいでないと…」ここでも為時の無官がネックに
24:59
今夜は明子のところに来ている道長
副音声「添い寝をした、源明子」あ、明子女王じゃなく源明子って言った
「道長様」「ん?(眠そう)」「子ができました」(開眼)
「こんなときでも。笑顔はないのだな」「申し訳ございませぬ」結婚してこの方、一度も笑顔を見てないんだろうな
「まあ、無理をすることはないが…」起き上がる
そのことで明子を責めるタイプじゃないよね
「微笑むことすらなく生きて参りましたゆえ、こういう顔になってしまいました」
本心なのか、相手が気まずくなるようなことを言って黙らせる算段なのか
「けれど、道長様のお子を宿したことは、嬉しゅうございます」
そう言いながら微笑んだのかどうか微妙なところだな
「そなたを微笑ませるすべもない俺も不甲斐ないが」「立派な子を産んでくれ」立ち上がる
ここで明子からお願い「お父上のお見舞いに行かせてくださいませ」
道長の子、つまり兼家の孫を宿したのだから
もっともらしい理由だ!
倫子と明子の対比…
いやまあ片方が親の仇を狙ってる人なので、「二人の妻の対比」としては適切じゃない気がするけど
26:27
お父上のお見舞いに来た
目線がふわふわしてるよ兼家
「父上、明子女王にございます」
「お加減、いかがでございますか?」こういうときの愛想笑いはできる模様
「おまえは誰だ?」まあ見覚えはないわけで
「妻の。明子にございます」
「ああ。そうかそうか」
「息子の妻がわからない」兼家の内心を思うときっついなあ
「お父上は、ご息災か?」ひえ
何もわからないままに無難なことを言ったつもりだろうけども
「父は。大宰府から帰った後。みまかりました」
「ああ、それは、気の毒であったのう」
道長、いたたまれず出ていってしまった
明子と兼家を二人きりにしてしまった!
「その扇は、よい作りでございますねえ」「その扇を頂戴いたしとうございます」
歩み寄って「父上。それをわたしに、賜りませ」
「これか? あぁあ、あ、よい。持っていけ」投げる
「ふふふふふ。ありがとうございます」ひええ
28:35
明子、扇を仏像の前に置いて拝んでいる
仏様に祈ることかい
「兼家の扇を手に入れたの。今度こそ息の根を止めてやります」四年の間に何度も試みているということか
「お腹に子もいるのだから呪詛などやめておけ」「摂政様は何もせずとも間もなくであろう」それはまあ
復讐を誓っている身としては、勝手に寿命で死なれるのも嫌なのよ
「兄上はいつからそのような腰抜けになられたの?」「父上が無念のうちに亡くなられたとき、兄上は震えるほど怒っておいでだったのに」
明子が復讐を誓ったのはその影響だったのかもしれないなあ
裏切られたか、梯子を外されたような気分かも
「月日は流れた」兄上にしてみれば、若かった/青かった頃のことを蒸し返されてるようなものか
「自ら命を絶てぬなら、生きてゆく他はない」「生きてゆくなら。力のある者には逆らわぬ方がよい」「それがわたしの学んだことだ」
俊賢もいろいろあって心が折れたんだろうなあ
俊賢の考えも理解した「兄上の生き方をとやかく言う気はございません」「ただ、わたしは必ずやり遂げます」
29:56
うなされている兼家
怯えて起きた
こういうとき、妾はそばにいられない/いてくれないわけだ
ぼやけた兼家視点で家の中をさまよう
「ここはどこだ…」「あの世か」自分の邸がわからない
「殿様」「おまえは誰だ?」使用人の顔もわからない
「晴明を呼べ」「すぐ呼べ」晴明はわかる!
30:07
晴明が従者を連れて来ている
「わしの寿命はどれほどだ」「陰陽寮のつとめは夜を徹しますので、朝は力が衰え、何も見えませぬ」
前にもそんなことは言ってたが
前に倒れたときの「わしは死ぬのか」は「ご即位を見届けられずに死んでなるものか」という覇気があったけれど
今回は…
「ならば問いを変えよう」「わしの後継は誰じゃ」「申せ」
「その答えは、摂政様のお心のうちに既にありましょう」晴明が相手にしてくれない!
「もうよい。帰れ」晴明に見限られたことを悟ったか
晴明が去り、すすり泣く兼家
_(:3」∠)_
32:02
一条天皇、かくれんぼ中
鬼は副音声によると乳母、字幕によると橘徳子
部屋の中を歩き回って
わお、定子の袿の中に潜り込むとは
「お上はどこかな?」そこ「どこかな?」なんだ
「女御様、お上はどちらに?」「さあ、どちらにいらしたのかしら?」
隠れてる子としては「バレてない!」となった方が楽しいものね
そこへ「皇太后様がお越しあそばしました」
袖の中にお上を入れたままひれ伏す定子の心境やいかに
詮子様きょろきょろしてる
「母上、ようこそおいでくださいました」帝登場
「お上。今何をなさっていたのです?」「定子とかくれんぼをしておりました」
定子様よくここで笑みを浮かべることができたな…(詮子様めっちゃこわい)
これは「定子と」かくれんぼ、でよいのか?
定子は隠れ場所になっていたようだが
「そう。楽しくてよかったこと」ここで「お上ともあろう御方が何をなさっているのですか」とか言われなくてよかった…
「母上も一緒にやりましょう」「今度またね」
「今度」が来たことはないんだろうなあ…
表面上は「またね」と言ってくれていたけど、「今度…いつ?」と追及したら「いつかです」とぴしゃりとやられてしまった
これでもまだ好きなものの一番目が「母上」で、母上と一緒に遊びたいのね…
「お上、間もなく手習いの刻限にございます」「嫌だ!」定子のもとへダッシュ
手習いそのものが嫌なんじゃなくて、母上につっぱねられたことに対する反発だろうなあ…
「お上、手習いを終えたらまた遊びますので、今は手習いに参られませ」定子必死の説得
「また遊ぶ?」「はい。必ず」とぼとぼと行く帝、一度振り返り、項垂れて去る
厳しく育てられていたから、いま定子に思いっきり甘えてるんだろうな
そして詮子と共に残される定子
「何をしに参ったのか忘れてしまったわ」ひええぇ
「どうぞ、こちらへ」「よい。思い出したら出直して参る」こわいよう
定子はお上のお好きな母上を自分も好きになるつもりでいるのに
お上が自分といるときより楽しそうなのが気に食わないのか、兄上の娘なのでそもそも嫌っているのか
「帝は大人の中で育ったゆえ遊び仲間がおらなんだ」これは事実だろうけど
「そなたが来てくれてお顔つきも明るくなられた」台詞と表情が合ってないんですよ
「これからもせいぜい遊んで差し上げておくれ」こわいってば
34:50
兼家、また夜中に目を覚まして廊下に彷徨い出たようだ
佇んでいる
道長が発見「お寒くありませんか」「いや…」「今日は、お体の調子がよろしいのですね」
「民に、おもねるようなことだけはするなよ」「えっ」「あっ、…おもね…ってはおりませぬ」
思いがけない話が来てびっくり
あのときの道長の発言が兼家の記憶に残っていたことにもびっくりかな?
尤も、あの発言を聞いていなくても覚えていなくても、道長に対しては同じことを言いそう
「民を虫けらのように切り捨てる、道隆の兄上のような政は、おかしい、と申したのです」虫けらまた来た
「おまえが守るべきは、民ではない」「政…」「それは、家だ」「家の存続だ」
そういえば、全世界的に、戦国時代みたいに国内で戦争が多くなってくると家制度が発達する傾向があると聞いたことが
戦争が増えて人がどんどん死ぬようになると、血統だと絶えちゃうので
自分の後を息子や孫が継いでいくこと
道隆・道兼・道長の「道」はキーワードになりそうだと思ってたけど、兼家の「家」が来るとは思わなかった
「人はみな、いずれは死に腐れて土に還る」「されど、家だけは残る」「栄光も、誉れも死ぬが、家は、生き続けるのだ」
「未来に残せるもの」は家だと
「家のためになすこと。それがわしの政である」
…思想はわかるけど、この思想を「政」と呼ぶのはわかんないな
「その考えを引き継げる者こそ、わしの後継だと思え」
まずその考えを聞かせてもらえる者が限られそうである
道兼は絶対聞かせてもらえないでしょ…
36:50
藤原兼家のいう「家が大事」という考えはその後は当たり前だが実は新しい。平安時代は「氏」が基本で「家」という考えは少なかった。 #光る君へ 中央集権国家なら財産はほぼ国のもので氏の長者が絶対ですが、荘園など「自分の起こした財産は家に継がせる」なら、家が中央集権離れた独自勢力になりますし。なので幕末「王政復古の大号令」で関白制度廃止するわけで。
へー
まひろ就活中
「お父上の官職があればいいのだけど…」「父が官職を得られるまで、わたしが働かなければなりませぬので」
子供がいるから就職活動ができないのに、働いてないから保育園に預けられないやつみたいだ_(:3」∠)_
「こればかりは、何とも…」この人も勤め人だから、主人の邸で働く使用人のランクを自分の一存で落とすわけにはいくまい
「女房としては雇えませぬが、下女なら」
まひろ、これは心外なのかな?
左大臣家の集い
「まひろさんのことも、覚えておいでです?」
まひろの話題が出るにつけ、全く話題にも出なくなった肇子さんがかなしい
「先日、出入りの家司の邸に、雇ってほしいとおいでになったのですって、まひろさんが」
ということは、しをりさんの家に半分雇ってもらっているような人の家に、雇ってもらおうとしたっていうことか
しをりさんとの身分差
「わたしの友の家にも、見えたそうです」
茅子さんの友達はどのくらいの身分なんだろ
「そんなに困っておいでなの?」で、何かできないかと思ったのね
37:45
そして倫子様に単独で招かれたまひろ
「わたしが婿を取ってから、学びの会も少なくなってしまい」
女性は結婚するとそうなるんですかね?…
婿を取った倫子様もだし、相手方が通ってくる肇子さんもだし
「まひろさんとも会えなくなって、とても寂しかったのです」「今日は会えて本当に嬉しいわ」本当に嬉しそう
倫子邸で雇おうと申し出てくれたようだが「されど、仕事は、他で決まっ…てしまったので」「まあ! 残念」
よく偽りを言うおなごである
「よかった」じゃなくて「残念」
「それなら、こうしてたまにお訪ねください」「まひろさんとお話ししとうございます」
本当に、まひろみたいな人が他にいないんだろうな
…うん、いないわな
「今度、殿にも会ってくださいね」殿にまひろを紹介したいという面もあるはず
「道長様は、権中納言になられたとか」引きつってるけどどうにか
「目覚ましいご出世」「そうなの」
そして「これ、殿の部屋で見つけたのだけれど、大切そうに、文箱の中に隠してあったの」
ぎゃーお
まひろに訊こうと思って準備してある
「これ、女の文字…ですよね?」「さ、さあ…」「漢詩だから殿御かとも思ったのだけれど、やはり女文字だと思うのよ」
「あの方が送ってきたのかしら?」「高松殿の、明子女王様よ」
まあ、女からの手紙なら、まずは「もう一人の妻」を疑いますよね
「あの方は、盛明親王のもとでお育ちだから、漢詩も書けるのよ」
「あの方なら漢詩を書けてもおかしくない」と辻褄が合ってしまう
前に出てきた小道具を別方向から生かすのすごいなあ
元々は、和歌でなく漢詩を返したことは、心でなく志、恋でなく使命をまひろが選んだことを表していた
それがここでは、倫子に「夫が自分よりも愛している女」の存在を悟らせるものになっている
しかも明子女王にうまく適合してしまう
「これ、どういう意味かわかる?」「この詩は、陶淵明の詩です。陶淵明とは、いにしえの唐の国の詩人で、この詩は、帰去来辞でございます」
「あーねーうーえー」のときを思い出すな
倫子様らしくない「もういい」
「あちらとは…文のやり取りがあったのね」この溜め息交じりの「のね!」がさあ
「殿、わたしには一通も文を下さらず、いきなり庚申待の夜に訪ねてみえたの。突然」
庚申待の夜なんていうイベントのあるときに行くから、「あの同じ日だったんだ」とわかってしまったじゃないか
結婚してからはよい夫婦になっているようだけど、最初の粗雑な扱いがずっとしこりとして残る…
彰子が来ちゃった
「あらあら、どうしたの? 今お客様なのに」
道長と倫子様の子供、まひろとしてはどういう気持ちで向き合えばよいのか
「まひろさんよ。ご挨拶して」でもお母様の後ろに隠れてしまった
「ごめんなさいね」「お初に。まひろと申します」
「この子、うちの殿に似て人見知りするのよ」倫子様の口から道長の話聞くのきっつい
いたたまれなくなったのか、まひろはもう帰ろうと
「働くのは無理でも、また遊びにいらしてね」しつこいぐらい言うじゃん
帰ろうとしたまひろ、道長に遭遇
副音声「二人の時が止まる」
橋を挟んで
42:30