人工天使:第2回
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倫敦発: 『人は人以上を創造することができるのか?』 というタイトルで講演を行なう予定であったジョン・ブラウンリング博士は先日自宅で発生した火災を原因とする負傷で西ビクトリア病院に入院。講演は延期となった。
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『恐怖もあった、しかし、我々は自分の中にある何ものかに惹かれるようにして、この地へ足を運んだのだ。
そして我々はあの日、生涯忘れ得ぬ場面を目撃したのだ。
嵐のような日々の終焉と共に』
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『倫敦近郊の医局にて』
窓から下を見下ろすと、出入りの導引機械技師が病院を出て行くのが見える。
GM : さて、それでは新しいキャラクターも参加しましたので、自己紹介などを最初にどうぞ。
ジェフリー : ジェフリー・ボガード、26歳、外科医です。なにやら、機械主義者の患者を抱え込んでしまいました。
マリア : マリア、24歳、オーストリアから来た外科医です。
サリー : 18歳の見習い看護婦です。家族7人を養うために今日も元気にここの病院で働いています。お医者様に憧れています。
レイデス : どーも、レイデスです。20歳の導引技師です。最近免許貰ったばかりです。最近どーも風邪気味で(笑)
『西ヴィクトリア病院事務所にて』
GM : 「あー、ジェフリー君、例の患者がもう到着しているんだが、看護婦と一緒に部屋まで連れて行ってくれたまえ」そう、外科長に言われます。なお、前回から一晩経っています。外科長はでっぷりと太って、顎の肉がふるふるしているくらいの男です。
ジェフリー : はい、分かりました。入り口まで迎えに行けばいいのでしょうか?
GM : 「ああ、どうやら車椅子らしいのでね。看護婦の、あー、サリー君の手が空いているはずだ、一緒に患者を案内してあげなさい」といわれます。サリーは看護婦室にいるはずです。
ジェフリー : 「分かりました……」と部屋を出ます。で、看護婦室に言って「サリー君はいるかな?」と……。
サリー : 「はーい! はいはい!! ここです! 先生!!」 ポケットにサンドイッチを押し込んで飛んでいきます。(おなかがすいたのでこっそり食べてました)
ジェフリー : サンドイッチをちらっと見て「勤務中の間食、あまり感心しないが……ま、いい。ちょっと来てくれ、患者を迎えに行くから」
サリー : (ぎくぎくぎくっ)真っ赤な顔でとぼけながらエプロンのパンくずをはたいてついていきます。
ジェフリー : で、サリーと一緒にエントランスへ患者さんを迎えに行きます。
GM : 古い石造りの階段を下り、ホールに出ると、言われた通り車椅子の男がいます。両手両足、首、頭、顔に包帯を巻いています。君たちは慎重に彼を三号棟二階の病室に連れて行きました。途中に階段があるので、二人で患者を持ち上げて運んで下さい。
サリー : (うう、この患者さん、重い……)
GM : 移動の間、彼はずっと筋肉を緊張させていました。
サリー : 「ふむー(汗)」必死で運びます。
ジェフリー : 部屋についたところで「はじめまして、私が担当医のジェフリー・ボガードです。よろしく」と挨拶をします。
『導引機械技師の居間にて』
GM : 机の上の新聞の束はもう何ヶ月分も溜まっており、既に読もうと思っていた記事を見つけることも難しいだろう。仕事がひと段落したのは良いけれども、人並みの生活に戻るにはまだだいぶかかりそうだ。
レイデス : 「さてさて、この新聞をどうするかな……」
GM : しかし、確か目に付いた記事に『ジョン・ブラウンリング博士講演!』というものがあったはずだ。君はそれを探すために、その山をかき分ける。『ジョン・ブラウンリング』博士といえば、知る人ぞ知る導引機械技師にして電気機械技師。米国はエジソンの発明をも先取りした発明品をいくつもものにしているという天才だ。
で、その人の講演についての記事を探す訳だが……基本値10〜12の間で決めてロールしてみて下さい。(このチャットは発言する時に基本値とサイコロの値を指定することで、サイコロでロールすることが出来ます)
レイデス : どこだどこだ(がさごそ) <4> <6> 目の和 10 基本値+10 達成値 20 (2個振り)
GM : 見つけました。『人は人以上を創造することができるのか?』という講演です。
レイデス : 「面白そうだなぁ……。講演、聞きに行こうかな」
『外科局長室』
GM : 「ああ、マリア君。忙しいところ失礼だが」と外科局長に呼ばれます。
マリア : 「はいはい、何かご用でしょうか」目をこすりこすりやって来ます。
GM : 「君は確かオーストリアでも優秀な外科として論文をものしてきたようだが、どうかね。世界的な発明家の治療を手掛けて欲しいのだが」
マリア : 「世界的な発明家、ですか……?? いえ、患者はどのような身分であれ、分け隔てなく治療しますが……」
GM : 声がちょっと低くなり、「ただ、この手術を論文にしたり世間に発表できないという条件があるのだが……。ああ、これは医局の方の方針で既に決定済みなのだがね」と外科局長に言われます。
マリア : 「??? ……はぁ……論文にしないのはかまいませんが……」ちょっと眉をひそめています。
GM : 「ああ、若手のジェフリー君が担当してくれているんだが、まぁ、二人で担当してくれたまえ。患者はとても神経質になっているのでね」
マリア : 「わかりました。で、今どこに……」
GM : 「ああ、三号棟の二階の個室だ」と外科局長が言います。続いて、「サリー君はいるかどうか、聞いてくれ」と外科局長は気送管のらっぱに向かって声を上げます。看護婦室に声が響きます。「サリー君はいるかどうか、聞いてくれ聞いてくれ聞いてくれ(残響音)」
サリー : 「……げほっごほごほっ……っはいっ! サリーです!!」紅茶がむせました (笑)
GM : 「サリーです! です! です!(残響音)」 声が響いてきます。そして「ちょっと来てくれ」と返されました。
サリー : 「はーいっ、ただいまーただいまーまーまーまー(残響音)…………がしゃーんっ」あわてて立ち上がったのでカップを落としてしまいました(笑)
『病棟にて』
GM : 「おい、患者には会ったか?」とジェフリーはチャールズに肩を叩かれる。
ジェフリー : 振り向いて「あ、ああ。さっき迎えに行って来たよ。全身包帯だらけだった」と返します。
GM : 「まだ調べてないんだろ。やっぱり噂通り部分的には機械主義者だったって話じゃないか? え、どうすんだよ、これから」と興奮した口調でたたみかけられます。
ジェフリー : 「昨日も言わなかったか? どんな患者だろうと患者は患者。担当になった以上責任は持つさ」
GM : ジェフリーがそう言った直後、医局にいる全員の耳に「キャーーッ!!」という叫び声が聞こえました。
『レイデス家にて』
GM : 再び新聞と格闘をしていると、つい三日ほど前に、『倫敦発: 『人は人以上を創造することができるのか?』 というタイトルで講演を行なう予定であったジョン・ブラウンリング博士は先日自宅で発生した火災を原因とする負傷で西ビクトリア病院に入院。講演は延期となった』と記事が載っていることがわかりました。
レイデス : 「うー、折角面白そうだったのに延期か……。僕みたいなのでもお見舞いに行ってもいいのかな……」
GM : 西ビクトリア病院といえば、君が先日からシステムを組んでいた病院だ。もしかしたら博士の見舞いに行けるかもしれない! という考えが頭に浮かぶ。
レイデス : 「よーし、こうなったら善は急げだ! 早速お見舞いに行こう!」
GM : そして花束と籠メロン(笑)を持参で病院の前に立ったところで、看護婦の叫び声がする訳だ。レイデスから見ると、包帯でぐるぐる巻きの男が、自分の腕をガラス窓に突っ込んで、血が吹き出ているのが見える。
レイデス : 「おいおい、なんてヤツだ。医者は何やってるんだ?」とかぐちぐち言いながらとにかく中に入ります。
GM : 病院の中では看護婦が外科局長室にまで走って来て、「大変です、ブラウンリング博士が錯乱して、窓に手をっ」と報告しています。「ブラウンリング博士担当の者は至急患者の元へ!」という局長の声が廊下に響きます。
マリア : ぱたぱたと駆けて行きます。
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『結局、博士が行ない、主張した理論も、その研究の全貌も、真意も、現在の科学界では異端として無視されている。
どんな天才も理解されなければ無意味だ。彼が何を求め、何のためにあんな姿にまでなったのか、三年が経過した今でも正当な評価は下されていない。
ただ、僕が今言えることが一つだけあるとするならば、
それは彼の研究のためだった、という事だけだ』
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『本日の上演はここまでです。次回をお楽しみに』
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