人工天使:第10回
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『我々がようやく病院にたどり着いた時には、局長とマリア女史はガス灯の黄色い光に照らされながら、白い湯気の立つ二つのカップをはさんで座っていた』
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GM: では前回の最後のシーンから続きます。マリアと局長はお茶を飲んでいまして、そこに他のメンバーが帰ってきたところです。運んできた荷物は馬車から降ろされたまま、エントランスホールに置かれています。局長は帰ってきたメンバーを見て、「ああ、全員無事だったようだね。御苦労だった。」と言い、「ではどうかね。暖かいお茶でも」と誘います。
ジェフリー: 「マリア先生? 無事だったんですね……良かった」と胸をなで下ろします。
サリー: 「あ、局長、待っててくださったんですね〜(感涙)」
マリア: 「ええ、皆さんも……無事でよかったわ」
GM: 「ああ、彼女は先程帰ってきたんだよ。君たちも無事で良かった」と伏し目がちに局長は言いながらポットからお茶をカップに注ぎます。全員の分が注がれました。
サリー: 「ああっ、マリア先生〜、どうしてここに!? 天使はどうしたんですか?」(テーブルの上のお茶に気をとられてて気付くのが遅れました(笑))
マリア: 「飛び去ってしまいました……」
サリー: 「ええっ、じゃぁ、天使はどっかに行っちゃったんですね(i_i)」じゃぁ、天使の行方に思いを馳せながら、おとなしくお茶をいただいています。
レイデス : 「あのー。取りあえず荷物を部屋に運びたいんですがぁ」
ジェフリー: 「そうですね……僕は先にレイデスさんと荷物を運んでから、ゆっくりとお茶をいただくことにします」
GM: 局長は顔を上げ、「荷物? 何かあったのかね?」と聞きます
マリア: 「何を持ってきたのですか?」とジェフリーに聞きます。
ジェフリー: 「僕には到底理解できないものです……僕に聞くよりはレイデスさんに聞くほうが良いですよ」
GM: 「ん。ではレイデスさん。では早速その荷物を見てみますか」と言い局長はエントランスに向います。
レイデス : 「歯車樹、ですよ。博士の研究室に置いてありましてね。すいませんが、ここのシステム借りますよ」と、エントランスに向かいながら局長に言います。
GM: ホールには先程運んだ重量感溢れる鉄の固まりが置いてあります。局長は、それを見て、「夜だし、もうシステムを使う者もいないだろう。どうぞ好きに使ってくれて構いませんよ」とレイデスに言います。
レイデス : 「では運びましょうか、ジェフリー先生」
ローマン: 「やれやれ、これをまた運ぶのか。ふぅ……」
レイデス : 「それでは早速。すいませんねぇ、皆さんに手伝って貰っちゃって……」
GM: 局長も手伝います。「ん、こりゃ重いな」と言いつつ、額に汗をかいています。
ジェフリー: 「ああ、私たちでやりますから……局長はムリをなさらないでも結構ですよ」
GM: 数名の男性の手によって中央歯車樹は病院の巨大な導引機械システムに連結されました。局長は額の汗を拭うと「ああ、それでは私は下でもう一杯お茶を飲んで来ますから。ゆっくりどうぞ」とレイデスに告げました。
レイデス : 「すいませんねぇ」と言いつつ、目は爛々と輝いています。さっそく操作盤に向かい、がしゃがしゃとうるさい音をたてながら起動を始めます。
GM: この場に残っている人って誰ですか?
サリー: 私はこの場にはいません。お茶のとこにまだ居ます。
ジェフリー: 「僕がいたところでお手伝いになりませんから……先に戻っていますね、レイデスさん」と言うことで局長の後を追います。
ローマン: 導引機械をじっと見つめています……(ロイド邸のはもっと大きかったな:笑)
マリア: 私は下でお湯を沸かしているのでいません。
GM: 把握しました。局長とお茶の人々は後で解決しますね。
歯車の組み合わせによって引き出される記憶。蒸気圧と駆動系によって紡ぎ出される圧縮された情報。それはシステム全体に行き渡り、導引機械式点刻装置にまで伝達される。 蒸気機関の心臓の鼓動は導引機械技師の指先の魔術によって見事に操られ、歯車の微細な噛み合わせに記憶されていた言葉を紡ぎ出す。
レイデス : 「ちゃんと動きますねぇ。取りあえず一安心です」
GM: 病院のために設計されたシステムは、今や鋼鉄の記憶装置に隠された神秘を展開し、人々の眼に触れさせようとしている。その駆動音は低く病院全体を覆い、その鼓動は文字を図版を情報を打ち出さんとしている。そして30分ほど経った後、最初の一枚が点刻を施され、出力された。
『事務室にて』
GM: 局長、サリー、マリア、ジェフリー、の四人がソファに座り、低いテーブルにお茶のカップを並べて座っています。新聞記者と導引機械技師は上階で機械を駆動させています。時折カンカンと配水管が音を立てています。
ジェフリー: 「なんか……すごく久しぶりに落ち着いたような……そんな気がする」
サリー: 「ふうぅ。あぁ、お茶飲むとほっとします〜」今までの強行軍と相まって眠たげです。
GM: 皆のカップから白い湯気が回転しながら昇っていきます。。。
マリア: 「……局長…先程の、あの…」最後の仕事のことについて、口ごもっています。
GM: 「ん、何かな?」と局長はマリアの声に耳を傾けます。
サリー: 「?」マリア先生の方を不思議そうに見ます。
マリア: 「局長が、先程、最後の仕事、とおっしゃられたことが気になって……」
GM: 「ああ、その話か……。上の方から指示があってね。どうやらスコットランドの病院に嘱託医として配属されるらしい。この病院とももうお別れだよ。。。まだやり残した事もあるが、仕方ない。」と、局長は残念そうにカップを見詰めます。
マリア: 「そう、ですか……」うつむいて言います。
サリー: 「え、局長先生、この病院をおやめになるんですか?」少し驚いて局長を見つめます。
GM: 局長は「うむ。まぁ、仕方が無いよ。そういう事もあるさ」と言って、力無く笑います。
ジェフリー: 「転勤、ですか……残念です。局長にはお世話になりましたから……」驚きと寂しさとが入り交じった表情で言います。
GM: 「まぁ、いいじゃないか。君たちは今後もこの病院をもり立てて行ってくれたまえ。それが一番だよ」と言って、局長はジェフリーの肩を叩きます。
マリア: 「上、上って……この病院はいったいどうなってるの……」悲しそうに言って、力無く首を振ります。
ジェフリー: 「病院に勤める以上、上の命令は絶対だよ、マリア先生。……残念だけれどね、真実だ。彼らの言うことに従いたくなければ、彼らの上に立つか、病院を辞めるほか無い。それが悲しい現状なんだよ」
GM: その時、含み笑いとともに、事務所のドアの外から声が聞こえます。「おや、あの老人達、そういう手に出ましたか……。局長。あの博士の後ろ立てには十分に気をつけろと、あれ程忠告したではないですか……」
マリア: ドアの方を振り返ります。
サリー: その声にはっとして、ソファをから勢い良く立ち上がります。
GM: その声は全員が聞き覚えのある声です。「……残念ながら、手駒は僅かです。しかし、第一の天使の力を使いさえすれば、まだまだ私にも勝機があるのですよ。。。くくくく」
サリー: 「ま、まさか……」ドアを凝視します。
GM: ドアはまだ閉ざされたままです。
ジェフリー: 「チャールズか? 何をしにきた!!」
マリア: 立ち上がってドアの方へ歩み寄ります
サリー: 「ど、どどどどうしてチャールズ先生がここに?」自然に体が震えて来ます。お茶のカップがソーサーとぶつかりがちゃがちゃとうるさい音をたてました。
GM: 「やぁ、ジェフリー。先ほどは失礼したね……。局長先生、私は今夜中に、永年の野望を達成する予定です。今日はそのご招待という訳ですよ」とチャールズの声は言います。
マリア: ドアのノブを掴んで皆を振り返り、目で「開けますか?」と言うサインを送ります。
GM: 「もしもいらっしゃるなら、先日隕石の落ちたあの荒野に今夜二時。場所は新聞記者が知っています。では御機嫌よう。姿を見せずに失礼。顔を見せると別れが辛すぎるのでね」
サリー: ただ震えながらドアを凝視しています。とても怖いです。
ジェフリー: 「チャールズ、ドアを開けて、はいってきたらどうだ? 病院を辞めたとはいえ、君はそんなことを遠慮するようなヤツじゃないだろう?」
GM: チャールズからの返事はありません。
サリー: (……隕石? 荒野? なんのことかしら)
マリア: ドアを開けます。
GM: そこには既にチャールズの姿はなく、暗い廊下が広がるばかりでした。
サリー: 「……ふぅ〜(汗)怖かった……」チャールズ先生の気配が消えたことを確認して、どっとソファに沈みます。
マリア: 「……はぁ」ドアを閉めて溜息を吐きます。「……どう、しますか?」
ジェフリー: 「二時に……隕石が落ちた荒野。チャールズが屋敷で言っていたことが本当なら、行かなければ……」
サリー: 「あのー、隕石って、なんのことですか?」
GM: 「チャールズ……」局長はそう呟くと、「行くしかないだろう。しかし、誰かその隕石とか荒野について知っている者はいるのかね? チャールズの言い方だと誰か知ってそうな口振りだったが……」と見回します。
ジェフリー: 「サリー君は新聞を見ていないのかい? 郊外に隕石が落ちたんだよ」
サリー: 「……最近、ずっと病院に泊まり込んでいるので、詳しくないんですよぅ」ちょっと恥ずかしいです。
GM: 局長は「新聞記者に聞くと早いのだろうか?」とジェフリーに聞きます。
マリア: 「あの記者さんなら知ってますよね……たしかデイリーロンドンの記事だったはずだわ」
サリー: 「え、あの人ホントに記者さんだったんですね(^^;」
ジェフリー: 「そうか……あの記事が書かれていた新聞は……ということはローマンさんに聞けば分かるかもしれないです」
GM: 「ああ、では誰か彼を呼んできてくれたまえ。もう30分以上経っているし、レイデス君の調子も聞きたい」と局長が言います。
サリー: 「あ、私呼んで来ます〜」すぐに立ち上がってドアの方へぱたぱたと向かいます。
レイデス : その時バン! とドアを開けて帰ってきます。
サリー: 「わっ、わわっ!(ごつ〜ん★) いったぁ〜〜〜い!!(涙)」レイデスさんの開けたドアにアタマをぶつけました。
ローマン: 「そんな乱暴に開けなさんな」と、レイデスの後からついて来ています。
サリー: 「いだ〜〜〜(泣)」おでこを押さえてそこにしゃがみ込みます。「だ、誰?」
レイデス : 「ん? ……あ! ゴメン!!」
マリア: 「だ、大丈夫?」サリーに駆け寄ります。
ローマン: 「ほら 言わないことはない。大丈夫ですか、サリーさん」
レイデス : 「このカルテが多くてね……。ゴメンね……」
サリー: 「だ、大丈夫です〜(弱)ご心配なく〜(泣き笑い)……あ、記者さんと、レイデスさん〜……。どーぞどーぞお入りください〜、お話があるんです〜」と二人を中に促しながら、壁によりかかり、アタマを押さえています。
ローマン: 「お話ですか なんでしょう」部屋へ入っていきます。
GM: 「ところで、何か分かったかね?」と局長がレイデスに言います。
マリア: 「見せて? …ああ、大丈夫。腫れてないわ」サリーのおでこを見て言います。
サリー: 「マリア先生、すいません、お話中なのに。。(感謝)」
ジェフリー: 「鼻がぶつからなかったのが不幸中の幸いだね(笑)」と冗談を言ってみます。
サリー: 「鼻……。ぐすん」鼻が低いのはサリーのひそかな悩みです(笑)
GM: 「あと記者さん、先日隕石が落下した現場は解るかね? できればそこへ我々を案内してもらいたいんだが……」と局長はローマンに言います。
ローマン: 「隕石というと……あぁ、あの隕石ですね。はっきり隕石だったとはわかってませんがね。えぇ、大丈夫ですよ。ご案内しましょう。」
GM: 「ん、膨大なカルテだけども、それは?」と局長がこんどはレイデスに聞きます。
レイデス : 「はぁ、アイツを起動したらこんなに吐き出しましてね。ちょっと困っちゃって……」と運んできたカルテの山を局長に示します。
GM: 「ふむ、それは後でじっくりと読もう」と局長はため息を吐きながら言います。「ああ。ジェフリー先生、さっき何があったかを彼等に話して下さい」とジェフリーは局長に促されます。
ジェフリー: 「チャールズが現れましてね……今夜2時に隕石落下地点に来い、と。そういって去っていったんですよ」とローマンに説明します。「落下地点は新聞記者に聞けば、わかると彼は言っていましたし……あの隕石落下の記事を書いたのはデイリーロンドン紙ですよね?」
ローマン: 「ええ、第一報はね。タイムズの記者も私が現場に到着してから来ましたからねぇ。紙面には出てませんが」
レイデス : 「チ、チャールズさんが来たんですか!? こ、こっちには来ませんでしたけれどねぇ……。そうですか……。」
ローマン: 「2時ですか──そんな時間に……何の用ですかね(苦笑)。まぁ、ここから近いですし。十分間に合いますよ」
ジェフリー: 「ローマンさん、ここから落下地点まで、どれくらいかかりますか?」
ローマン: 「1時間もかかりませんね。郊外と言ってもそれほど離れてるわけではありませんから」
サリー: 今は何時くらいですか?
GM: 今は22時くらいです。
ジェフリー: 「それなら、まだ大丈夫ですね」と、ローマンに言った後、「もしかしたら、あの天使が向かうのは隕石の落ちた所かもしれない……。先日、確かチャールズが隕石から市内へ羽根の生えた少年が……と言っていたような気がする」とサリーに言います。
ローマン: 「そういえば、天使を見たという話もありますね。まぁこれは記事になってませんが」
レイデス : 「まだ時間ありそうですね。ではちょっと失礼」と言ってカルテをどさっと置いて読み始めます。
サリー: 「あのう……。さっき、チャールズ先生が言ってたことで思ったんですけど、……チャールズ先生は天使がどこに飛んでいっちゃったか、もう判ってるんでしょうか。。」おでこを押さえながら、後方からおずおずと声をかけます。「第一、チャールズ先生の野望ってなんなんでしょう…。どうしてわざわざ私たちに言いに来たんでしょうか?」
レイデス : カルテをもくもくと読んでいます。
ジェフリー: 「野望を果たした、と証明する証人が欲しいのかもしれないよ」とサリーに答えます。
マリア: 「とにかく…お座りになってくださいな」とローマンさんを促し、「今お茶を入れ直しますね」と言って全員分のお茶を入れます。
ローマン: 「はぁ、ありがとう」
マリア: 「サリーさん、あなたも座って……。少し落ち着いて考えましょう」
サリー: 「あ、はい」カップを受け取って、言われるままおとなしく座ります。
GM: 「ところで、レイデスさん、黙々とお読みですが、なにか解りましたか?」と局長が聞きます。
レイデス : 「……一通り読みました……。皆さんにご説明した方が……よろしいですよね?」
ローマン: 「非常に興味ありますね、一体何が書かれていましたか?」
レイデス : 「これはもう僕らが手を出してはならない禁断の領域なのかも知れません……。だけど、今回の事件を知るにはコレしかないんでしょうね……。」
ジェフリー: 「お願いします、それがきっと、この一連の不可解な事件のキーになっているのでしょうから……」
サリー: カップに口を付けながら、レイデスさんの話に聞き入ります。
『その出力結果は、Moonstone計画の全てが記載されていた。常識で考えれば歯車樹だけで記憶されるはずがない程の情報が打ち出されたのである。Moonstone計画とは、七体の人工の天使を創造し、現存する人類を黙示録に預言されているような地獄に陥れ、その結果人類の魂に新たな進化を遂げさせるという計画だったらしい。しかし、思いのほか天使の性能が上がらなかったため、計画は先送りになったという。しかし、ブラウンリング博士はその計画を秘密裏に続行していたのである。
カルテには天使物質と呼ばれる物質の性質が詳しく書かれていた。通電すると空気に浮くという常識的には存在すら信じられない物質である。これで翼を作り、生体電気を蓄積し飛行時には通電を行なう——そんな機構も開発されていたらしい。
そして博士の数十年に渡る努力の末、第一の天使Moonstoneが生み出された。それを操作するのは人間ではある。しかし、魂の質が向上している新たな人間だ。その者は導引機械の手を借りて、天使を制御する……。天使を呼ぶことも、その能力を用いることも自在だ——しかも、その端末は小型で携帯すら可能なものである。
そして最後に打ち出されたカルテの最後には、こう記されていた。天使を止める方法——無し。または不明。』
GM: しばらくの間、事務室には沈黙のカーテンが下ろされていた……。
レイデス : 話し終えて、マリア先生が入れてくれたお茶でのどを潤しています。
ローマン: 「全ては現場にあり……行くしかなさそうですね、落下地点」
サリー: 「天使を止める方法が……ない?」今聞いた話の内容に強く衝撃を受けています。
ジェフリー: 「現場へ行きましょう。止める方法が不明である方に賭けて……」
サリー: 「……どうして、どうして博士はこんな恐ろしい計画を……。ひどいわ、あの天使たちがそんなことの為に造られたなんて……」
マリア: 「天使を制御する導引機械……チャールズ先生はそれを持っているのかしら…」
ジェフリー: 「持っているか、持っていないか……それは分からない。でも、それは全て現場へ行けば分かること……。とにかく行こう、現場へ……ここでこうしているよりは全然ましなはずだから……」
マリア: 「だけどまだ早いんじゃないかしら……」時計を見ます。
サリー: 「レイデスさん、さっき、私たちが運んできた機械で、あの天使を呼ぶことはできないの?」(サリーは機械音痴です(^^;)
レイデス : 「無理だね。利用目的からして違うんだろうなぁ。天使操作用の導引機械は多分デバイス単位でカスタマイズされたユニットのハズだよ。」
サリー: 「??? ……あ、無理なんですね(^^;」レイデスさんのコトバを適当に解釈しました(笑)「そっか、残念……」
ジェフリー: 「……まだ……はやい、だって……?」と押し殺した声で呟きます。
GM: その時局長が、ぼそりと「ああそうだ、悪いが私はここに残らせてもらいたい...最後の仕事を完成させたいんだ。我が侭だが、済まない……」と言います。
サリー: 「え、そんな、局長お一人でここに? そんな……」
GM: 局長はサリーに向って、「いや、心配しなくて良い。私はこんな身体だしね。遠出もそう満足にはできないんだよ」と言います。
サリー: 体のコトを言われると、少し説得されました。「そうですか……」
マリア: 「局長、最後の仕事とはいったい何ですか。不安にさせないで下さい……」
GM: 「最後の仕事——簡単さ。ここを出る前の事務仕事だよ」と、局長はマリアを諭すように言います。
ジェフリー: そのとき突然立ち上がります。「やめてくれ!! 無駄話もいい加減にしろ!! 歯車樹の情報は全部引き出した、博士の家は全部調べ尽くした……ここにいてこれ以上一体何が分かると言うんだ!! いるだけ時間の無駄だろう?」完全に落ち着きを無くして、壁の方を向いて怒鳴りつけます。
マリア: 「落ち着いて下さい、ジェフリー先生。今の我々に必要なのは……そして医師が決してなくしてはならないのは、冷静さ、です!」
ジェフリー: 「あのカルテの内容を聞かされて落ち着いていろ、と? そんなのはムリに決まっているじゃないか。僕だって医師である前に一人の人間なんだ!! 僕は神じゃない!!」と吐き捨てます。
マリア: 「ジェフリー! 自分が何を言っているか分かってるの!?」
サリー: (すごい。。ジェフリー先生が怒ったのって、初めて見たわ……)
ジェフリー: 「だいたい局長も局長だ。僕らを危険なところへ行かせておいて、自分だけは安全なところにだって? ……それじゃぁ上の奴等とちっとも変わらないじゃないか!!」
マリア: 「ジェフリー!!」パシッとジェフリーの頬を叩きます。ぼろぼろ涙をこぼして「もう、もうやめて……」と泣き出します。
サリー: 「きゃっ!! やめてくださいっ! 先生方!!」あわてて間に飛び込みます。
マリア: 「「もう、やめて……お願い……貴方が、焦る気持ちも良く分かります……でも、でも……」
GM: 「私はこの医局の外科局長として、今やらねばならない事をするだけだ。苦言は後で聞こう」何かに耐えるようにして局長がジェフリーに言います。
ローマン: 「いや、これはもう一病院のことではないですよ、みんなでこのロンドンを──いや、世界を救いましょう。何か方法はあるはずです」
ジェフリー: 泣いているマリアを見て、「すまない……気が動転していて……取り返しのつかないことを言ってしまった……本当に」とうつむきます。
マリア: 「いえ、いいんです……」
レイデス : 「……そろそろ……時間ですね。ジェフリー先生の言うように、行くなら早く行った方がいい……」
マリア: ハンカチで涙をふいて「……そうですね……行きましょう、レイデスさん」
ジェフリー: 「少し、外で頭を冷やしてくるよ……局長、暴言申し訳ありませんでした」といって外に出ます。
『我々は辻馬車を用意し、デイリーロンドン編集部を経由し、荒野へと向った。月は天空高くに上り、煌々と青白く輝いていた。街を抜け、鋪装もされていない田舎道を馬車が行く。人家の姿は次第にまばらになり、遂には草原に道らしき道も見えず、がたがたと揺られながら荒野を走ることとなった。道行きの新聞記者の言葉で、馬車は止まり、我々は荒野へと降り立った。御者は朝に再び来るようにと契約を行なっていた。開けた場所であるためか、風は吹き抜け、草むらからところどころに顔を出した岩は月の光を浴びて白く輝いていた。この地が全ての始まりであったと、あの男の言葉が告げていた。』
レイデス : 荒野を見てつぶやきます。「これはまた……」
ローマン: 「この辺りが落下地点ですね。どうやら隕石ではなかったようですが」
ジェフリー: 「時間まで……待つことにしましょう」
サリー: 「……チャールズ先生はどこかしら? それと、天使! あの天使はここにいるの!?」あたりを見回します。
マリア: 私も周囲をぐるりと見渡します。何か変わったものは見えますか?
GM: 荒野には人間の気配はありません。緩やかな草原の勾配には、人間の膝よりも高い植物もありません。それが風を受けて左右に揺れています。
サリー: 「……殺風景なところ。。」
ローマン: 「ここが落下地点と思われる場所だが……」地面をよく調べます。
GM: 落下地点には記者などが踏み荒らした跡があるだけです。他には特に何もありません。
ローマン: 踏み荒らされた様子をみて「時間が経ちすぎている。これでは隕石だったのかどうかはもうわからないな」
GM: 月は真円を描き、青白い輝きで足下に影が落ちます。
レイデス : 「ところで今何時ぐらいですかね?」
マリア: 「何時かしら?」懐中時計を見ます。
GM: 午前1時50分です。
マリア: 「1時…50分ですね。後10分で約束の時間ですが」
サリー: 「……チャールズ先生はほんとにどこかしら。あの〜先生方、私たちどこかに隠れなくてもいいんですか?」
ジェフリー: 「サリー、僕らは招待されたんだ……堂々としてればいいさ。──ロンドンから少し離れるだけでこんなに星が綺麗になる……やっぱり、市内は明るすぎる。必要以上に……」
サリー: 「天使はいないのかな〜? それにしてもすごい満月……まぶしいくらい」天使の姿を求めて夜空を眺めます。
GM: サリーが空を見上げると、天空の星を隠して、黒い影がゆっくりとゆっくりと降りてきます。
サリー: 黒い影に気がついて「あっ!! あそこ!! ほら、なにか影が!!!」そばに立っていたレイデスさんの袖をひっぱって、夜空を指します。
レイデス : 「え? どこ?」と空を見上げます。
サリー: 「先生! 記者さんも! 見て! 見て!」大騒ぎしながら、影をよく見ようとします。
サリー: 「そこよ!! 今、黒い影が……こっちに来る!」
マリア: 「?」空を見上げます。
ジェフリー: 「あれは……?」星を隠した影の方へ目を凝らします。
ローマン: 「むっ、なんだ……」と空を見上げます。
サリー: 黒い影はどれくらい近くにいますか? 判別できます?
GM: 影は風に揺れながら下がってきます。もうビルの五階くらいの高さです。どうやら気球のゴンドラのようです。
サリー: 「ゴンドラ……?」
GM: その時突如、天空から響く声がします。「ようこそ諸君! この世紀のショウにようこそ!」 黒塗りの気球のゴンドラから眩しいライトビームが延び、一行を照らします。
サリー: 「はっ! その声はチャールズ先生!!」はっとして身構えます。
ジェフリー: 眩しそうにしながらも、気球をにらみつけています。
GM: 「はははははは」と笑う声がして、「ようこそ、我が元同僚達。諸君はこの地で裁きを目撃する」と続きます。勿論チャールズの声です。ゴンドラはさらに光度を下げ、もう肉眼でチャールズの動きを確認できる高さです。
レイデス : 「チャールズ……さん」
ジェフリー: にらみつけたまま何も言いません。
ローマン: 「何をする気だ スターハート」
GM: 「元同僚諸君。君たちには素晴らしいショウを鑑賞してもらう事になる。さぁ! 現れよ、魂無き人形どもを焼き滅ぼす者! 疾く来たれ! その能力を開放せよ! そしてこの大地に地獄を顕現するが良い!!」そういうと、チャールズは腕に抱えた機械のダイアルをぐりっと回しました。するとその言葉に呼応するように、月を背後に従えるように、天空から降りてくるものがあります。それは青白い光を纏った少年の姿をしています。
サリー: 「天使が!」
ジェフリー: 「Moonstone?」
サリー: 一応、「こっちに来ちゃダメよ〜!!」と天使に叫びます
GM: 「そうだ! 今こそ裁きの時! まさに末世は今こそ来たれり!!」チャールズの乾いた、そして狂気がかった笑いが荒野に響きます。腕を大きく広げ、オーバーなアクションです。その笑いがぴたりと止み、「ジェフリー、君は良き友人だったが。どうやら私とは魂の質が違ったようだ……。残念だよ」とジェフリーは話し掛けられます。
ジェフリー: 「友人……? お前にそういわれると虫酸が走る!!」
GM: チャールズは顎に手をやって、ジェフリーを指差します。「さて、天使よ、最初の裁きは彼に下したまえ──はははは!!」そして、さも愉快げに笑いながら天空を指差した後、その指をゆっくりとジェフリーの方に向けます。 <6> <2> <5> <2> 目の和 15 基本値+7 達成値 22 (4個振り)
すると、天上に浮かぶMoonstoneの両腕両足を貫く杭が青白く光り、同時に黒い雲がおもむろに天空の星々を隠し始めます。雲の間に稲光が走り、風は強くびょうびょうと吹きます。その中でチャールズの笑いがこだまします。稲妻が天を裂きます。「裁きを受けよ古い民よ!!」チャールズの声が叫ぶと同時に天空が青く光ったような気がします。ジェフリーは『熱い魂』を用いた運動ロールを行って下さい。
ジェフリー: 「地に墜ちたな……チャールズ」 <1> <2> <1> <5> <3> <6> 目の和 18 基本値+7 達成値 25 (6個振り)
GM: ジェフリーは絶望しましたね(^^; ──後遺症は7『大きなショックで一時的に立ち直れなくなる。普通に行動できるが、3日間は熱い魂=0』です。
ジェフリー : 後ろへ避けようとして草に足が取られてしまいます。「ああ! 足が!」
GM: と、青く輝く空から激しい光が大地を目掛けて降ってきます。耳をつんざく轟音、大地は揺れます。
サリー: 「ひゃっ!」瞬間恐怖に顔が引きつります。
GM: ジェフリーから10歩ほどの所に大穴が開いています。明らかに落雷の跡です。ジェフリーは吹っ飛び、岩に叩き付けられます。
サリー: 顔を覆って衝撃の余波を避けます。
レイデス : 「ジェフリー先生ッ!!」
マリア: 「ジェフリー!」駆け寄って様子を見ます。
ジェフリー: 岩にたたきつけられて血を吐いて、そのまま動かなくなります。
サリー: 「はっ、ジェフリー先生!?」ジェフリー先生が倒れている方を見ます。
マリア: 「ジェフリー、しっかりして!」
サリー: 「大丈夫ですかっ!!」あわてて、ジェフリー先生とマリア先生の方へ駆け寄ろうとします。
ローマン: 「貴様っ、なんてことを!」
きーんという音が耳に残ります。その音を通して、チャールズの「くくくく。裁きに耐えられない者の末路だ。。。。『血の混じりたる雹と火とありて、地に降り下り、地の三分の一焼け失せ、樹の三分の一焼け失せ、もろもろの青草焼け失せたり 』 どうだこの力は完成しているではないか。何が危険な賭けだ!!」という声が聞こえます。
GM: 「よし、天使よ、次はあの女医だな……」 <1> <3> <2> <1> 目の和 7 基本値+6 達成値 13 (4個振り) ──こんどはチャールズが『絶望』しました(^^;
天使の腕が青白く輝き、雲間に光が舞います。再び轟音と共に。しかし今度は、落雷が気球を直撃します。黒塗りの気球はぼっと音を立てて燃え広がり、ゴンドラを吊っていた紐は絡み合い、気球はチャールズを巻き込み、炎の塊となって落下します。
サリー: 「きゃあっ!」頭を抱えてその場にしゃがみこみます。
レイデス : 「なっ……。操作ミス……なのか?」
マリア: 「えっ…」
サリー: 「何? 何が起こったの!?」目をつぶったまま叫びます。
GM: チャールズはぶつぶつと何か言いながら、足を引き摺り、落下して燃え広がる気球から、よろめきながら歩いてきます。
サリー: 轟音と稲妻の方を振り向きます。
ローマン: 「何だ……」
サリー: 「チャ、チャールズ先生……」燃え上がるゴンドラとチャールズ先生を信じられない気持ちで見つめます。
GM: 「くっ、やはりガラクタは所詮ガラクタか……」そう吐き捨てるように言った後、腕に焼けた操作盤を抱え、チャールズは肉を焦がしながらダイアルを回し、「天使よ、滅ぼせ! 全てを滅ぼすんだ!!」と叫びます。
レイデス : 「やめないかチャールズさんッ!!」とチャールズさんに駆け寄ります
サリー: 「レイデスさん! あぶない! 近寄っちゃ……!」駆け寄るレイデスにあわてて声をかけます。
サリー: チャールズ先生のコトバにつられて、はっと頭上の天使を見上げます。
GM: 「天使の腕は鈍く光っているだけです。先程までの輝きではありません。見上げる空にわき立つ雲から突然大粒の雨が降り注ぎます。気球の火も消え、焼けた操作盤から蒸気が上がります。しゅーしゅーという音が立ちこめます。
レイデス : 雨が降ってきたのと、サリーさんの声で立ち止まります。
GM: 「はははは。やはりガラクタか。。。このガラクタが。。出来損ないめ……。ふっ……ははははは」とチャールズは空ろに笑っています。明らかに『絶望』しています。
マリア: 頭上の天使を見上げ、それからジェフリーの脇に膝を付いて傷の具合を確かめます。外傷はありますか?
GM: 外傷は叩き付けられた時の肋骨の骨折と、内蔵の衝撃及び、脳振盪。さらに通電によるショックです。
マリア: 出血はありますか?
GM: 外傷による出血はありません。
マリア: 「内出血は…」診断を続けます。
ローマン: 「これは どういうことだ……何が起こったんだ チャールズ!」
レイデス : 再び歩いてチャールズさんの所に行きます。で、操作盤を取り上げようとします。
サリー: 「……。」チャールズ先生とレイデスを後ろから見守っています。
GM: レイデスは操作盤を取り上げようとしますが、チャールズの肉が熱で張り付いていて、削ぎ落とさないと取れそうにありません……。
レイデス : 「これは……もう(このままでも)大丈夫……ですか……ね」
サリー: 「ううっ……(絶句)」チャールズ先生の酷い有様を見て、直視していられなくなりました。一呼吸おいて、再び空の天使の様子を見ます。
GM: 天使は雨の中、ゆっくりと高度を下げています。
ローマン: 天使の降下地点に近づきます。「もう、これで終わったのか……?」
サリー: 天使の方へ駆けよります。天使の様子はわかりますか?
GM: 天使の顔は自律していないような、操られているような感じです。
サリー: 「おーい!」天使に呼びかけます「ねぇったら!!」
GM: 天使は大地に立ち、背中の羽を震わせています。金属の表面は青い鱗粉のような光で覆われています。
サリー: 天使に近寄って様子をみます。「しっかり! 大丈夫?」
GM: 天使はサリーには何も言わず、雨に濡れた身体でぎこちなくマリアの方に歩み寄ります。
サリー: 「あ……」天使の進む方向を見やります。「マリア先生……」
マリア: 「肋骨の骨折は……。内臓は……これは大丈夫……でも……」天使には気づかずに必死にジェフリーの診断を続けています。
ローマン: 「あまり近づくと危ないよ、サリーさん」
サリー: 「記者さん……」
マリア: 「頭……軽い脳震盪ね……。しばらく安静にしてれば……。ああ、でも一刻も早く手術しないと……」
GM: その時、心に直接語りかけてくるような、魂を直接震わせるような言葉が響いてきます。「モウ誰モ失イタクナイ……」それは酷く悲しい感情に彩られています。
GM: その言葉はその場の全員に聞こえます。
マリア: 「えっ」驚いて天使の方を振り返ります。
サリー: 「!」その悲しい波動に胸を打たれて立ちすくみます。
GM: 酷く乾いてひび割れた唇と、悲しそうな瞳、細く痛々しい四肢で、マリアの方にゆっくりと歩いてきます<天使>マリア
ローマン: 「何が言いたいんだい? さぁ、言ってごらん」天使に聞こえるように言います。
マリア: 「Moonstone……あなたは……」
GM: 「殺シタク無イ……」その頬を雨とは別の水滴が流れます。
マリア: 立ち上がって一歩天使に近づきます。
GM: 次第に雨が小降りになってきます……。その時、チャールズが立ち上がり、「違う! 貴様の役目は違う! もっと崇高な目的が!! 眼を覚ませ!」とどこからか取り出した拳銃を天使に突き付けます。
マリア: 「! なにをするの!」チャールズの行動に驚いて天使を抱きしめます。
レイデス: 「やめろ! 何をする!」チャールズにとびかかります。
チャールズは発砲します。銃声が荒野に轟き……。しかしその銃弾は天使まで届きませんでした。確かに狙いは天使であったにも関わらず、それはチャールズの動きを阻止しようとしたレイデスの胸を抉りました。チャールズの銃口はぶるぶると震え、彼はうつろな目で吐き捨てるように「天使よ、こちらに来るんだ。なぜ来ない!? これは命令だぞ!!」と叫びます。
サリー: 「きゃぁぁぁぁっ!!」
マリア: 「レイデスさん!」
サリー: 「いやぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!! レイデス!!!!」泣き叫びながらレイデスの元へ駆け寄ります。
レイデス: 吐血しながら、「……天使は?」
サリー: 「無事だから喋らないで!」
レイデス: 「無事か……。よかった……」ガクッ。
サリー: 「レイデス! レイデス! しっかりして!!! イヤよ、こんなのってない!! 目を開けて!!」 力無くくずおれたレイデスにしがみつきます。
ローマン: 「貴様っ、何てことを……!」
GM: 「なんで、僕の言うことを聞かないんだよ…………。預言にだって言われていることなのに……。その力だって僕が与えたんじゃないか。お前は僕が目覚めさせたんじゃないかぁあああ!!」とチャールズは言って「死んでしまえ。みんな死んでしまえばいい! そうだ、死んじまえ!」と叫んで、持っている操作盤のダイアルをぐりっと回転させました。しかし何も起こりません。
サリー: 「待ってて! 今助けてあげる! 助けてあげるから!!(大涙)」ぶるぶるとふるえる手でレイデスに応急手当を……と。
GM: 泣き叫ぶサリーの声に反応したように、少年の身体の光が強くなり、マリア、ジェフリー、サリー、ローマン、レイデス、そしてチャールズを包み込んでいきます。
マリア: 天使を抱きしめたまま「え……な、なに?」
サリー: 「レイデス!! イヤよ! 目を開けて!!」必死にレイデスを揺さぶります。
GM: 「僕ハモウ、誰ノ命モ失イタク────ナイ────」光の中から声が響いてきます。その光は荒野全体を包み、その半径はさらに広がり続けます。
マリア: 「Moonstone……」
GM: 「……アリガトウ」
サリー: 「〜〜〜〜ッ!!」しがみついて泣いたまましゃべれなくなっています。
『全ての傷は癒され、全ての罪は許される──その確信と共に、私は暫くの夢から眼を覚ました。見れば周囲は幻想的な青い光に包み込まれていた……。見上げると、マリアが例の天使を抱き締めていた……。しかし、その天使の羽が、ほろほろと次第に存在感を薄くしていたことについて、気付いた者は皮肉にも僕と、チャールズしかいなかったのだ。天使の肌が乾いた岩のように崩れていく……。そうだ、先ほどの出力結果のカルテを思い出せ……。天使物質とは生命の礎と書いてはいなかったか?? 錬金術の末に導かれた物質とは生命そのものの代用をする物質ではなかったのか?』
『そして光が弱くなり...』
GM: 『絶望』している人は全員『熱い魂ポイント』を1点にして下さい。天使の姿は今や崩れ去り、塵と化し、風に流されてしまいました。
ローマン: 「これは、どういうことだ……」
GM: 「……ああ……僕の天使が……」チャールズはそういうと、力無く立ち上がります。
マリア: 「あ……」崩れ落ちた天使を惜しむように腕を開きます。
ジェフリー: そっと身体を起こします。「傷が治っている……彼の、Moonstoneのおかげなのか……」
GM: 「ははは……!」チャールズは天を仰いで笑います。「傑作じゃないか! このショウは。まさしく我々はガラクタに巻き込まれただけだよ。はははは。あの老人達め。やってくれる。はははははははは!」と天を煽いで、笑い続けます。
ジェフリー: 「マリア先生……天使は?」マリアの横へ歩いていってたずねます。
マリア: 「ジェフリー!?」声に驚いてジェフリーの方を振り向きます。
GM: 「では私はこれで失敬! ははははははは……」とチャールズは君たちに背を向けて歩き始めます。「君たちは局長のことでも心配するんだな。はははははは」
マリア: 「良かった……良かった!」思わずジェフリーに抱きつきます。
ジェフリー: 「ありがとう……眠っている間、ずっと君がそばにいてくれた気がしていたよ……」と抱きしめ返して耳元でささやきます。
GM: 草原の中でチャールズはしゃがみ込みます。すると彼の足下から大きな風船のようなものが膨らみはじめます。黒い熱気球です。
ローマン: 「待て 何処へ行く」チャールズへかけ寄ろうとします。
GM: ローマンは『運動』でロールして下さい。
ローマン: 「待て!!」 <1> <5> <1> <4> 目の和 11 基本値+6 達成値 17 (4個振り)
絶望したローマンは、チャールズに追い付けません(笑)夜は白みはじめ、その空にチャールズの乗った熱気球が浮かびます。ローマンはあと一歩の所で転倒し、間に合いません。「ではまた会おう、諸君。はははははは……」 声がだんだん遠くなっていきます。
GM: その時、サリーの腕の中のレイデスが身動きしました。
サリー: 「……あ」
レイデス: 「サリー……。僕は一体……」
サリー: 「(目に涙をいっぱい溜めて)レイデス! ああ、主よ!! 感謝します(感涙)」歓声をあげてレイデスをしっかりと抱きしめます。
レイデス: サリーの頭を抱いて、軽く口づけをします。
GM: 夜明けです。じき馬車が街からやってきます。
『我々が病院に辿り着いた時刻は、既に朝の五時を回っていた。夜明けの爽やかな空気は、昨日の凄惨な出来ごとを洗い流してくれるようだった』
GM: 朝もやの中、病院前に馬車は着きました。正門のドアには鍵はかかってはいませんでした。
マリア: 「あら? 鍵が……」
ジェフリー: 「局長、ジェフリーです。ただいま戻りました」
GM: ドアが開いたが、そこには見なれた局長の姿は無く、一通の手紙が置かれています。それには君たちの名前が書かれていました。
マリア: 「……手紙?」
ジェフリー: 「!?」手紙を取って読んでみます。
サリー: あとから、レイデスと一緒に入って来ます。
レイデス: 「局長さんがいないんですか?」サリーさんに肩を支えてもらっています。
マリア: ジェフリーに寄り添って、手紙を覗き込みます。
サリー: 「どうしたんですか? 局長は?」
ローマン: 「おや 手紙ですか……私にも」覗き込みます。
ジェフリー: 「分からない……部屋に入ったら僕ら宛のこの手紙だけ……」
GM: その手紙にはこんな文章が書かれています。「私がこの病院を去るのは、ブラウンリング博士についての責任を負うためだ。彼とチャールズ医師との関係に巻き込まれ、この病院は経営が困難になった。しかし、新しい経営主と契約を交わして、君たちはこの医院で今まで通りの生活を行なうことができるようにした。
これは局長として最後の仕事だ。願わくば諸君が人間の命をより大切に扱い、誇りをもって仕事ができるように」
ジェフリー: 「局長……」
マリア: 「局長……わかりました…」ジェフリーの方に頭をのせ、静かに目を閉じます。
『夜は完全に明け、また新しい一日が始まる。全ての祝福された存在のために。全ての魂を持つ人間のために』
『こうして事件は終焉を迎えた。それから後、チャールズも、そして件の天使も、姿を見るどころか、噂をする者も世間にはいない。そして驚くべきことにあの局長が赴任したというアイルランドの病院は存在すらしていなかったのだ。この理不尽な現実を打破したいと私が願ったのも不思議ではあるまい。私がこの驚異に満ちた短い手記をデイリーロンドン紙に掲載した理由はこのような理由による。この手記を最後まで記すことができたのも、妻マリアや、友人夫妻の協力の賜物である。最後に彼女たちへの感謝と共に筆を置くことにする。
──ジェフリー・ボガード医学博士 1896年6月記す』
『完』
<スタッフロール 音楽:『戦斧(作曲:アーサー・ガゥアー)』>
<出演>
ジェフリー:かずは
マリア:るしふぁー
サリー:yuk
ローマン:Yori
レイデス:れつ
GM:ささきやすなり
『『蒸気爆発野郎!』オンラインセッション『人工天使』編の上演は以上で終了です。最後まで御観覧ありがとうございました』