どのようにして「いい公共財」に対して助成金を分配するのか
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今回は、以下について書いていきます
今までどのように助成金が分配されてきたか
どのように分配されるべきか
私たちが取り組んでいる実験的な取り組み
今までどのように助成金が分配されてきたか
ある程度国が実施する助成金について想像してみると、あらかじめ決められた枠があり、そこに対して「公募」などで、自分のプロジェクトがいかに魅力的か?と説明することが多かったかもしれません
しかしこれは、直接その公共財プロジェクトを利用するわけでもない、一部の少数の決定権を持つ人たちが決める方法です
その人たちを基準としてしまうと、ハックされやすいです
どのようにして分配先を"みんなで"決めるのか
そこで、公共財を使う人たちが、「どれぐらいその公共財が役に立っているか」を示す手段があればどうでしょうか?
ここから一気に難しくなるので、ついてきてください
直接「どの公共財が優れているか?」という情報を民衆から募ることができればいいが、単純な投票(一人一票)では、投票する or しないになり、"個人の嗜好の強さ"を表すことができない クレジットを消費して投票する
自分が重要だと思ったときにはクレジットを通常より多く消費して複数票入れればいいし、興味のない時は投票しなければOK
でも、多くの人に幅広く支持される方が、トータルで消費するクレジットは少ない
この倫理的裏付けは、「多くの人に支持されるものはいいものだ」というものがある
Voters receive budgets of “voice credits,” which they allocate to different questions on the ballot to signal the intensity of their conviction. Their voice credits convert to “counted votes” according to their square root. So if you put one voice credit on an issue, that is one vote; four credits are two votes; nine credits are three votes, and so on.
Quadratic Votingと同じく、一人が複数票(寄付なので、嗜好の強さを示すのは額面だけど)入れることができる
「マッチングプール」に国(例えばEthereum)が"この額はデジタル公共財に投資しよう"と決めた額を溜めておく
このマッチングプールは、各プロジェクトへ支援する額の総額になる(この額をどう決めるかをQuadratic fundingで決めていく)
寄付された額と、寄付(=支持)された人の量によって、マッチングプールから分配する助成金の額が変わる
個人の嗜好の強さを「寄付の額」で示すことができる
このシステムでも、「多くの人に支持(寄付)されているものはいいものだ」という倫理に基づいている
そのため、「個人が$1寄附することで、プロジェクトに届く額が$27になる」みたいなことが起こり得る
Quadratic fundingの脆弱性
しかし、Quadratic Fundingにはいいところ以外にもダメなところがあります。