環
環(ring)
集合$ R 上の二つの演算、加法$ + , 乗法$ \cdot が次の条件を満たすとき、集合と演算の組$ (R, +, \cdot) を環(ring)という。
$ + : R \times R \to Rな二項演算
加法について加法群、可換群(アーベル群)である。
(R1-1)
加法について結合則が成り立つ
任意の$ x,y,z \in R に対して、$ (x + y) + z = x + (y + z) が成り立つ。
(R1-2)
加法について単位元$ 0 が存在する
零元とも呼ぶ
任意の$ x \in R に対して、$ 0_R + x = x + 0_R = x が成り立つ。
($ 0_R + x = x \ \land \ x + 0_R = x )
(R1-3)
加法について逆元$ -x が存在する
任意の$ x \in R に対して、$ x + (-x) = (-x) + x = 0
($ x + (-x) = 0_R \ \land \ (-x) + x = 0_R )
(R1-4)
加法について可換である(交換法則が成り立つ)
任意の$ x,y \in R に対して、$ x + y = y + x
(R2)乗法の結合則
$ \cdot : R \times R \to R
$ (x \cdot y)\cdot z = x\cdot (y\cdot z)
(R3)分配則
左分配則 $ x(y+z) = xy + xz
右分配則 $ (x + y)z = xy + xz
(R4)
乗法の単位元については文脈によってあったりなかったりする?
乗法の単位元は$ 1
任意の$ x \in R に対して、$ 1_R \times x = a \times 1_R = x
($ 1_R + x = x \ \land \ x + 1_R = x )
(R5) 可換則(交換法則)
$ x \cdot y = y \cdot x
可換則(R5)を満たす場合は可換環(commutative ring) R2結合則を満たさない場合
環の例
数環
整数全体の集合$ \mathbb{Z} 、有理数全体の集合$ \mathbb{Q} 、実数全体の集合$ \mathbb{R} 、複素数全体の集合$ \mathbb{C} $ (\mathbb{Z}, +)
$ (\mathbb{Q}, +)
$ (\mathbb{R}, +)
$ (\mathbb{C}, +)
環$ R を値に取る関数(?)
環$ \mathbb{Z}/n\mathbb{Z}
$ \mathbb{Z}/n\mathbb{Z} = \{ \bar{0},\bar{1},...,\bar{n-1} \}
演算の閉性
中立元
反数
https://gyazo.com/57725b2d4385b1913c769ece522b33bb
環上の加群は下記ページ
確認用
Q. 環はどの演算子についての定義か
環の条件
Q. $ + についての条件
(R1)
Q. $ \cdot についての条件
(R2)
(R3)
(R4)
Q. 可換環の条件
(R5)
Q. 可換群
Q. 環の例
Q. 自明な環
参考
関連
メモ