準同型定理
fundamental theorem of homomorphisms
ある群とある群から、同型写像を構成する定理
第一同型定理
$ \varphi:G\to Hを群の準同型とする
$ \pi:G\to G/\mathrm{Ker}(\varphi)を自然な準同型とするとき、
下図が可換図式になるような準同型$ \psi:G/\mathrm{Ker}(\varphi)\to Hがただ一つ存在し、 $ \psiは$ G/\mathrm{Ker}(\phi)から$ \mathrm{Im}(\phi)への同型となる つまり$ G/\mathrm{Ker}(\varphi)\cong \mathrm{Im}(\varphi)
https://gyazo.com/1c0be8f45cf98c0464b0e08ede54e8e0
ざっくり
図にするとイメージしやすいmrsekut.icon
https://gyazo.com/dded9ac1b99c8747e1c758cc6781eaec
準同型$ \varphiから、同型$ \psiを導き出せるのが嬉しい
上の定理の文章は重要じゃない部分(?)も含んでいるので初見では分かりづらいmrsekut.icon
もっと削ぎ落として注目できる
$ \varphi:G\to Hを群の準同型とする
$ \pi:G\to G/\mathrm{Ker}(\varphi)を自然な準同型とするとき、
$ \psiは$ G/\mathrm{Ker}(\phi)から$ \mathrm{Im}(\phi)への同型となる 定理の図に少し書き足すとわかりやすい
https://gyazo.com/70f451465289910425fc3491ce8b7d81
用語の復習
この辺を全部わかっていないと理解できないはずmrsekut.icon
$ G,Hは群
$ \varphi: G\to Hは準同型
$ G/\mathrm{Ker}(\varphi)は剰余群 $ \mathrm{Im}(\varphi)は像Im $ G/\mathrm{Ker}(\varphi)\cong Hとなる
https://gyazo.com/678a7ed1f7329336d85451a4bc217686
単純に$ H=\mathrm{Im}(\varphi)になるからねmrsekut.icon
何が嬉しいのか
何かしらの証明の際に「準同型定理より~」というふうに使えるのはどういう状況なのか?
ある剰余群$ G/Kと、ある群$ Hがあるとする
この2つの群は何か似てるっぽいと感じた
これが本当に同型であることを示したい、と発想する
本来、2つの群が同型であることを示すためには、それらの間に同型写像があることを示さなければならなかい
ここで、準同型定理を使うと、
$ K=\mathrm{Ker}(\varphi)、$ H=\mathrm{Im}(\varphi)を満たすような、準同型写像$ \varphiを見つければ良い
同型写像が必要だったはずが、準同型写像のみを見つけるだけで済むので嬉しい
大きな群$ Gからの準同型$ f:G\to Hがあるときに、$ fについて知りたいとする
$ Gの全ての元に対しての$ fの行き先がわかればいいがそれは大変
ここで準同型定理を使うことで、
$ K\sub \mathrm{Ker}(f)なる部分群に対して、$ fが$ G\xrightarrow{\pi}G/K\xrightarrow{\psi}Hなる合成写像で表せるような$ \psi:G/K\to Hの存在が言える
つまり、$ fは$ G/Kにおける値だけを調べれば記述できる
特に準同型$ fが全射の場合、この写像を調べるために
$ G \rightarrow G' を調べる代わりに, $ G \rightarrow G/\ker f を調べても良いということを言っている
$ G,G'の話をしてたはずなのに、$ Gとその内部の$ G/\ker fだけで完結する!
$ G'が出てこない
準同型定理って、
「任意の写像は全射と単射に分解できる」
って読めるのか!なんかすごい分かった気がする。
証明
具体例
『代数学 1 群論入門』.icon p.67~
わかりやすmrsekut.icon
参考