等方-偏差分解
2階tensorを2階等方tensorと偏差tensorの和で表す分解
$ \pmb{T}=\pmb{T}_D+\pmb{T}_I
$ \pmb{T}_I:=\frac1n(\mathrm{tr}\pmb{T})\pmb{I}
$ nはtensorの次元
$ \pmb{T}_D=\pmb{T}-\pmb{T}_I
$ ={\cal\pmb D}:\pmb T
偏差写像tensor$ {\cal\pmb D}との2重縮合で表せる
tensorを分解する方法の一つ
解釈
数学的解釈
trace (tensor)が0の部分を線型的に取り出す
物理的解釈
応力
静水圧と同じ働きをする等方応力と、物体をゆがませる効果をもつ偏差応力とに分解する
後者はtraceが0になるため、純粋剪断を引き起こせる
ひずみ
微小変形において、体積膨張に寄与するひずみと、剪断変形に寄与するひずみとに分解する
一般の変形では等容変形成分と体積変形成分への分解を使う必要がある
力の合成は加算なので等方-偏差分解で成分を分解できるが、変形の合成は乗算なので微小変形でしか加算で成分分解できない
デファクトスタンダードな呼び名は、観測範囲では存在しまい
テンソル談議では「既約分解」と呼んでいる
これにあわせて、偏差tensorは既約tensorと呼んでいる
『連続体の力学5 (ベクトル演算と物理成分) 』では、これとtensorの直和分解を作用させたものを3重分解と呼んでいる
2022-11-18までは「既約分解」を使っていたが、わかりにくいので「等方-偏差分解」に変えたtakker.icon
#2024-01-31 10:55:49
#2023-08-13 06:59:43
#2022-11-18 23:03:55