TOC思考プロセス
TOC Thinking Process (TP/TOC-TP)
5つのECE図(effect cause effect diagram)、 TOCクラウドなどからなる問題解決のプロセス方法。
コツ
TOC思考プロセスのコツは、現状ツリーと未来ツリーをコンパクトに日常で行うこと
現状ツリーはやったこと、起きたこと、分かったことの集合。ネガティブで繰り返されることが現れているといいですね
未来ツリーは起きてること、望んでいること、やってみることの集合ー
システム論からの説明
問題を生み出しているシステムが生み出すルール(仮定)に従う限り、システムを変えることはできない。どのルールを維持し、どのルールを何にどのように変えるかのプロセスがTPである。
問題
フローをよくしようとするTPがフローを止める
プロセスの要素
・根本的な対立を見出す
・根本的な前提を見出す
・前提を覆す
根本的な対立の例
・品切れを避けるために、たくさん注文するvs売れ残りを防ぐために、少なめに注文する
根本的な前提の例
・正確な数量を注文する唯一の方法は、前もって将来の需要を予測すること
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プロセスの概要
まず、基本的な前提をはっきりとさせる。そして鉄壁なロジックを用いて、ソリューションを導き出す。最後に、何をすべきか具体的な指示を用意する。それもごちゃごちゃした複雑な指示ではない。明瞭簡潔で、極めて実行しやすい。
UDE、CRT、根本的対立へと至るコンセプトの流れ 私が分析しないといけなかったのは、うまくいっていなかった部分だけだ。好ましくない現象だけに集中すればよかった
私は、ものごとは、そもそもシンプルであると信じている。だから、もし何かうまくいかないことがあるとすれば、それは、どれもだいたい同じ原因に起因していると考えるんだ。
対象は好ましくない現象だから、その根本的な原因は、受け入れることのできる妥協を持てない対立だと考えるんだ。好ましくない状況は、満足のいかない妥協の結果として起こるって考える
思考プロセスのコンテキスト
人は、慢性的な問題を抑え込もうとする。解決するのは不可能だと諦めた問題は、そのまま押し殺そうとする。でも、父さんは、ものごとはとてもシンプルだと信じているから、そういう問題は根本的な対立の結果、起こっているわけで、そうした対立は解消することができる、だからそういう問題は解決できるって考えるわけね。だから父さんは、そういう問題をカモフラージュしようとしないわけね。
小さな問題は、根本的な問題とはあまり関係のないこともある。だから小さな問題をいくら解決しても、根本的な対立はそのまま。ということは、小さな問題から始めても、必ずしも根本的な対立に辿り着けるとは限らないっていうことね。父さんの狙いは、根本的な対立を解消すること。つまり、慢性的な問題を無視するんじゃなくて、逆にそういう問題を積極的に探していたわけね。
出典
特性
同じ題材でも人によって作られるツリーが異なる。作り手の文脈が反映される。
重厚プロセス
多くの場合、TrTまで実行されない。CRTやFRTに留まりやすい。
条件
影響力下にあるとき
能力的な能力下にあるとき
権限的な影響下にあるとき
無能な人は使えない。負のCLRを発動しちゃう。
何が障害なのか不明瞭
障害は
合意形成なのか
難易度の高い問題解決なのか
TPの習得なのか
作文
現状ツクリーで因果関係を作る際、因果の理解をより高い解像度で理解することではなく、作文して通りのいい成果物を作るプレッシャーがあること。プロセスを進めさせる圧力が、タスクを終わらせることに集中させてしまう。理解が進まない。
体裁思考による作文
分かっていないのに終着地点を得ようとする
恐怖
止めるのが怖い
前に戻るのが怖い
テーマを話し直すのが怖い
普及の障害
スクラムやXPは普及するのは、自分達の仕事を助けるからだ。TPは自分達の仕事を脇に置かなければならない。
現場の人がTPをやる。現場はマルチタスクになる。
コンサルはいい。自分の仕事が捗るから。
長期の問題を解決する-TPをする
目先の問題を解決する-今抱えている自分の仕事をやる
テーマに関する無謬性
テーマは開始時に確定時に扱えるものではない
サンクコスト
1G、2Gのプロセスを進めていくとテーマのずれに気付く。しかし今更やり直せない。
認知負荷
できないのに、深刻な雰囲気を醸すことで、仕事をしているという振る舞いをアピールする
気軽にやれない、重い
深刻
コミットメントが恐ろしい
複雑性
不確実性
作ると使うの非対称性
問題解決におけるアイデアの非対称性
アイデアを知っている場合、まねるのは非常に速い
アイデアに辿り着くまでの時間は非常に長い
俳句
重要なリソース
心の落ち着き
TPへの要望
いつでもできる
効果が高い
シンプル
分かりやすくて、すぐに試せる
ミーム的である
組織に広がる
やりたくなる
具体的な動作が示されている
変える必要がなくてもできる
コンテキストからの逸脱の度合いによって対応方法は変わる
長期的に入り組んできたシステム問題
システムの規模が大きいといった理由で、対応する要素が多いと感じている。そうした込み入った状態では、在庫をより多く持つ、在庫を少なくするといった方針上の対立がしばしば長い間、議論される。
対応する要素が多い
個別対応している
長い間、方針が行ったりきたりする。
利害調整にコストを支払っている。
こういった場合はバランス型フィードバックループが働いているため、そのループの原因となる方針や力学に対処する必要がある。l
一時的なカオスなシステム問題
一時的な状況。混乱していて、何をすれば良い状態になるのか分からない。
整理すれば、何をすればよいのかが自ずと見えてくる場合がある。
6レイヤーも異なり、そもそも確信を得た同意はできない。
1.何が問題なのか分からない。
2.問題が解決された好ましい状況が何か分からない。
3.解決策が分からない。
4.解決策を実施するために立ち塞がる障害が分からない。
5.解決策の結果、どのような副作用があるのか分からない。
関連
プロセス
実行者が影響を発揮できる領域、たとえば権限などを持っていたり信頼貯金がある領域に対して行う
世代
第1世代
紹介書籍
TOC思考プロセスは初めてやる人は二週間くらいかかるので、1回作ったら疲れきって、もう作りたくなくなる。粗いままだから実行してもアウトカムが貧しい。うまくやると1サイクル30分でできるので、何サイクルも気軽に回せる。するとアウトカムが出やすくなるー
第2世代 3Cloud法
紹介書籍
『問題解決を「見える化」する本』
『全体最適の問題解決入門』
第3世代
ネガティブな因果ループを見つける
書籍はない
第4世代
関連
参考
wikipedia
論文
Kim, S., Mabin, V. J., & Davies, J. (2008). The theory of constraints thinking processes: retrospect and prospect. International Journal of Operations & Production Management, 28(2), 155-184.