Piagetの発達理論
Piagetの認知発達理論
構成主義・構成論的
子どもが,環境との相互作用により自発的に法則性を取り出し,自らに取り込むことによって認知構造を作り出す
schema
やがて自らの認知構造自体を対象化し,根本的な論理構造を見出していく
運動が認知発達において重要な役割を演じる
発達段階説:認知発達の段階は大きく4つ
感覚運動期
前操作期(前操作的表象期)
具体的操作期
形式的操作期
3つの中核的単位・構造
1. 運動
2. 心象(image mentale)
表象(représentation)の最初の形態
抽象的に操作できる段階までいくと表象?yosider.icon
感覚運動期の第6段階において,模倣(imitation)が内化(intériorisation)することによって生まれる.
Piagetにおける模倣
心象は,模倣として実行される運動それ自体が内化されたもの=内的模倣
運動が心象を構成する
運動を内化する手段・過程としての模倣yosider.icon
運動的なものから表象的なものへ移行する間に,心象は思考されるより以前にいわば演じ(jouer)られねばならない=模倣
表象を獲得するには自ら生成する・やってみることが必要?yosider.icon
自らの身体・運動を通して理解する = 記号接地?yosider.icon
生成モデル
心象は(二次的)知覚と同じ
発達的に変化しない一次的知覚と,獲得性の二次的知覚
二次的知覚:一次的知覚の中心化や歪みを修正した知覚
知覚が運動的要素を包含することは多くの研究が示唆しており,心象が知覚と同じなら心象が運動から構成されるのは根拠のある主張
佐々木, 空書行動の発達:その出現年齢と機能の文化
Movement-produced simulation in the development of visually guided behavior
Let's pretend; The role of motoric imagery in memory for sentences and words
etc
感覚運動の感覚に感情は入っているのか?yosider.icon
3. 操作(opération)
思考の形式,すなわち論理
対象に働きかける,あるいは諸対象を関連付ける機能をもつ
認知発達の最終段階で現れる
運動が内化され,かつ統一的な構造に体系化されたもの(La psychologie de l'intelligence / 知能の心理学)
「内的運動の体系」
かつて身体で行っていた運動や操作を頭の中で組織的に行える
同時に,実際の運動に比べて適用範囲が拡張される
潜在的運動(actions virtuells), 可能的運動(actions possibles)
擬人化とか,数学的操作とか?yosider.icon
発達段階の性質(Piaget) (中垣, 2007)
順序性
段階の出現順序が常に一定である
統合性
ある段階を特徴づける行動や認識の獲得には,その前の段階の行動や認識の獲得が不可欠
全体構造
ある段階を特徴づける諸特性は,無関係な寄せ集めではなく密接に連関しあった全体構造をなす
構造化
前段階の構造は次の段階の構造に徐々に統合されていく
一つの段階に形成期と完成期が見られる
均衡化
発達段階の諸系列は,構造の扱う場の漸進的拡大とその柔軟性の増大という点での安定化の傾向を示す
発達諸段階の系列全体において,いくつかの安定した均衡状態とそこに至るまでの組織化の過程とを区別できる
出典
認知発達における運動の役割 -PiagetとKephartの発達理論の検討-
心理学概論
https://psychoterm.jp/basic/development/09.html