構成論
見かけの振舞いだけを真似しても知能は実現できない.本当に知的な振舞いを実現しようとすると,どうしても知能の原理に沿った構成法に近づいていく.一方,生物を分析して得られる知識は断片的,間接的で,それらがどう連携動作し,環境中での振舞いに結びつくかを見ないと,知的な振舞いの生成原理になっているかどうかわからない.つまり,推定した原理に基づくシステムを作り,実際の環境で動かしてみる構成論(synthesis)が不可欠である. ロボットインテリジェンスの最も基本となる最小単位を見極め,それに基づくロボットを構成し,環境に投入する(創発的構成論).それがどの程度の知的に振る舞うかを観測し,何が出来ないかを明らかにする(結果的振舞いの評価).そして不足した能力を補う必要最小限の構成要素を付加(あるいは自律的に獲得)させ(ここで再び創発的構成論),次のレベルのロボットを構成し,その振舞いを観測する.これを繰り返し,徐々に高度な知的ロボットを構成していく.