OM-MF4
#日記 #2025年 #3月9日 2025年3月-9 15:23
#自作スピーカー #スピーカー・ユニット #ONTOMO_MOOK_stereo編
2020年のオントモムック本で販売されたMarkaudioの6cmのメタルコーン・ユニット。後にCHN40としてレギュラー販売されるようになった。姉妹品には、Micaをコーティングしたペーパーコーンを使用したOM-MF4-Mica/CHN40PMicaがある。
ユニット取り付け用のフランジが四角形なので、エンクロージャの横幅を小さくして、フロントバッフルをコンパクトに仕上げることができる点がMarkaudioの6cmユニットの特徴。
このユニット、私は、MJオーディオフェスティバル2024でアムトランスさんのmicroNC4の塗装強化版(NC4A-B)のデモを聴いて、その鳴りっぷりの良さがとても気に入ってしまった。見た目のコンパクトさに反して低音が良く出て、しかも、中音とのバランスがとても良い。スピーカー自作初心者の私にとって、とても扱いやすいユニットで、バスレフ型のエンクロージャに限った場合でも、容積を目的や設置スペースに合わせて1〜5L程度の範囲で選び、柔軟に鳴らし方をデザインできる。
価格について、以前は、製品版のCHN40がペア価格6000円台で販売されていたのが、2025年にはコイズミ無線の特価で8000円を越えている状況である。それでも、他のユニットも軒並み値上がりしていることを考慮すれば、個人的には今でもお値打ちなDIY向きユニットに思える。
欠点は、能率が低めであることと、繊細な表現は少し苦手かも知れない(分解能が甘い)点。同じMarkaudio社のメタルコーンであるMarkaudio Alpair6 v2M (Alpair6M)+スーパーツィーターに比べるとみずみずしさが失われて曇った感じになるし、2-wayのParadigm Premier 200Bに比べると、みずみずしさに加えてアタックの鋭さが甘くぼけてしまっている印象。(ちなみに、Alpair6MのスーパーツィーターをOM-MF4に載せ換えてからツィーター無しのAlpair6Mと聴き比べても、分解能についてはほとんど印象変わらず。) 
同価格の姉妹ユニットであるOM-MF4-Micaの評判が高いので、中高音のきれいな音を表現したいのであればMicaを使うのが良いかも知れない。でも、分解能は、箱次第で結構変わる上に、実際のところ手持ちのMicaを適当な箱に載せても、私は散漫な音しか出せなかったことから、Mica用の箱を試行錯誤する前に、バランスの良いOM-MF4で箱作りの修業をした方が良いと考えるようになった。2025年のONTOMO Shop スピーカー自作キットのセール販売でOM-MF4がお値打ち価格(1ペア4000円!)で販売されていた時が、まさにその決断をしたタイミングで、3ペアを購入。たとえ、分解能は出なくても、おおらかに鳴らして楽しんでしまえば良い、というお気楽モードで、いろいろ試すことにした。
まずは、1ペア目をヤフオクで入手した1.4Lの小さなバスレフ型のエンクロージャに入れてみた。低音は控え目のはずだが、思った以上に低音もいい感じに鳴ってくれていて、好印象。バランスが良くって、6〜8畳の狭い部屋でノリノリで鳴ってくれて、BGMとして聴くならもうコレでいいじゃん、という感じである。上述したように上位グレードのスピーカーと比較すると甘さが目立ってしまうが、バランスの良い鳴りっぷりと、エンクロージャのコンパクトさに大満足!
ヤフオクのsariroseさんのCHN40Pmica・OM-MF4用エンクロージャ(容積1.4L、バスレフポート(102Hz)はフロア・ダクトになっていて、作者さんによれば、フロア自体がダクトとして機能してもう少し低周波数側に伸びているとのことだが、実際聴いてみると、確かに100Hzまでの音じゃない。)
https://gyazo.com/42c1bef6521bcd590e99cffdcb6427b9
塗装前なので白っぽいです。色はこのままでもいいですが、やはり木肌を保護したいので、エージング完了後にオスモカラーを塗る予定。
エンクロージャの横幅が広いので、ユニットの取付けフランジの対角線が十字になるように取り付けたら、いい感じ!(ま、真相は、寝ぼけながらトレーシングペーパーにネジ穴の位置を描いたときに45度回し忘れていて、そのまま気付かずにトレーシングペーパーを箱にあててネジ穴を開けてしまった、ということなのだけど、結果オーライということで。私は、ネジ穴開けたり、鬼目ナットを埋めるときの失敗率高いので、体に正しいやり方を覚え込ませなくては。)
エンクロージャ側のユニット取付け開口部の端子除けの切り欠きが、フランジの4辺を縦横に配置することを想定した位置に開けられていたので、端子部分を切り欠きに沿って箱の内側に納めてから、45度ユニットを回してネジ留めした(なので、そのことを覚えてないとユニットを箱から取り外すことができない)。
ダクトを底面に配したフロア・ダクト方式のため、底面の隙間もダクトとして作用している感じで、ダクトそのものの共鳴周波数は102Hzとのことだが、もう少し低音が伸びていて、とても100Hzのバスレフの音ではない。高さ5〜7mmくらいの半球の足が、デザインと低音のアクセントになっていて面白い。
今は金属製のスタンドの上ではなく、無垢板のエンクロージャの上に置いてるので、それも好印象の要因かも。
まず、オペラを聴いてみたが、残念ながら、これは全くダメ。こもった感じのしょぼい歌声になってしまって、聴くに堪えないレベル。たまたま、台として使っているAlpair6Mと比べると、Alpair6Mも多少甘いものの断然良い音であったので、アンプの故障とかではなく、OM-MF4と1.4Lエンクロージャの総合力が、オペラ再生に必要な水準に達していない感じである。
オペラ以外は、採点甘めで、個人的には強引に合格。ちょっと分解能足りないなあ、と思いつつ、鳴りっぷりに不満はない。バランスが良いから、クラシックも及第点。
sariroseさんのフロア・ダクト式のコンパクトエンクロージャは、OM-MF4に最適化されているので、OM-MF4/CHN40を持っている人には、とてもお勧めである。
側板を18mm厚の赤松集成材、他を15mm厚のアカシア集成材を使っていて、内部に桟による補強も入っている。松系の集成材は、個人的には少し嫌な響きがすることがあると思っているのだけど、それを感じさせないのは、補強を加えた上で、異なる材質を組み合わせた効果のように思われる。
鬼目ナットやユニット取付け用のファストン端子は付属しないので、自分で取付け加工が必要であるし、塗装も自前で行う必要がある(#320番でサンディング処理済で、素人の私が400番で研磨したのとは段違いにキレイに仕上げた表面なので、すぐに塗装可)ものの、ターミナル端子や吸音材は取付け済みなので、比較的すぐにユニットをインストール可。
共立電子のキット WP-SPMF4 2.2L
こちらの方が低音は適正でシンプルに制御されているので、リファレンス的な箱と言えるが、バッフルステップ補償が必要と思われる。元々はFR085CU03をとり付ける目的でこのキットを購入してバッフル裏を削ったところで組まずに一年近く放置してあり、本来の推奨ユニットであるOM-MF4を載せるか悩み中。すでに上の1.4Lのバスレフ箱がいい感じに鳴っていて、それとあまり特性は変わらないように思うので、作るとしても、OM-MF4は確認用で、FR085CU03かPLS-P830985辺りと交換できるようにすると思う。OM-MF4用のバスレフとしては、4〜5Lくらいの容積の60Hz近くまで共鳴周波数を下げたものを作った方が良いような気もするし、それよりも、どうせ作るなら、後述のMarkaudioの作例の方が楽しそう。
https://eleshop.blog.jp/archives/41718723.html 共立エレショップのブログ
Markaudioのcabinet例:この中で私が最も関心があるのは、トリプルバスレフで、これとML-TLとを比較してみたい。
トリプルバスレフ図面: Fb=70 (Hz), F6=60 (Hz)https://www.markaudio.com/wp-content/uploads/2021/11/CHN40-Compact-series-multichamber.png
図面の通りだと、接着に60cmの端がねが必要。底板を天板と同じように側板で挟み込んで接着して、その下に台座用の板を貼ろうかな。
素人感覚では、最終ダクトからの出音の位相が、シングルバスレフと同じになって、ダブル・バスレフでは避けられないディップを抑えることができて、素性よさげな設計に思える。低音の伸びは、下のMLTLやTQWTの方が良いが、低音の伸びを狙っている訳じゃない。
ML-TL図面: Fb=65 (Hz), F6=55 (Hz) https://www.markaudio.com/wp-content/uploads/2021/11/CHN40-Compact-Mass-Loaded-Quarter-Wave.png
底板の接着に70cm越えの端がねが必要だけど、持ってないので、1. 折り返しをつけて高さを低くするか、上のトリプルバスレフの場合と同じように、2. 天板と同じように底板を側板で挟むように貼り付けてさらにその下に台座を貼り付けるか。
TQWT図面: Fb=60 (Hz), F6=50 (Hz)と低音が伸びて、かつ、上のMarkaudioの作例に比べるとコンパクト https://www.markaudio.com/wp-content/uploads/2022/09/CHN40-Compact-Mass-Loaded-Horn.png
ついでにこのTQWTも作ろう!せっかく作例があるのだから、考えずに作ってしまおう!ユニット足りないけど。