バッフルステップ補償
回折した音波がスピーカーの裏側に抜けて音量が1/2近く(-6dB相当)まで低下してしまう低音域と、指向性が高くほとんど回折しない高音域やバッフル表面で再度回折されて音量低下しにくい音域との間で音量差が生じることをバッフルステップと呼ぶ。
壁から遠いところにスピーカーを設置すれば、最大で6dBの音量レベルの差が生じ得るので、耳でも、音量レベルの違いとして認識される。
バッフルステップで生じた音量差を補正するのが、バッフルステップ補償(Baffle Step Compensation, BSC)回路。
スピーカーを壁際に設置すると、壁からの回折によってバッフルステップは抑制されるので、スピーカーの設置場所によって回路の調整が必要。
補正回路: コイルと抵抗を並列でつないで、高音域を低減する
耳で合わせられる人の調整術
スピーカーを壁から1m以上離す場合は1.5mHにする。
TangBand の8cmのユニットを使ったTABAQ型ML-TLの場合、1mHのコイルと、ユニットのインピーダンスが8Ωの場合に、2〜10Ωの抵抗並列でつなげて試す。最適値を探している間は、2, 4.7, 6.7, 10, 1Ωの抵抗を使ってWAGOのワンタッチコネクタを使って抵抗値を変えるのがお手軽(4Ωのユニットの場合は、抵抗値を半分にさげる)。
大きめのコイルを使うので、空芯コイルよりも鉄心コイルの方が直流抵抗値を抑えられて良いかも知れないが、たぶん、バッフルステップ補償ではフルレンジにコイルを入れる上に、並列で抵抗を入れて調整するので、高周波数域の歪みの少ない空芯コイルを使ったほうがよいはず。(と思うけど、私の耳はBSC回路なしでも快適な気もするので、2-way用に使い回せるように、最初のお試しは鉄芯コイルを使う予定。)