5項補題
five lemma
diagram chasing
https://gyazo.com/9e1f86477f4a3d53a9df755cd73f6ff1
5項補題
①$ h_1が全射、$ h_2,h_4が単射ならば、$ h_3は単射 ②$ h_5が単射、$ h_2,h_4が全射ならば、$ h_3は全射 従って、$ h_1,h_2,h_4,h_5が同型ならば、$ h_3も同型である ちなみに
故に、5項補題は、2つの4項補題から得られる、と言える ①の証明
https://gyazo.com/8bd2b521cab6089f67209587204e6bbc
オレンジの数値は示していく順序を振っているmrsekut.icon
オレンジのn番目は、以下ではnという表記で記していくmrsekut.icon
$ x\in M_3を、$ h_3(x)=0を満たすような元であると仮定する
この$ xが、$ x=0であることを示すことが目的mrsekut.icon
仮定より、$ 0=(g_3\circ h_3)(x)=(h_4\circ f_3)(x)
最初の=は仮定より言える
$ g_3(0)=0は$ g_3が準同型写像であることからわかるmrsekut.icon
2つ目の=は青の正方形の可換性より言える
$ h_4は単射なので、$ f_3(x)=0
図中3の部分mrsekut.icon
つまり、$ x\in\mathrm{Ker}(f_3)がわかるmrsekut.icon
すると、$ x\in \mathrm{Ker}(f_3)=\mathrm{Im}(f_2)より
∵完全列mrsekut.icon
ある$ y\in M_2により、$ x=f_2(y)と書ける ... 4
すると、$ 0=h_3(x)=h_3(f_2(y))=g_2(h_2(y))
最初の=は、仮定より
2つ目の=は、4より
3つ目の=、緑の正方形の可換性より
これが、5, 6mrsekut.icon
ここで、6より、$ h_2(y)\in\mathrm{Ker}(g_2)がわかるmrsekut.icon
すると、$ h_2\in\mathrm{Ker}(g_2)=\mathrm{Im}(g_1)より
∵完全列mrsekut.icon
ある$ z\in N_1により、$ h_2(y)=g_1(z)と書ける
デジャヴュですねmrsekut.icon
これが、7mrsekut.icon
また、$ h_1は全射なので、
ある$ w\in M_1により、$ z=h_1(w)と書ける
すると、$ h_2(y)=g_1(h_1(w))=h_2(f_1(w))
1つ目の=は、7,8より
2つ目の=は、紫の可換性より
両端の$ h_2(y)=h_2(f_1(w))を9とするmrsekut.icon
ここで、$ h_2は単射なので、
$ y=f_1(w)
従って、$ x=f_2(y)=f_2(f_1(w))=0
1つ目の=は、4より
2つ目の=は、10より
3つ目の=は、$ M_1,M_2,M_3が完全列であることより
この辺、何をやっているのかと言うとmrsekut.icon
https://gyazo.com/b232d0b13618c62dfe44814c5447b8d5
最初の仮定では、$ x\in M_3は、$ h_3(x)=0という条件でだけであって、$ xが単位元かどうかは自明ではない
そもそもそれが知りたくで証明しているmrsekut.icon
また、この$ M_1\xrightarrow{f_1}M_2\xrightarrow{f_2}M_3は完全列であるので、$ \mathrm{Ker}(f_2)=\mathrm{Im}(f_1)であることも最初からわかっている
つまり、$ M_1の任意の元を、$ f_2\circ f_1で写すと、必ず$ M_3の単位元になることがわかる
そこで、色々迂回していって、$ f_2(f_1(w))=xであることがわかった
よって、$ x=0がわかる
従って、$ x=0なので、$ h_3は単射である
②の証明
https://gyazo.com/8163dcf80786f6e612ade0d9118233ce
オレンジの数値は示していく順序を振っているmrsekut.icon
オレンジのn番目は、以下ではnという表記で記していくmrsekut.icon
任意の$ x\in N_3を取る
この任意の$ xに対して、$ x=h_3(w)となる$ u\in M_3の存在を示すことが目的mrsekut.icon
$ h_4の全射性により、ある$ y\in M_4により$ g_3(x)=h_4(y)と書ける
すると、$ 0=g_4(g_3(x))=g_4(h_4(y))=h_5(f_4(y))
1つ目の=は、完全列より。
2つ目の=は、1より
3つ目の=は、赤い正方形の可換性より
また、$ h_5の単射性により、$ f_4(y)=0
これが2mrsekut.icon
よって、$ y\in \mathrm{Ker}(f_4)=\mathrm{Im}(f_3)なので、
ある$ z\in M_3より、$ y=f_3(z)と書ける
これが3mrsekut.icon
この時、$ g_3(x)=h_4(y)=h_4(f_3(z))=g_3(h_3(z))
1つ目の=は、1より
2つ目の=は、3より
3つ目の=は、青い正方形の可換性より
この両端$ g_3(x)=g_3(h_3(z))を4とするmrsekut.icon
ここ、$ x=h_3(z)とは言えないことに注意mrsekut.icon
これより、$ g_3(x-h_3(z))=0が言える
∵$ g_3は加群準同型なので、加法の演算を保存するmrsekut.icon $ g(a-b)=g(a)-g(b)
6mrsekut.icon
よって、$ x-h_3(z)\in \mathrm{Ker}(g_3)=\mathrm{Im}(g_2)なので、
ある$ w\in N_2により、$ x-h_3(z)=g_2(w)と書ける
7mrsekut.icon
また、$ h_2は全射なので、
ある$ v\in M_2に対して、$ w=h_2(v)と書ける
8mrsekut.icon
従って、$ x-h_3(z)=g_2(h_2(v))=h_3(f_2(v))
1つ目の=は、7,8より
2つ目の=は、緑の正方形の可換性より
この両端を9とするmrsekut.icon
9より、$ x=h_3(z+f_2(v))が得られる
従って、$ u:=z+f_2(v)とすれば、$ x=h_3(u)
従って、$ h_3は全射
参考