積極財政で経済は成長する
成長しない派の学説
民業圧迫、円高の誘発で積極財政の効果は相殺されるという理屈
ノーベル経済学賞をとったモデルもある
? どのモデル
この論理は「国債を発行すると長期金利が上がる」という仮説の上に成り立っている 満期で100万円になる国債があるとする。国債自体は売買ができる。
国債を大量に発行していて、政府は信用出来ないよね。となると、この国債売っちゃった方がいいやと思う人がたくさん出てきます。みんなが売りに出すと、需要と供給の関係で、国債の売買価格が下がる。たとえば99万円が、98万円になるかもしれません。でも満期まで持っていれば100万円になる。つまり実質的な金利は上がります。
だから国債を刷りまくって「政府が信用できなくなれば」長期金利は上がる
長期金利が上がる理由は一つじゃない基素.icon
逆に、国がめちゃくちゃ信用できて、他国が全然信用できない状態ができても上がる(割高でもマシ)
? この仮説から上の結論「積極財政の効果は相殺される」がどう導かれるの
事実:現状の日本においては国債を発行しても金利は上がっていない
理論的には訳のわからない動きをしている
現状の日本においては仮定が成立しない
財政出動は無効だというのは嘘である疑義がある
p.11 財政収支(税収と支出の差額)のグラフを見ると、積極財政のタイミングで財政収支は改善しており、緊縮財政化では悪化している
アメリカの金融恐慌の時と一緒
p.12 回帰分析の結果:$ \mathrm{名目GDP}=5.9\times公共事業+1.3\times総輸出+誤差項
1990-2009年のデータ(2019までだとどうなるのか気になる)
公共事業1兆円で名目GDPは5.9兆円伸びるということ
係数は1%有意。公共事業と総輸出で名目GDPの82%が説明できる($ R^2)
輸出より公共事業の方が5.9/1.3倍大きい
ただし、分析のやり方で結構変わる
p.14 インフレ期とデフレ期の経済政策は真逆である
ということは中学生でもわかるが、専門家はこれを口にしない。なぜか?
基素.icon学校の教科書に載っているので「中学生でもわかる」と言っている
ケインズ経済学(1936)以降、日本以外では深刻なデフレは起こらなくなった その後の経済理論はインフレを前提とした理論だけが発達して学説や教科書に定まった
今の多くの専門家はデフレに対する処方箋を提言できない
基素.iconここまでの話なら比較的単純なのでできそうであるが…。