負三角形形状(NT)がELM抑制に効く理由
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負の三角度(negative triangularity, NT)形状でELMフリーになる理由は、プラズマのエッジ領域における圧力勾配と電流駆動の変化、およびバルーニングモードやピールモードなどの不安定性の抑制に関連しています。以下の要因がNT形状のELM抑制に寄与していると考えられています。 1. 圧力勾配の低下とエッジ局所不安定性の緩和
NT形状では、プラズマの外側(エッジ領域)での圧力勾配が低下します。エッジ局所の圧力勾配が高いと、ピールバルーニングモード(peeling-ballooning modes)と呼ばれる不安定性が発生しやすくなります。特に、高圧力勾配が持続するとType-I ELMが発生します。 NTでは、プラズマの形状がエッジ局所の圧力勾配を抑制し、不安定性の発生を防ぎます。その結果、プラズマがエッジローカライズモード(ELM)フリーの状態を維持できると考えられます。 2. 第二安定性領域の閉鎖
正の三角度(PT)では、エッジ圧力勾配がある閾値を超えると第二安定性領域に到達し、圧力勾配が急激に増大します。この急激な増加がELMの引き金となります。
一方、NTプラズマでは第二安定性領域へのアクセスが閉鎖されるため、高圧力勾配が形成されにくくなります。これにより、ELMの発生が回避されると考えられています。 NT形状では、プラズマの磁場シア(磁力線がねじれる度合い)が増加します。磁場シアが高いと、エッジでの圧力勾配が増加しても、不安定性が発達しにくくなることが知られています。これにより、ピールモードやバルーニングモードが抑制され、ELMが発生しにくくなります。 4. 抵抗性バルーニングモード(KBM)の寄与
近年の研究では、NT形状がエッジでの抵抗性バルーニングモード(resistive ballooning mode)を活性化させ、圧力勾配を制限する可能性が指摘されています。KBMは、エッジでのプラズマの局所的な粒子輸送を促進し、圧力が過剰に高まるのを防ぎます。このメカニズムにより、ELMが抑制されると考えられます。 NT形状でELMフリーが観測されるのは、以下のような現象が関係していると考えられます。
MAST-Uの低アスペクト比トカマクでも、負の三角度でELMフリー状態が初めて観測されました。 これらの実験結果は、形状によるプラズマの安定性制御がELM抑制に効果的であることを示しています。 負の三角度がELMフリーをもたらす理由は、主にエッジの圧力勾配の低下とピールバルーニング不安定性の抑制に関連しています。また、抵抗性バルーニングモードなどの新たな不安定性が圧力を制限する役割を果たしている可能性もあります。今後の研究では、これらのメカニズムの詳細な解明と、核融合炉設計におけるNTの利用が期待されています。 そこから、高パラメータ達成できるかは別問題という気がする