ピールバルーニング不安定性
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ピールバルーニング不安定性は、トカマク装置内のプラズマエッジに発生する複雑な不安定性のことを指します。この不安定性は、プラズマの圧力勾配や電流密度が限界を超えた際に発生し、エッジ領域のプラズマが急激に崩壊する現象です。これにより、エッジ局在モード(ELM: Edge Localized Mode)が発生し、プラズマからのエネルギーや粒子が周期的に放出されることになります。
この不安定性は以下の2つのモードが組み合わさって生じます:
1. ピールモード(剥がれ不安定性):主に電流の流れが原因で発生する不安定性。プラズマのエッジ付近で流れる高い電流密度が引き金となり、プラズマが磁気的に不安定化します。
2. バルーニングモード(膨張不安定性):主に圧力勾配が原因で発生する不安定性。プラズマのエッジに高い圧力勾配があると、それが磁気面を膨張させて不安定化します。
ピールモードとバルーニングモードが連動して発生するため、これを総称して「ピールバルーニング不安定性」と呼びます。この不安定性が発生すると、プラズマから大量のエネルギーが放出されるため、装置の内壁や装置そのものにダメージを与える可能性があり、核融合プラズマの制御において大きな課題となっています。