DIII-D
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DIII-Dは、アメリカのサンディエゴにあるトカマク型の核融合実験装置で、核融合研究における重要な装置の一つです。DIII-Dは、1986年からアメリカのエネルギー省 (DOE) の管理下で運用されており、主にプラズマ物理学の研究や核融合エネルギーの開発に向けた基礎的かつ応用的な実験が行われています。
DIII-Dの主な特徴
トカマク型装置:
DIII-Dは、ドーナツ型の閉じた磁場を利用してプラズマを閉じ込める「トカマク型」装置です。トカマクは、プラズマを高温に保ちつつ、安定して閉じ込めるための技術の一つであり、核融合炉の実現に向けて最も有望な装置の一つとされています。
研究目的:
DIII-Dは、プラズマ閉じ込め技術の改善、プラズマの不安定性制御、磁場配位の最適化など、さまざまなプラズマ物理の課題を探求するために利用されています。特に、次世代核融合炉である国際熱核融合実験炉 (ITER) の設計や運用に関連した研究も行われています。
高度なプラズマ制御技術:
DIII-Dでは、外部からプラズマを加熱するための様々な技術が使用されます。例えば、ニュートラルビーム入射加熱 (NBI) や高周波加熱 (RF加熱) などがあり、これらの技術によりプラズマを数千万度に加熱し、核融合条件に近い環境を作り出します。
プラズマ中の磁場や電流分布を制御するためのさまざまな技術が開発され、プラズマの安定性を保ちつつ高閉じ込め状態(Hモード)を達成する研究が進められています。
研究成果と国際貢献:
DIII-Dでは、多くの新しい発見が行われており、Hモードの研究やELM(エッジ局所モード)の制御、さまざまな磁場構成による閉じ込め性能の向上など、多くの成果が核融合研究の進展に貢献しています。
特にITERや将来の商業用核融合炉の設計におけるプラズマ制御技術の基礎となる知見が蓄積されており、世界中の核融合研究に大きく貢献しています。
装置の進化:
DIII-Dはもともと、DIIIと呼ばれる装置の改良型であり、1980年代後半にその形が完成しました。それ以降、技術的なアップグレードが行われ続けており、特にプラズマ加熱や診断技術の分野での進化が進んでいます。
装置の運転能力は、ITERなどの次世代装置のために重要なデータを提供するため、時代のニーズに合わせて継続的に改良されています。
核融合反応
使用した燃料:重水素(Deuterium)プラズマ Q値(核融合出力/入力パワーの比率):
実験で得られたQ値:0.0015
重水素-三重水素(D-T)プラズマ換算のQ値:0.32 まとめ
DIII-Dは、アメリカを代表するトカマク型核融合実験装置で、核融合エネルギーの実現に向けたプラズマ物理の研究を進める上で非常に重要な役割を果たしています。HモードやELMの制御、プラズマ閉じ込め性能の向上など、核融合炉開発に不可欠な知見を提供しており、国際的な核融合研究の進展に大きく貢献しています。