トカマク
https://www.energy.gov/sites/default/files/styles/full_article_width/public/2024-07/doe-explains-tokamaks.jpg?itok=TfoOG8ar
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トカマク(Tokamak)は、核融合反応を起こすために高温のプラズマを閉じ込める装置の一種で、特にドーナツ型の構造と強力な磁場を使用することで知られています。トカマクという言葉は、ロシア語の「тороидальная камера с магнитными катушками(トロイダルな磁場コイルを備えた容器)」を略したもので、もともとはソビエト連邦で開発されました。
トカマクの仕組み
トカマクの目的は、核融合反応を維持するために必要な超高温のプラズマ(約1億度以上)を、物理的な壁に触れさせることなく磁場で閉じ込めることです。プラズマが壁に触れると冷却されてしまうため、磁場による閉じ込めが必須となります。トカマクは、プラズマをトロイダル(ドーナツ型)の形状に保持し、磁場を使って安定させることが特徴です。
トカマクの主な構造
1. トロイダル磁場コイル: ドーナツ型のプラズマを形成し、それをトロイダル(ドーナツ状)方向に沿って閉じ込めるための磁場を生成します。この磁場は、プラズマを中心に向かって引き付け、プラズマの外側への膨張を防ぎます。 2. ポロイダル磁場: プラズマ内を流れる電流がこの磁場を生成し、プラズマの安定性を高めます。この磁場とトロイダル磁場が組み合わさることで、螺旋状の磁場が形成され、プラズマをより強固に閉じ込めることができます。 3. プラズマ電流: トカマクでは、プラズマ自体が電流を流しており、この電流が磁場を生成し、プラズマを安定させる役割を果たします。この電流は誘導的に生成されることが多く、トカマクは基本的に変圧器の二次コイルのような役割を果たします。 4. ダイバータ: プラズマから発生する不純物やエネルギーを排出し、プラズマの温度を維持するための領域です。ダイバータは、核融合炉の効率的な運転とプラズマ対向機器の保護に重要な役割を果たします。 トカマクの動作原理
トカマクは、核融合反応を起こすために、2つの軽い原子核(通常は水素の同位体である重水素と三重水素)を高温に加熱し、十分なエネルギーを持たせることで融合させます。融合反応が起こると、大量のエネルギーが放出されます。これは、太陽で起こっている反応と同じです。この高温のプラズマを維持し、閉じ込めるために、トカマクは強力な磁場を使用します。
トカマクでは、プラズマを加熱する方法として以下の手法が使われます:
誘導加熱: プラズマに電流を流し、それによってジュール熱が発生してプラズマが加熱されます。 中性粒子ビーム注入: 高速の中性粒子ビームをプラズマに注入し、ビームとプラズマの衝突によってエネルギーが伝達されます。 高周波加熱: 電磁波をプラズマに照射してエネルギーを与え、プラズマを加熱します。 トカマクの利点と課題
#利点:
効率的な磁場閉じ込め: トカマクは、プラズマを安定して長時間閉じ込める能力に優れており、核融合反応を維持するための有望な技術とされています。
核融合エネルギーの商業化の可能性: 核融合は、燃料が豊富でクリーンなエネルギー源とされており、トカマクはその商業化に向けた有力な候補です。
#課題:
プラズマ閉じ込めの難しさ: 高温プラズマを安定して閉じ込めるのは技術的に非常に難しく、プラズマが不安定になりやすいという課題があります。 長時間運転の実現: トカマクの商業利用には、プラズマを長時間安定して維持する技術が必要です。しかし、これには高度な磁場制御と材料の耐久性が求められます。
トカマクの応用
トカマク型核融合装置は、ITER(国際熱核融合実験炉)をはじめ、世界中で研究が進められています。ITERは、フランスで建設中の世界最大のトカマク型核融合炉で、持続的な核融合反応を達成し、商業的に利用可能な核融合エネルギーの実現を目指しています。また、MAST-UpgradeやSPARCなどのトカマク装置も、将来的な核融合炉の実用化に向けた重要な役割を果たしています。 なんでトカマクに螺旋磁場が必要なったか忘れちゃったのでメモmasaharu.icon トカマクは、センタースタックが側の磁場が強くて、外側の磁場が弱い
磁場勾配がある
Brad Bドリフトが起きる
Brad Bドリフトは陽子と電子で方向が逆
電場が発生
E X Bドリフトで壁に電子もイオンも吹っ飛ぶ
https://physics.thick.jp/Plasma_Physics/Section2/figures/fig2-3-2.png
Brad Bで出来た電場を打ち消す必要がある
シンプルに、磁場を捻じれば、上と下が入れ替わるから電場が相殺される
電場がないのでE X Bドリフトは発生しないので、壁に吹っ飛ばない
参考資料
この話とプラズマ圧力における散逸とプラズマ電流は別の話masaharu.icon
プラズマ電流が流れる際に生じる、プラズマ圧力によって径方向外側へ広がろうと
する力やトーラスプラズマ特有のプラズマリングが径方向外側に広がろうとするフープ力
とバランスするための下向き垂直磁場を生成し、プラズマ電流とのローレンツ力によって
径方向内側へ抑える力を生成することができる。
詳しい人に以下の認識で合ってるか聞きたいmasaharu.icon
プラズマ圧力によってプラズマが四方に散逸するのは、Bpの磁気圧で抑え込める
https://www.isc.meiji.ac.jp/~asc_eng/img/image109.jpg
図のようにプラズマ電流をかけた時に、自身の電流で作ったポロイダル磁場とプラズマ電流で$ j \times Bでフープ力が生まれた場合、外に吹っ飛ぶことが考えられる
それに対してフープ力と逆向きに働く力が生まれるように逆向きにPFコイルを使って垂直磁場をかけてあげることにより、フープ力を軽減し、外に吹っ飛ぶのを抑えることができる