SPARC
#装置解説
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https://cfs.energy/technology/sparc
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SPARC (Soonest Possible ARC) は、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)とコモンウェルス・フュージョン・システムズ(Commonwealth Fusion Systems(CFS)、CFS)によって開発が進められている核融合装置です。SPARCは、核融合エネルギーを商業的に利用可能にするための重要なステップとされ、トカマク型の核融合炉の一種として設計されています。トカマクは強力な磁場でプラズマを閉じ込め、高温で核融合反応を維持する装置です。
SPARCの特筆すべき特徴は次の通りです:
1. 高温プラズマの生成
SPARCは、水素同位体である重水素と三重水素を高温に加熱し、プラズマ状態にすることで核融合反応を引き起こすことを目指しています。目標温度は1億度以上で、太陽の中心部よりも高温です。
2. 超伝導マグネットによる強力な磁場
SPARCの最大の技術的な革新は、超伝導材料を用いた強力な磁石を用いる点です。従来のトカマク装置と比較して強力な磁場を生成できるため、よりコンパクトな設計が可能です。
高温超伝導体(HTS)を使用しており、これは通常の超伝導体よりも高い温度で動作可能であるため、冷却コストが削減できるメリットもあります。
3. 商業化に向けた試金石
SPARCは実験段階ですが、成功すれば、核融合を電力網に供給可能なエネルギー源とする次のステップ、ARC(Affordable, Robust, Compact)につながると期待されています。
SPARCは商業炉を実現するための技術的な検証機となり、SPARCのデザインや結果が、将来の実用炉の設計にも影響を与えるでしょう。
4. 目標とする出力エネルギー
SPARCのもう一つの目標は、投入エネルギーよりも多くの出力エネルギーを得ること、すなわち「燃焼利得Q>1」を実現することです。これは商業核融合炉に向けた重要な目標で、Q>1を達成することで、核融合が電力生産において現実的な選択肢となる道筋を示すことになります。
SPARC is projected to attain 𝑄≈11
Overview of the SPARC tokamak | Journal of Plasma Physics | Cambridge Core
5. タイムライン
SPARCの実験は2025年頃に予定されており、成功すれば2030年代初頭には商業化が見込まれています。
SPARCプロジェクトは、核融合の商業化を加速するための一大プロジェクトとして注目されています。CFSとMITは、エネルギー問題の解決を目指し、この装置の研究・開発に多額の資金とリソースを投入しています。SPARCが成功することで、核融合エネルギーが実用化への道を大きく進むと期待され、クリーンで持続可能なエネルギー源としての未来が現実味を帯びてきています。