核融合炉ってぶっちゃけ今どういう状況なの?
核融合反応は起きてるけど、マネタイズ成功する核融合炉を作るのに難航している状況です
今の技術だとマネタイズに成功する核融合炉を作るのに、めちゃお金と時間がかかる
マネタイズが成立するITERという核融合炉を作ろうとしたけど 計画開始: 2006年
運用開始: 2034年(2024年現在の予定)
30年ぐらいかかっている
マネタイズのためにも研究開発のPDCAサイクル回したいけど一回のサイクルに15年ぐらいかかる
今はPDCAサイクルの2回目が終わったぐらい
https://gyazo.com/230e0da47bebe243795b16e4a26fc747
1サイクル目(~2000年)
黎明期~ピーク期
核融合研究のスタート地点とも言える時期
科学者たちは核融合がエネルギー問題を解決する究極の方法になると期待
このサイクルでは、核融合が現実的に可能かどうかを探るため、数々の大型実験装置が建設された。
「エネルギーをもっと投入すれば核融合が成立する」という単純なスケーリング則に基づき、より大きな装置(ITER)の建設計画に向かった
活躍した装置
TFTR: 米国が主導し、D-T燃料で核融合エネルギーが発生する実証 JET: 欧州の主力装置として初めてD-T燃料の実験を行い、核融合炉の基礎的な可能性を実証 DIII-D: ラズマの挙動を詳細に研究する装置であり、核融合実験装置の設計指針 2サイクル目(2000~2025年)
ピーク期~幻滅期
ITERの建設が遅れる一方、理論的なハードルやコストの課題が明らかになった
各国で現実的な目標の再設定が行われました
この時期は、理論と現実のギャップに直面し、核融合研究の方向性が「目の前の課題の解決」に集中
活躍した装置
JT60-U: 重水素実験により得られたデータをもとにQ>1(エネルギー利得率)の可能性を議論。しかし三重水素を用いた実験は行えず、D-Tを使った時は核融合反応の値は予測値のみに留まる JET: D-T燃料を用いた実験で、ITERの壁材でのQ=0.32を明らかにし、「ITERの壁を再現した環境」での挑戦の難しさを示す ITER: 設計・建設の複雑さが予想以上に高く、「大型装置で成功するにはさらに時間が必要」との認識 3サイクル目(2025~2050年)(予測)
幻滅期~啓蒙活動期
新しいアプローチや革新的技術で核融合の可能性を追求する時期
次世代の装置が続々と稼働し、研究の実用化に向けた進展が期待
でっかい装置 or 強磁場 or 画期的な方法でいっちょQ>1狙っちゃいますか!
活躍が期待される装置
ST-40: 球状トカマク方式を採用した小型装置で、高いプラズマ圧力を目指しています。10keV達成 SPARC: 高温超電導磁石を用いた装置で、コンパクトながら高いエネルギー効率を目指しています。2026年稼働予定。 JT60-SA: 日本が主導する装置で、ITERに向けた基礎的なデータを提供することを目的としています。2026年稼働予定。 ITER: 2034年に稼働予定で、D-T燃料を用いた実験でQ>10の達成を目指します。 4サイクル目(2050~2075年)(予測)
生産期
これまでの研究成果を集大成し、実用化に向けた商業炉の建設と運用を目指す時期
人類のエネルギー問題解決に大きく寄与することが期待
活躍が期待される装置
未来のことは誰にもわからないので、もっと早くなるかもしれないし、遅くなるかもしれないmasaharu.icon
ただ、明日いきなりできるとかはない
本気で核融合発電の研究をしたい人は
のキャリアを考えた方が良いかもmasaharu.icon
MEMO
核融合反応自体はもう1990年代に起きてる
Peak fusion powers up to 10.7 MW, corresponding to Q≈0.27, and total fusion energy per pulse of 6.5 MJ have been attained
核融合利得(核融合で起きたエネルギー/核融合反応を起こすまでに必要なエネルギー)は1.2いけばいいなぁてなってる
燃料に三重水素を重水素に混ぜ込めばこのくらいいくだろうという予測値
実際は燃料に重水素を使ったことしかない
QDDの最高値は0.0057
The current record for highest Q in a tokamak (as recorded during actual D-T fusion) was set by JET at Q = 0.67 in 1997. The record for Qext (the theoretical Q value of D-T fusion as extrapolated from D-D results) in a tokamak is held by JT-60, with Qext = 1.25, slightly besting JET's earlier Qext = 1.14. In December 2022, the National Ignition Facility, an inertial confinement facility, reached Q = 1.54 with a 3.15 MJ output from a 2.05 MJ laser heating, which remains the record for any fusion scheme as of 2023.2 wikipedaなんで、本当かわからんが、オーダーとしては間違ってないと思う。
核融合利得上げていきたいよねっていう話になっていて
国際的にはITERと呼ばれれる世界で協力して作る装置があるのだが、これがなかなか建設完了しない 動き出すのは2034年だって
日本だと
韓国だと
Figure 1 shows a high beta discharge of βN ∼3 using the high- ℓi scenario sustained for 12 s with fusion gain, G > 0.4 at q95 = 4.
核融合利得は0.4ぐらい
三重水素換算したらもっと伸びる?
イギリスだと
A fusion gain of Qin = 0.32 (defined as Pfus/Pin, with Pin the total input power) averaged over 1 s around peak performance and =0.25 averaged over 5 s was achieved, with Pin = 33 MW.
これはガチ三重水素の結果
思ったよりも低い気がするmasaharu.icon
え?20年でそこまで変わってない?