料理の四面体
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関連: 自炊を構造主義から学んでいくことで最強になりたい, 〈フランス料理という考え方〉について|樋口直哉(TravelingFoodLab.)
https://www.amazon.co.jp/料理の四面体-中公文庫-玉村-豊男/dp/4122052831
https://gyazo.com/52a423ee7dc97722ba6dc6518f2807ae
k3ntar0.iconに教えてもらって町屋においたまま、結局あんまり読まなかった...
今になってかなり読んでいる、"料理を読む"というのはかなり面白い
ワイン会でもかなりお世話になったtkgshn.icon*3
「料理の四面体」要約|L'homme de blé
簡単に言えば、あらゆる料理に共通する原理を示した本です。
レシピ本から帰納的に料理を覚えることの限界を問題意識とし
イッパツで料理の一般原理を発見し、それを知ったらあとは糸を紡ぐように引けば引くだけ次から次へと料理のレパートリーが無限に出てくる……というような方法がないものだろうか。
まさに求めてたものtkgshn.icon*3
私は小学生ごろから菓子を作ることに興味があって、レシピ本にお小遣いをつぎ込んだ時期がありました。しかししばらくして気がついたことには、どれだけ本があっても自分の中で体系化できなければ、本に書かれていること以上のことはできない、ということでした。
スキルとしての料理だな
要約
ソースは語源である塩に始まり、もろもろの材料を得てレパートリーが増えた。
煮込み料理も煮詰めたものをかければソースの料理となる。
ブフ・ブルギニョンは(1)マリネ(2)リソレ(3)長時間煮て途中で野菜を加えるのプロセスで簡略化できる。
同じ方法論は日本の“すっぽん煮”に体裁をととのえることができ、薩摩のとんこつ然りである。細部を改良すれば、豚の生姜焼きになる。共通点をたどれば各種の料理は、実はひとつの同じ料理である。
ローストとグリルとは直火にかざす点で一致し、違いは火からの距離の差である。途中に水や油を介在させない直火による調理法には必然的に空気が働きかける。その度合いにより、直火にいちばん近いグリル、火から遠ざかったロースト、火から遠く離れたくんせいと来て、果ては太陽を熱源とする干物に到達する。
ロースト: 時間をかけて食材を加熱
野菜も水も使わない
グリル: 直火焼き
e.g., BBQ, 焼肉, 焼き鳥
干物
“揚げる”という基本的調理法はどれも同じで、下ごしらえの材料によって料理の名称が変化する。英語の”フライ”には、火の熱を油脂に伝え、その油脂の熱で材料を調理する点で、“炒める”も含む。中国人は油と水の分量を按配し、鍋ひとつで様々な調理法を操る。一滴の油が鍋いっぱいの海になるまでの過程で、さまざまの材料がさまざまに異なるかたちに変化していくさまを連続的に眺めることができる。
料理を意味するフランス語の“キュジンヌCUISINE”や英語の“クッキングCOOKING”は、加熱を語源とする。その点で火を通さないものは“料理以前”のものである。サラダは材料を調味料で和えたものであり、刺身は素材を別々に盛り付けたサラダである。そのまま食卓に出すこともできれば、そこから加熱して新たに料理を始める“下ごしらえ”にもなる。
食べかたのスタイルの違いはあれど、ポトフーもポタージュも、あるいは茹で肉もスープも、出生は同じである。“煮る(茹でる)”ことで火の熱を水に伝え、その水の中で材料を変化させる点でシチューも“炊く”も同じ姿を呈する。水や介在度を少なくすると“煎る”、“焦げる”と変化する。“蒸す”は煮るに近しいが、空気が介在する。
#構造主義