技能の決定
『能力値』とともにキャラクターを表現するための指標が『技能』です。技能は、簡単にいえばキャラクターの修得している技術や特殊な能力です。
技能は主にキャラクタータイプによって決定されることになります。第2節で決定した『能力値』は個人の資質を表現し、ここで解説される技能は、個人の人生経験を反映しているとも言えます。
技能の区分
技能は大きく分けて『一般技能』と『専門技能』に分かれます。一般技能は主として、専門の勉強をせずとも、経験や長年のカンで習得出来る種類のものです。これに対して、専門技能は本を読んだり、他人から教育を受けるといった過程が習得に必要となる技能群です。
一般技能を使う作業は、習得していなくても、もって生まれた能力だけで何とかなるかもしれません。しかし、専門技能は習得していなかった場合は、ほとんどその作業に対して手も足も出ないことになります。具体的には行動の判定の際に、マイナスの修正が付加されることになります。
さらに、専門技能には『分野技能』と呼ばれるタイプの技能が存在します。分野技能とは、ある特定の分野において、互いに共通する部分を持つ複数の技能をひとまとめにしたものです。分野技能においては、専門技能におけるマイナス修正の付加の仕方が特殊なものとなります。
技能の記述
『蒸気爆発野郎!』において、技能は『ベース能力値』と『レベル』によって管理されます。各技能には、ベース能力値と呼ばれる技能を使用するための基本となる能力値(または複数の能力値の組み合わせ)が用意されています。キャラクターシートに技能の情報を記入する際には、ベース能力値も併記してください。
『レベル』は、技能が社会的にどの程度の意味を持つものであるかを表現するためのものです。これは『技能評価』と呼ばれます。技能評価は以下のように定義されています。
table:技能評価表
レベル 評価
0 素人。専門的な事柄に対しての判断は出来ない。
1 その分野について何らかの基本的知識を噛ったことがある。
2 その分野の正式な教育過程で修業中程度。
3 その分野で経験が薄いながらも実務をこなせる程度。
4 一通りの仕事をこなすことが出来る。駆け出しのプロ。
5 きちんと様々な手順を把握しているプロ。
6 安定して仕事を行うことの出来るプロ。
7 その分野で他人を教育出来る。一線で活躍する多くのプロ。
8 多くの弟子を抱えて仕事のできる、経験を積んだプロ。
9 突然の難しい問題に対しても適切な対策を取れるプロ。
10 その分野で名が知られている。上位にランクされるプロ。
11 同業者からも尊敬される。一流のプロ。
12 同業者で知らない人はいない。超一流のプロ。
13 その分野での世界的トップレベル。歴史に残るだろう。
どの程度のレベルが必要か?
修得した技能で日々の業務をこなし、プロフェッショナルとして安定した生活をしているキャラクターは、6レベルから10レベルまでの範囲になります。プレイヤーキャラクターは4レベルですから、表に従えば駆け出しのプロ程度であるといえます。つまり、現代でいえば大学を卒業した程度の技能を修得していることになります。勿論キャラクターは今後研鑽を積み、成長をしていくでしょう。逆に、もっと年長のキャラクターを扱う際には相応しい成長を行なわせる必要があるでしょう。
キャラクターの技能の決定
キャラクタータイプを決定することは、キャラクターの特徴を決定することでもあります。それは主にキャラクターの技能の選択に依存します。技能の決定を行うことで、同じキャラクタータイプでも、キャラクターによって得意な面、不得意な面などの個性が出てきます。キャラクターの持つ技能を決定する手続きは、キャラクタータイプの解説を参照しつつ行って下さい。
キャラクタータイプの解説には二種類の技能が挙げられています。主要技能と選択技能です。主要技能と選択技能のそれぞれの技能レベルを決定するための手続きは以下を参照して下さい。
1.主要技能レベルの決定
主要技能のレベルは年齢で決定されます。以下の表で示されるレベルを上限として自由に決定することが出来ます。
table:主要技能レベルの決定表
年齢 主要技能レベル
10-13 3
14-17 4
18-21 5
22-25 6
26-33 7
34-41 8
42-49 9
50以上 10
2.選択技能レベルの決定
選択技能リストに挙げられているものの内から、キャラクターの特徴としてそれぞれ任意に技能を選択します。
プレイヤーはキャラクターを作成するためには、総計15ポイントを選択技能に対して自由に割り振ることが出来ます。ただし、キャラクター作成時の選択技能の最高レベルは、主要技能のレベル未満でなくてはなりません。
さらに個人の経験を反映するために「自由成長」という技能選択の機会が残されています。これは次の節の「自由成長の設定」を確認してください。 それぞれの技能についての個別の解説は、この章の最終節「技能詳解」にあります。 基本技能リスト
以下はこのゲームで用いられる基本技能の全リストです。
『・』付きのものは分野技能です。分野技能には同じベース能力値を用います。
『*』付きのものは、専門技能であり、技能を習得していない場合は、-4のペナルティーを受けます。
table:基本技能リスト
技能名 ベース能力値
威圧 【精】
医術 【知】*
裏社会 【知】*
演技 【(感+精)/2】
エンジニア 【(知+感)/2】*
・園芸
・鍛冶
・建築
・地勢学
・爆破
遠投 【(体+操)/2】
応急手当 【(知+感)/2】*
外国語 【(知+感)/2】*
・言語を指定のこと
開錠 【操】
科学 【知】*
・化学
・生物学
・博物学
・物理学
隠す隠れる 【感】
格闘 【(体+運)/2】
軽業 【運】
鑑定 【感】
教養 【知】*
・考古学
・神学
・心理学
・地理学
・文学
・歴史学
芸術 【感】*
・音楽
・絵画
・詩作
・彫刻
検索 【(知+感)/2】
交渉術 【(知+精)/2】*
コネクション 【(知+感+精)/3】*
雑用 【精】
・家事一般
・事務一般
サバイバル 【(体+精)/2】
・都市
・辺境
射撃術 【感】*
・拳銃
・ライフル
・ショットガン
社交 【(知+感)/2】
写真 【(操+感)/2】*
重機械操作 【(知+操)/2】
乗馬 【運】
水泳 【運】
操縦 【操】*
・熱気球
・飛行船
・グライダー
操舵 【操】*
・船舶
・ボート
対人観察 【感】
対物観察 【感】
地域生活 【(知+感+精)/3】*
・倫敦中心部
・シティ周辺
・ハイドパーク周辺
・ウェストミンスター周辺
・倫敦北西部
・倫敦北部
・テムズ南岸部
・イーストエンド
地図製作 【感】
調理 【(操+感)/2】
追跡 【感】
取り引き 【(知+感)/2】
投げ 【(感+操)/2】
・ナイフ投げ
・ダーツ
・投石
盗み 【操】
パーム 【操】
白兵戦 【(体+操)/2】*
・片手武器
・ナイフ
・両手武器
馬車運転 【操】
発明的能力 【感】*
ぺてん 【(知+感+精)/3】
変装 【(精+感)/2】
法律 【知】*
メカニック 【(知+操)/2】*
・時計工
・電気機械
・蒸気機関
・導引機械
流行感知 【感】
キャラクターシートへの記入例
それでは主要技能と選択技能からいくつかの技能をキャラクターシートに転記していきましょう。主要技能は年齢によってレベルが決まりますので、特に迷うことはないでしょう。選択技能も年齢からポイントを決定されます。このキャラクターは44歳ですので、15ポイントを割り振ることができます。高いレベルを少数取得するか、低いレベルをまんべんなく取るかで迷いますが、ここでは「エンジニアリング」と「重機械操作」の2つに全振りしてみました。
ここまでの手続きで、キャラクターシートは以下のようになっています。
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