p2025-04-16
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DR.icon全員が結論に心から納得することは理想的だが大規模社会では困難であり、現実には手続きへの信頼に基づく「合意感」を共有することが重要となる
DR.icon地域まちづくりの合意形成では、どんなに理論上最適な結論でも、住民が参加し納得できなければ実効性が乏しい。むしろ不完全でも参加者全員が手続きを通じ「自分たちで決めた」と思えることが重要
手続きの公平・透明性への信頼が結果受容を容易にする
情報科学技術が発展した今日、人間には熟慮・熟議が困難な事態がたびたび起きるようになった。その原因の一つは、情報爆発や社会のボーダーレス化により、意思決定に関わる要因・影響にさまざまな可能性が生じ、その広がりが人間の頭では考えられないほどになってしまったことである。しかも、激化する競争環境において、意思決定にますますスピードが求められるようになり、要因・影響の可能性を十分に考えきれないまま意思決定をせねばならない状況が頻繁に発生する。また、別な側面から考えられるもう一つの原因は、この状況において、悪意・扇動意図を持って、他者の意思決定に影響を与えるような情報操作が容易になってしまったことである。
経済学で言う「社会的信用」や政治学で言う「正当性資本」に近いものとして、納得感の蓄積は公共財的性質を持つ。 権力者がそれを蔑ろにすれば市民の協力という社会的資本を食いつぶすことになり、長期的には統治のコストが跳ね上がる。 一方、丁寧な対話や説明で納得感を得るプロセスを踏めば、たとえ痛みを伴う政策でも社会に受け入れられやすくなる。
昨今の例では、新型コロナ対策や大規模開発の意思決定で、政府・行政が専門家の意見を押し付けるだけでは反発を生み、かえって実効性が下がるケースが見られた。これは納得感というコモンズを軽視した結果と言えるだろう。
なるほどなnishio.icon
「納得感」が社会的リソースであり、社会の安定に寄与する
であるなら、生み出して配ることは良いことなのではないか?nishio.icon
この議論は「はっぱが幸福感を生み出す場合に、国民にはっぱを配ることは幸福の総量を増やす行為であり、善なのでは?」と関連を感じる
In a recent report, the think tank Rand Corporation raised concerns about national security based on the extensive use of AI and manipulation of social media by foreign adversaries of the United States, including the armed wing of the Chinese Communist Party.
The Rand report noted, for instance, that AI will use an army of bots—software applications that can perform repetitive tasks—to create the illusion of consensus on an issue, which is called "astroturfing."
シンクタンクのランド研究所は最近の報告書で、中国共産党の武装部門を含む米国の敵対者によるAIの広範な使用とソーシャルメディアの操作に基づく国家安全保障に関する懸念を提起しました。ランド研究所の報告書は、例えば、AIはボット(反復的なタスクを実行できるソフトウェアアプリケーション)の軍隊を使用して、問題に関するコンセンサスの錯覚を作り出すと指摘しています。これは「アストロターフィング」と呼ばれています。
SNSのアルゴリズムはユーザーの好む情報を優先的に表示するため、各人が自分と似た意見ばかり目にする「エコーチャンバー」を作り出す。結果、「自分の考えは大勢に共有されているに違いない」という偽のコンセンサス効果が生じやすくなる 各人が異なる幻想上の「合意された世論」を抱え込む結果、社会全体ではむしろ分断が深まるという逆説的な事態
AIそのものも、中立なファシリテーターではなく幻想を増幅し得る点に注意が必要だ。近年普及した大規模言語モデル(LLM)を含むAIは、膨大な過去データから「もっともらしい」回答を生成する。しかしそれは往々にして支配的なNarrative(物語)をなぞる傾向があり、多様な観点を平滑化してしまう。 2025-04-16 17:00-18:00
2025-04-17 10:00-12:00