米田の補題の証明
米田の補題の証明
定理再掲
$ \mathscr{A}を局所的に小さな圏とすると、
$ [\mathscr{A}^\mathrm{op},\mathrm{Set}](H_A, X)\cong X(A) -- (*)
が$ A\in\mathscr{A} と$ X\in[\mathscr{A}^\mathrm{op},\mathrm{Set}] について自然に成り立つ
証明の概略
(*)の両辺が2つの変数$ A,Xに対して関手的であることを示せばいい
つまり、(*)を$ \spades\cong\heartsと書くと、
$ (A,X)\mapsto \spadesという関手と、
$ \:(A,X)\mapsto\heartsという関手
この2つの関手が自然同型であることを示せばいい
そのために、まず各$ A,Xに対し、$ \spades,\hearts間の全単射を定義する
そのために、
①写像$ \spades\to \heartsを定義し、
②写像$ \spades\leftarrow\heartsを定義し、
③$ \spades\circ\hearts= \mathrm{Id}であり
④$ \hearts\circ \spades=\mathrm{Id}である
ことを示す必要がある
次に、この全単射が各$ A,Xに対して自然であることを示す
そのためには以下の2つを示さなねばならないが
⑤-1: ①が自然
⑤-2: ②が自然
自然変換の各成分が同型射のとき、その自然変換は同型を使うことで片方で済むの で前者を示す
そのためにはまず準備として
⓪-1$ (A,X)\to \spadesが本当に関手になっているのかという確認
⓪-2$ (A,X)\to\heartsが本当に関手になっているのかという確認
もしておきたい
証明
ベシ圏の証明をなぞっており、初見でわかりづらかった箇所の補足を大量にしたメモなので、形式的な証明自体は本を読んだほうがいいmrsekut.icon
米田の補題の証明の準備 ⓪-1, ⓪-2
米田の補題の証明 ①~②
米田の補題の証明 ③~④
米田の補題の証明 ⑤
参考
ベシ圏 pp.115-119
圏論入門のよりこちらの方が流れがわかりやすかった
『圏論入門』 pp.249-253
前層版、余前層版の両方が載っている