陰翳礼讃
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谷崎潤一郎角川ソフィア文庫2024読了
けれども前にも述べたように、われわれ東洋人は何でもないところに陰翳を生ぜしめて、 美を創造するのである。「掻き寄せて結べば柴の庵なり解くればもとの野原なりけり」という古歌があるが、われわれの思索のしかたはとかくそういう風であって、 美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える。 夜光の珠も暗中に置けば光彩を放つが、 白日の下に曝せば宝石の魅力を失うごとく、 陰翳の作用を離れて美はないと思う。陰翳礼讃 谷崎潤一郎・34ページ
「西洋人は......絶えず明るさを求めていき、わずかな蔭をも払い除けようと苦心をする」。谷崎はそう書く。しかし、そんなことはない。 「西洋人」 が本気でそんな 「苦心」 をしはじめたのは、たいそう新しい現象である。モダンデザインの建築家たちは、 新しい技術で組積造から解放されることを、よろこんだ。 大きな開口部がもうけられることも、うれしがっている。 だが、 その開放性を西洋建築の全般的な属性だとみなすことは、できない。陰翳礼讃 谷崎潤一郎解説 井上章一159ページ
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