瞑想
私が学んだもう1つの方法は、 毎日少なくとも1時間、目を閉じてただ座ることだ。 何が起こっても身をゆだねる―――まったく何の努力もしない。 従う努力も、抗う努力もしない。 雑念が飛び交っていたら、飛び交うままにしておく。 / 君のこれまでの人生にはいろんなことがあった。 よいこともあれば、 悪いこともあって、君はそのほとんどを処理して消化してきたけれど、 君にとりついて離れないものもある。時が経つにつれて、とりつくものがどんどん増えて、 船底に張りついたフジツボのようになる。 / 君は子どもの頃に持っていた驚異の念や、今ここに在る幸福感を失ってしまっている。 なぜ内面の幸福を失ったかというと、解消されない苦痛や過失、 恐怖、欲望がフジツボのようにとりついて、 それが君の人格になっているからだ。 / どうしたらフジツボを取り除けるだろう? 瞑想して、心に抗わずにただ座る。 すると雑念がどんどん湧いてくる。子どもの頃からずっと返信していない、巨大なメールの受信箱みたいだ。 雑念は一つひとつ湧き上がってきて、それに向き合わざるを得なくなる。 解消せざるを得なくなる。 / 解消するといっても、君はとくに何も行動を起こす必要はない――ただ観察するだけでいい。 君はもう大人で、 過去の出来事から距離と時間と空間を置いているから、何もしなくても解消できる。 前よりずっと客観的にとらえられるようになっている。 / そうするうちに、頭の中に居すわっていた物事がどんどん解消される。 そしてすべてが解消され たとき、いつものように座って瞑想しようとすると、頭の中の 「受信箱ゼロ」に気づく日がやってくるんだ。頭の中の受信箱を開いてそこに何も入っていないことを知るのは、 本当に素晴らしい感覚だ。 / それは歓喜と至福と平安の状態だ。 その状態が一度手に入ったら、 もう手放したくなくなるよ。 毎朝ただ座って目を閉じるだけで得られる歓喜と解放の1時間は、千金にも値する。 人生が変わる。 エリック・ジョーゲンソン. シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント 194ページ
瞑想に1時間??? 一般的に瞑想は効果はあるけど、だいたい20分か30分もすれば十分と言われている。それがこんなこと言われたら毎日1時間の瞑想。やってみたくなる。
私が毎朝1時間の瞑想を勧めるのは、 それより短いと本当に深い瞑想ができないからだ。君が本気で瞑想を試したいなら、 朝一番の1時間の瞑想を60日続けてみよう。 60日ほど経つと、 心の声を聞くのに飽きてくる。そしてその頃には問題の多くを解消しているか、何度もくり返し聞くうちに、 そこにどんな恐怖や懸念が潜んでいるかを見抜いているはずだ。 / 瞑想は難しくないよ。 ただ何もせずに座るだけでいいんだ。 腰を落ち着けて座るだけ。 目を閉じてこう言い聞かせる。 「自分に1時間の休みを与えるぞ。 この1時間は人生の休みだ。 何もしない 1時間だ」 / そしてこう言う。「雑念が浮かんだら、浮かぶままにしておこう。抗わない。受け入れようとしない。考え込まない。 退けない。 ただ目を閉じて1時間座っていよう、何もせずに」 / 難しいことじゃないだろう? 1時間何もせずに過ごせるだろう? 自分に1時間の休みを与えるのは難しくないだろう?エリック・ジョーゲンソン. シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント 194ページ195ページ
普通だったら「スッキリ」するために20分くらいの瞑想を生活に取り入れるんだけど、ラヴィカントは極端で、「受信箱ゼロ」にするために1時間、それも毎日やる。忙しいのに、いや、忙しいからか? この極端さとスッキリのブレンドが気持ち悪くて気持ちいいという感じ。
瞑想のコツ
①瞑想しようとしない。瞑想というと途端にハードルがあがる。「何もしない」のが目的だし、要はスマホ=SNSから離れる時間が作れればそれだけで「ほぼ上手くいった」状態なので、まずは瞑想ではなく「スマホ持たずに散歩に行く」とか銭湯に行くのがおすすめ。
②短くする。10分瞑想でも最初は長いと思う。5分でいいから、ポモドーロの休憩時間に瞑想してみる。5分でも永劫のような長さに感じられる。「長いな」と感じることが大事。「5分てこんな長いんだ」という感動を味わう。
③小さなノートを持ち歩く。スマホがない場所に強制的に行くと「何もしない」瞑想に近づくが、頭にいろいろなことが思い浮かぶ。最初はこれを物理的に書き残していくのも個人的にはいいことだと思ってる。そうやってるとだんだん「書くこと」がなくなる。心の「受信箱ゼロ」状態に近づきやすくなるよ。
④お香を炊く。瞑想時のスイッチングアイテム。「今、これから瞑想だ」と頭に覚えさせる。単純にリラックス効果も高いし。定番らしいけど、NAG CHAMPAのお香を使ってる。燃焼時間が長いし、香りの強さがちょうどいい感じ。
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⑤何もしない+αを意識する。瞑想は「何もしない」状態が大事だけれど、いきなり「何もしない」が難しければ、まずは静かな音楽をずっと聴くだけとか、ぼーっと空や木を眺める、バードウォッチングをしてみるなど、「何もしない」よりは「何かしてる」けれど、だいぶすることが少ないアクティビティで練習する。慣れてきたら本当に何もしない。
⑥ADHDなど「落ち着きがない」「集中できない」ため瞑想がなかなか難しいタイプの人は↑の「何かしてる」を複数持っておくといい。1つ「何か」をしていて、集中できなくなったら、他の何かをする。完璧な瞑想や完全な「静」、「無」、「不動」を実現する必要は必ずしもない。SNSから5分離れただけでも大したものだし、めちゃくちゃ効果がある。座ってできない人は歩きながらでもいい。一秒でも集中できる時間が伸びたら、それだけで莫大な利益がある。
⑦集中できないことを気に病まない。構成作家の藤井青銅曰く、どれだけトークが上手い人でも7分で一区切りするのだそう。つまり、どれだけおもしろい話を聞いているときでも、人間は7分間しか「集中」できない。なので「できない」ことを気に病まない。
⑧記録をつける。これは何の習慣についても言えることかもしれないが、実行したらどれくらい実行したかと、実行して得た気づきを記録しておく。うまくいったときはうまくいった理由を、うまくいかなかったときはうまくいかなかった理由を考える。
⑨とにかくスマホを手放す。スマホが近くにあるだけで集中できない。タイマーを設定したくなるが、スマホ以外のものを購入することをすすめる。