人格
ただし、ここで注意しておきたいのは、それが同時に、 「仮面」の背後で、 その 「仮面」 を操っている自分、つまり、「演技」している本当の自分 (内面)という信憑を作り出していく過程でもあったという点です。 もちろん、「仮面」が機能しているあいだは「内面」が前景化してくることはありません。 が、 ひとたび「仮面」に綻びが生じ、それが他者からの承認を得られなくなってしまえば話は違います。 その時に発見されたのが、 「仮面」の綻びを「内面」の真実で言い訳したいという欲望、つまり、 「自己表現」 の欲望でした。 反戦後論 浜崎洋介・34ページ