何もしない
30分くらいソファーに体を預けて、テレビや音楽、インターネットを遮断し、窓から外の風景をなんとなく見ながら自分の中で思いを巡らせる。 つまり、 なんにもしない。 身体的にはソファーに座って動かない状態だが、頭の中は緩やかに動いている。本当は、 禅の「無の境地」 というのが望ましいのかもしれないが、私はまだ到底できないので、 自分の中でグルグルと思いを巡らせている。 インプットもアウトプットもしない時間を持つというのは、自分自身の内部のバランスを取り戻す意味でとても心地よいものだ。 「何もしない」という贅沢な時間の過ごし方を知った。モノが少ないと快適に働ける / 土橋正 152ページ
時間にはインプットの時間とアウトプットの時間と何もしない時間の3つがある。
いつも頭の中で次のことや、その次のこと、またその次のことを考えつづけているのが、不安感の元凶なんだ。 / 君も何もせずただ座っているだけの時間をつくってみれば、よくわかるはずだ。本当に何もせず、つまり本も読まず、音楽も聴かず、文字通りただ座ってみよう。きっと君は座っていられない。不安に駆られて、すぐに立ち上がってどこかに行きたくなるはずだ。  不安のせいで不幸になっているのに気づくことが大切だ。不安は頭の中をめぐっている雑念に過ぎない。 /不安と戦う方法。不安に抗おうとせず、雑念のせいで不安になっていることをただ認める。シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント / エリック・ジョーゲンソン 154ページ
前に読んだブレーズ・パスカルの本に、こんな一文があった。 「人間のあらゆる問題は、一人で部屋に静かに座っていられないことから生じる」 もし30分間満ち足りた気持ちで座っていられるなら、君は成功者だ。これはとても強力な境地だけれど、 そこに達する人はとても少ないんだ。シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント / エリック・ジョーゲンソン 161ページ
英語だとDoing Nothing。「ナッシングをする」。
ナヴァル・ラヴィカントは毎日、瞑想を1時間以上するらしい。何するのかというと「何もしない」だと。
みなが1日24時間しかない、なんとかこれを25時間、26時間にできないかと悩んでるところ、ナヴァルは毎日1時間何もせずに1日を23時間にしようとしてる。すごいなと。
でも、要するに今って既に「本当は1日24時間なのに48時間とか72時間を社会がつっこんできてる」状態だし、常に何かをする状態になっているので、「何かをする」=なんかしらの興奮を得る時間の希少性が下がり、「何もしない」=刺激がない時間の希少性が高まってる。
別の言い方をすると「何もしない」という刺激(刺激がないという刺激)のほうが刺激的になってしまってる。
感作があるので、ずっと「何かをする」=刺激がある状態だと、何にも感じなくなっていってしまう。
「何もしない」時間をたくさん取ることで、刺激を感じやすくなる。逆説的だが何もしない時間を設けたほうが1日が濃くなる。
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ジェニー・オデル (著), Jenny Odell (著), 竹内 要江 (翻訳)