ネイビーズアフロ
1つのスタイルを確立している場合も同様です。 一例を挙げるとネイビーズアフロ。 僕は2人の漫才が大好きですし、寄席でもウケていますが、 M-1では今ひとつ結果が出ていません。 彼らは、すでに確立したスタイルばかりやってしまうという落とし穴にハマっているんやないかと思っています。 ボケのみながわくんがイライラさせるようなシビアな考え方をする。 もともとは、それが真新しくて面白かったんですけど、そういうネタばかり作っている印象があります。 個人的には、もう少し違う角度のネタを作って、 そのなかに突然彼らのスタイルを織り交ぜるほうが、 笑いの打点が上がるんやないかなと思っています。 ネイビーズアフロが本当に面白いことができるコンビなのはたしかです。 だからこそ思い切って全然違う形に挑戦したらいいのになと思います。答え合わせ 石田明 101ページ
粗品が「おもんない」芸人としてたびたび言及するお笑いコンビ。そんなおもんないのか、どんなおもんないんじゃ、おもんないエミュレーターって項目まで立ててる自分からすると、興味がつきないしおもんないのがおもろいのでは?と思ったがほんまもん。マジで芯からおもんない奴だった。
https://youtu.be/Qn0wMR4k_zk?si=txb77-9Rufq2ZgIr
まずネタに入るまでがやたら長い。最初の笑いまで、笑いの初速度低すぎるやろ。一分経過するまで一切ボケなし。それで出たボケが「みながわです」「それお前のセリフとちゃうか」のみ……。初笑いがはじりのコンパで緊張した表情って。
「ぼくが言うとおりのこと言ったら絶対に口説き落とせるから」と言うため「どんなセリフなんだろう」と期待してしまうのだが、まったく「口説きのテクニック」が披露されない。期待値コントロールが下手くそすぎる。
「芋ソーダ小xx梅干し入りの人」「しぼりすぎちゃう?」。まず何て言ってるのかわからない。「絞りすぎ」の具体例としてわかりにくいし聞き取りにくい。
ナレーションでアテレコする感じなのは、麒麟の川島のマネみたいでちょっとなあ.....。他人の芸風をリスペクトなく無断でパクってる感ある。
結局、どっち方向なの?がわからない。まず最初に振られた話として「皆川の言う通りにしたらはじりもコンパでモテる」ってことなので、皆川のセリフは「モテ」のはずだが「そうじゃない」ってことを期待するのだが、そこに「おもろい」セリフを言うけど「モテない」って発言を持ってきてるつもりになってるが、実際には「おもんない」セリフでしかないので、「おもんないしモテないセリフをなぜか言わされて訂正したりされたりしてる人」を見せられてる図、になってる。
しかも、その大事なところで噛むっていう......。噛むのはある程度仕方ないけど、そこは見せどころやろ。
「嫌われるわ!こんなボケたら!まだテーブルの上に何もないで?!」ってツッコミなのだが、これもわかりにくい。ボケが多いから嫌われるんじゃない。これが「おもろい」だと思ってる、寒いやつだから嫌われるのであって......。「おもしろい人はモテると俺のデータでは」「いや、ちょっとやりすぎやと思うけど……」。いや、おもんないねん!!!!おもんないから「おもんない」のに「おもろいこと言うてる人」な演技ってことになってるから聞き手との間に会場とのコンセンサスをつくるのができてないのよ。
「嫌われるて!嫌われるというか嫌いや俺が!」。会場としても「こんなやつ嫌いや」という感情は共有できてる。ところが、その嫌いな理由が「普段の俺と違いすぎるのよ」。みんなが感じてることは言語化しないので、視聴者は引っかかったままになってしまう。
「コンパでこんなきもいやつにこんな尺くれるか!」ってツッコミなんだけど、それを言うならこんなおもんない漫才にこんなに尺くれるか!って感じ。
このネタの本質的な「おもんなさ」。「おもろいこと言ってコンパでモテようとするが実際にはおもんないものを見せられる」のが「おもろい」、を見せたいのだが、実際にはそれは「長々と交互に同じセリフを言い合う、尺が二倍になった”おもんない”をただただ見せられる」不愉快にしかなってない「おもんなさ」でしかない。
実際に見せられてるのは単なる「おもんない」なのに「おもろいと思っておもんないを見せてる人っておもろいやろ?」って主張していて、それってつまり今のネイビーズアフロそのものなのだが、それをおもろいと言えやって言ってるのと等しい。「おれたち(おもんないけどおもろいと思ってそう言ってるの)おもろいやろ?」だけしかない芸人、最初から「おもろい」を何もしてない。だから不愉快ですらあるのだ。
漫才も単純に下手すぎるよ。よくコントや漫才の最中に相方に笑っちゃう芸人はかわいいとか「すこ.....」って言われるけど、それはそれくらい相手がおもしろくて「好き」なやつだってことを視聴者も同意してるからで。はじりの発言の何がおもしろいのかわからん、まったくおもしろくないのに「相方と漫才やってておもしろくなってしまって笑ってしまった、っておもろいやろ?」だけを見せられるから「おもろいではなく不愉快」になる。
そうやってみるとネイビーズアフロのこのネタはそんな「お笑いのガワ」だけでできてることがわかる。「お笑いっぽい空気」で「笑う」のが好きな「わかってない」人のためのネタ、芸人。粗品が嫌うのも納得としか言いようがない.....。
https://youtu.be/v2mqSDDJUnA?si=4pkfv9Kl3gJf0_Rx
まずなんで最初で噛むねん......。噛むのは仕方ないけど、なんでその動画あげた? とりなおせや。マジで。やる気ないやろ。「編集点つくらなあかん」みたいなメタネタがおもしろいと思ってるのもさあ......。
このネタも千鳥が全く同じ設定でやってましたよね。しかも千鳥の場合は非常にしつこいし、クセをつくってるのでおもしろいんだけど、ネイビーズアフロのそれはただただ「真犯人」と言ってるのでそんなにおもしろくない。っていうか、この手のボケ、まず「犯人だって疑うんだろうな」って視聴者はわかっているので、どれだけ「おもしろをためるか」、その「タメ」と、演者としての演技の力量がそのまま笑いになるのだけど、それがなってないから、めっちゃつまんない。
しかも「(お前が真犯人だと言ったのは)冗談だ」って言ってしまったことによって、この教師は「真犯人だと言うのは悪いことだ」とわかってるって意味になってしまってるし、「言い間違いやボケではなく、そんな冗談を言ってもいいと思ってる先生だ」って意味になってしまってる。これは「熱血先生」という当初のキャラ設定ではないので、視聴者からすると「どういうものとして見たらいいのかがわからない」。
急にa hold me tightというソラミミネタを入れてくるんだけど、「アホみたい」がa hold me tightに聞こえるって、そんな古典的なネタを令和の芸人がすなよ.....。ここでこのボケを入れる必然性も特にないし、シチュエーションは「皆川が思いついたネタをまとめる単なる入れ物」にしかなってないので笑いの強度や「このネタが特に好き」という嗜好性を持たせなくしてる。
「熱血教師のはずが、実際には全然トンチンカンなことを言ってるやつ」を演じたいのだろうが、実際には「単によくいるイヤでうざい先生」になってる。これはコンパネタでも同じだが「単に嫌なキモくてウザいだけの人間を見せてる」のを「おもしろい」だと言い張られても、何もおもしろくはないっていう。
「今のは冗談だ」を連呼しすぎているので、この先生の「本当」がどこにあるのか見えにくい。自分のことしか考えてない発言を何度も言っては「今のは冗談だ」と言う人間。相手は傷ついてるのに。それ自体が「冗談になってない」ので「今のは冗談だ」に首をかしげてしまう。
コント設定の漫才なのではなく、完全にコントになってる。はじりはツッコミではなく、ずっと不良の生徒を演じているので「自分のことだけやろ!」などと言って怒ってるだけになってる。ツッコミなら「ちょっとちょっと.....皆川さん、ちゃんとやってくださいよ」「ああ、そうか」「わかりましたか」「わかりました」みたいにコントの外にでるので。一度も外に出てないので、単に「本当に給食費を盗んだと疑われている不良に今のは冗談だを連呼しつつ、ただただひどいことを言う教師」を見せられてるだけ。