関節リウマチ RA
<Qアシ>20231114
何らかの自己免疫反応による慢性的な関節の炎症
※全身の結合組織にも病変をきたしうる。
➀滑膜の炎症
滑膜が血管新生を起こしながら増殖→関節痛
②軟骨や骨が破壊
滑膜が肉芽組織(=パンヌス<過去問21>20231122)を形成→骨・軟骨組織を侵食
※滑膜細胞がMMP3を産生
③関節の破壊
癒着・骨性強直などの関節変形
【臨床像】
好発:30~50歳代の女性(男性がでてきたらそれを中心に覚える)
関節症状
左右対称性の手・膝・肘関節の腫脹、疼痛、朝のこわばり(DIP関節/仙腸関節は障害されにくい)
【関節の変形】
手指:リウマチ性母指変形、ボタン穴変形、スワンネック変形、尺側変位
中足部:偏平足変形
後足部:足関節障害
股関節:臼底突出症
小関節の腫脹がより高頻度<過去問21>20231122
関節外症状
皮下結節(特に肘)、倦怠感、体重減少
【代表的な合併症】※腎障害は起こしにくい
【検査】
血液:
リウマトイド因子RF(+)(RA以外でも=特異度は低い)
抗CCP抗体(+)(特異度高い)
CRP↑
補体→/
貧血
MMP3↑(予後予測、治療効果を調べる)
関節液:好中球↑、蛋白↑、糖↓、粘稠性↓(∵ヒアルロン酸↓)、補体↓(免疫複合体となるため。血液中とは反対なので注意)
病理:リンパ球を主体とする炎症細胞浸潤、滑膜細胞の多層化、絨毛状増殖、血管新生、軟骨骨破壊パンヌス<過去問21>20231123
関節X線:左右対称性、骨びらん、関節裂隙の狭小化、骨破壊(関節部より始まる) ※MRI、超音波なども滑膜病変の評価に有用。(早期でもわかる!)
【治療】
メトトレキサートは腎機能低下している患者には注意
効果不十分であれば生物学的製剤を使用
症状を抑える目的でNSAIDs、ステロイド(抗リウマチ薬ではない、痛みが強いとき)
【抗リウマチ薬DMARDsと薬物療法の大まかな流れ】
TNF-α阻害薬(6種類)→インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ。エタネルセプト JAK阻害薬(5種類・内服)
※TNF-α、IL-6は炎症性サイトカイン
RAと診断→MTX開始→+ csDMARDs→+ bDMARDs
※MTX禁忌例→ → → → ↑
妊婦、授産婦や骨髄抑制のある患者、高度の肝障害、腎障害、呼吸器障害など
手術
リハビリ
<鑑別>
アミロイドーシス:コントロール不良のリウマチが5〜10年経過すると発症する。ネフローゼ症候群とGFR低下。心臓、肝臓、消化管の障害。→リウマチ治療の強化 悪性関節リウマチに伴う血管炎:GFR低下。皮膚潰瘍や発熱などの全身症状。→高用量ステロイドを含む免疫抑制療法 たまたま合併した別の腎臓病:悪性腫瘍に伴う膜性腎症
【検査】
【お話➀】111I58
女性。主訴が関節痛。両側(対称性)の腫脹と疼痛。
→関節リウマチ疑い。
血清:RF↑(20未満)、抗CCP抗体↑(4.5未満)
→治療?
「挙児希望無し」妊娠有無の確認
「クレアチニン(0.5~0.9mg/dL)」腎機能check
「B肝、C肝、結核(-)」抗リウマチ薬は免疫抑制するため、感染症の確認
→MTX☕
【お話②】110I78
48歳女性。両側の関節痛。
→関節リウマチ疑い
血清:RF↑(20未満)、抗CCP抗体↑(4.5未満)
X線異常なし
→早期病変評価に有用な検査?
→関節MRI、関節超音波検査☕
【お話③】112C42
45歳女性。関節痛増悪。関節リウマチ。サラゾスルファピリジン(抗リウマチ薬)、NSAIDs、ステロイド処方。
2年前からMTX開始。3か月前に増量
→次に投与する薬剤?
→抗TNF-α抗体製剤☕
【お話④】108I71
42歳女性。発熱と乏尿。両側手指関節の腫脹と疼痛→2w前にNSAIDsの処方。
3日前から発熱と乏尿→腎?
→尿素窒素UN↑(9~20)、クレアチニンCr↑(0.5~0.9)
→NSAIDsによる急性腎障害→中止→解熱。
関節痛の原因は?→RF↑(20未満)、抗CCP抗体↑(4.5未満)、X線で関節にびらん
→RA→治療薬?Cr↑
→副腎皮質ステロイド(関節痛コントロール)☕
※MTXはまだ使えない。∵腎障害アリ。Crがもとに戻ってから。
【お話⑤】113D36
55歳女性。右膝関節痛。5年前に関節リウマチを発症、抗IL-6受容体抗体の投与でコントロール良好。
他の関節には腫脹・圧痛なし。
→初期対応は?鑑別する(関節炎の鑑別疾患:痛風、偽痛風、化膿性関節炎etc.)
→関節穿刺☕
【お話⑥】112D17
65歳女性。手指を伸ばせない。15年前に関節リウマチの診断、MTXとステロイドで治療中。写真の病態?
https://scrapbox.io/files/65540460ed9e7f001bee596f.jpg
→指伸筋腱断裂☕
※頸椎性脊髄症:左右対称
※手根管症候群:猿手になる
【お話⑦】
69歳女性。24歳の時に関節リウマチと診断、現在まで治療中。
数か月前から両手から上腕にかけてびりびりした感覚を自覚、増悪した。
現在の症状をきたす病変部位?
→頸椎(環椎亜脱臼)