『確率の哲学』(書籍)
著者
金子 裕介
一ノ瀬 正樹(監修)
構成の特徴
章 > 講 > 節の順に大きいが、それぞれが一貫して連続して採番してる。つまり、連番で unique になってる。
付録ごとに対応する節がある。(多対一)
紹介記事
https://assets.st-note.com/img/1661232271164-HzLuRxhK5j.jpg
第1章
第2講
行為
これの選択肢
事象
利害
利得の評価
関連領域
↑それぞれの用語に対応付けがある
table:terms
一般用語 意志決定理論 ゲーム理論
事象 occurance 生起事象 condition 結果 outcome*
行為、行為選択肢 option 行為 act 戦略 strategy
主体 subject、行為者 agent player
第2章「意思決定理論」
始祖
発展
最大期待効用原理
意思決定理論の構成
期待値計算
選択肢の評価
最大期待効用原理
選択肢の採択
疑義
賭けの構造
賭けで選択するのは(行為)選択肢であって、そこから連なる事象ではない
かさねて、事象を直に選んで賭けることはできない。
第3章
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なぜ客観説が成立する?
∵機構 (propensity) があるから by ポパー ref. 付録6 (pp. 148–151)
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ref. 付録7
平均しか分からない。個別の運動は不明。
平均と確率の違い
平均は過去と既知
確率は未来と未知
第4章
主観説
こっちを扱う
科学において有用性が実証されてる
ラムジーの主観説
数学的なモデルがあろうとも確率は主観的
行為・事象・確率の3つ組のうち、行為と事象から確率を見定める。
これも方程式かなwint.icon
第5章
意思決定理論の想定外
行為によって確率が変わり得るシチュエーション
正統派設定に反する
ギャンブルを念頭に置いてたため
第6章
事象のアスペクト変化の問題を解消できる
最初から条件付き確率を使えと思ってしまうwint.icon
微妙な解釈の問題があるらしいが、無視する
第7章
意思決定理論(ギャンブル理論)の限界
因果関係を捉えられない
人は全部が全部を確率的に思考してるワケでは ない ため。
ここで帰納論理
因果の類型
原因→結果
手段→目的
これは目的手段思考とは言わない
teleological thinking
目的に想定されない帰結が色々あり得るので
§119 まとめ、リスト35
確率論思考への 4 step
問題の場面
状況設定に相当wint.icon
目的と手段
因果論思考
事象の列挙wint.icon
確率論思考
第8章
「帰納論理」
ここからが実質的な第二部
参考までに
因果: F(c)
c cause F
ref. fig. 7.2 (§118, p. 62)
多項関係を一項術語で表現できてる。
singular prediction = 個別予測 個別予測の形式を条件付き確率の形式に書き換える。
枚挙された経験を連言∧する。
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論理の つながり だけで、因果は ない。
確率論思考が 因果論思考に
カルナップによる定式化
行為のタイプ化
e.g. $ F_1(c_1) \land F_2(c_2)…
ref. formula 39.1
第9章
第41講「抽象」
Fの定義域
類似性で類例を集める
= 原因抽出作業
ここから推論する
↑個別予測
推論対象は最後の末端事象だけ
未来事象
cf. 世界分岐の起点
過去経験: 複数
過去→未来
(singular) predictive inference
第10章「コルモゴロフの公理系」
ここから本格入門
第43講
確率を考慮する。
原子論理式にのみ確率を割り当てる。wint.icon e.g. F(c)
測度論は さしあたり 不要。
ここではメタ言語での定式化を採用する。
確率論理学はメタ言語で議論するから意味論だと言う。
1 とか減算とかの数学的対象を扱ってるので、意味論で良いだろう。wint.icon 実際 $ \modelsとかを使ってる。
メタ言語なので、メタ変項を使って論証する。
普通に分数で定義する。
既存の定理を移行していく。
一般化された形式を紹介している。
派生として、網羅的で排反な事象の族についてのモノがある。 予測確率 $ P(H \mid E∧B)
事例
ヒンティカの帰納論理
逆に個別予測にはベイズの定理が不適
帰納論理の言語
記号は2種類で有限個
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「Q述語」と言いつつ、Q論理式が適切。
a state of affairs
これを生成する組み合わせを考える
以降、Q式ないしQ文と呼ぶ。wint.icon
state-description(状態記述)
構成された主観的な世界の記述
第15章「個別予測」
実際に計算する
ramifying world = 分岐世界
個別予測の式
再掲。定式化は式39.2を参照。
これまでの経験がペアの連言の連言で表わされてる。
末尾に原因を連言で追加する。
帰結の条件付き確率を計算する。
増分の1は分岐世界に対応する。
式変形
ペアの連言はQ式に対応する。
⇒ 分数形
分子は可能世界の状態記述の確率
= P(St)
クワインの方法で式変形
帰結の部分式に⊤を置く。すると排中律のトートロジーに置換できる。
↔ 状態記述のペアの∨
式 $ \frac{P(St)}{P(St)+P(St')}
分岐世界との対応
最後の分岐がそのまま分母の∨に現れてる。
排反なので(homomorphismで出して)和でかける。 odds $ o=\frac{P(St)}{P(St')}
この2つが全事象になる様に条件づけないといけなさそう。
最後の節より、無視できる。 (sec. 239, p. 135)
最下部を参照。
第16章「統計的世界観」
可能世界(状態記述)の確率
これを計算したい。
統計的視点
事例(Q式の個体定項)を区別する必要は ない。
cf. §135
only it matters.
カルナップのパロディーだと言う説がある。
可能世界の同型
エビデンスは ある状態記述の部分式に なってる。
構造記述
2↑k个のQ式とn个の個体定項との組み合わせを考えてる。あるいは、nで順序付けられたn-重対だと思うので、 n→2↑k。つまり、$ (2^k)^n=2^{kn}通りを考える。 つまり同値類だ。wint.icon
結局、 多重集合なので数え上げは重複組合せになる。$ L(k, n) ⇒ H(2^k,n) = \binom{2^k+n-1}{n} あとのshortcut式にも繋がるが、ここは約分できそうだ。wint.icon
実際の計算例
shortcut(ja: 簡便計算法)
⇖実際の利用には煩雑なため。
(主観的)世界観が まるごと省略された。
対応
過去経験 → 標本
正当化
ref. 付録17 (pp. 174–178)、付録18
式56 (p. 787) の系: 式70 (p. 790)
確率: $ p=\frac{s_Q+1}{s_\text{all}+2^k}
$ s_\text{all} = 事例の総数
独立事象の場合: $ p=\frac{1}{2^k}
「経験から学ばない」ケースに相当する。
あるいは、経験データがなく、Qが1度しかない場合。
計算例
信念の更新。確率の変動。
無関係な行動のタイプの事例は、主観確率に影響しない。たとえ否定形でも。
付図8
ref. (§122, 付録13.4; 20, p.169)
3種の言語の翻訳
日常言語 → 出来事論理 → 帰納論理
指標詞 → (出来事文→証拠定項) → 個体定項
引用:
(第40講, §136 注, p. 71)
(第55講, §191, p. 107)
relic
ja: 遺物wint.icon
帰納論理は基本的には死んだ体系である。 (付録15, §130; 7, p. 173)
疑問
同型によって個体定項を無視して良い理由
付録1.3
5: equally possible
付録16
両立不能や排反は、(大ステップ)意味論で処理したい。
矛盾する部分項があった時点で短絡できるため。
付録18 (§236, pp. 178–181)
論理要因と経験要因
直挿法は(経験された)相対頻度を 予測に じかに つかう。
式: $ p=\frac{s_Q+w}{s+2^k}
まるで分数の間違った足し算だ。(分数の偽加法)wint.icon 別の立場もある: rule of succession
λ-体系に一般化された。
比較的簡単になったが、関連が見えなくなった。
帰納論理の個別予測の確率計算の別表記を考察する。
odds表記を検討する。
odds $ o = \frac{P(St)}{P(St')} = {P(Q|E)}:{P(Q'|E)} = \frac{s_Q+w}{s+2^k}:\frac{s_{Q'}+w}{s+2^k} = \frac{w+s_Q}{w+s_{Q'}} 最終的に分母は相殺するので無視して良い。
つまり、初期のオッズは w:w = 1:1 = 1 から始める。
俺俺shortcut
まずは五分五分(一対一, 1:1)から始めて、正負の1事例ごとに odds の勝:負をそれぞれカウントアップ (+1) すれば良い。
論理要因×1 → 経験要因×n
繰り返しオッズを更新する。
確率が欲しければ、オッズから計算すれば良い。