GTDが規定する「直感」
GTDは、「仕組みが、実行するタスクを規定しない」という部分にあえて重点を置いているのに対して、マニャーナの法則やタスクシュートは、「仕組みが、実行するタスクを規定してくれる」ことに重点を置いている感じがする。
GTDでは「タスクの優先度は一意的に決まらない」とされているので、タスクを選択する時の自由度をあえて高くしている。具体的には、状況・時間・エネルギーの3要素と、「本来何にコミットすべきか」という高い視点を組み合わせて検討する。
その考え方がしっくり来れば、GTDだけで仕組みが回っていく。
けれど、「今自分が選択するタスクまで、仕組みによって規定したい」と思うなら、GTDに加えて、他の理論を組み合わせる必要があるのかなと。
確かにGTDは仕組みによって、優先順位の観念にしたがって実行するタスクを決めるという部分に重点を置いていない
むしろ重点を置かないでおこうとしている
あえて言えば、GTDが唯一規定するのは「直感」だと思います。
GTDでは直感で選択する前提として、前もってタスクを考えておくこととしています。
それがあってこそ、直感で選択して問題ない仕組みを作り上げます。
いや、論点が違うな。
GTDは、マニャーナの法則やタスクシュートと比較して「仕組みが、実行するタスクを規定しない」ということには、イエス
GTDがまったく「仕組みが、実行するタスクを規定しない」ということには、ノー
といったところでしょうか
GTDは、マニャーナの法則やタスクシュートと比較して「仕組みが、実行するタスクを規定しない」ということには、イエス
「「今、私がするべきことは何か?」という問いに答えてくれるものではない」とあるように規定していない。
さぁ、思い切って行動しよう!
何をするか?という問いに答えるには、究極的には、自分の直感に頼るしかない。
私が提唱しているGTDのシステムがその答えを与えてくれるのでは、と期待している人もいるだろう。しかし、GTDは正しい判断ができるように準備をするための優れたシステムではあるが、究極的には「今、私がするべきことは何か?」という問いに答えてくれるものではない。
(中略)
では、どうすれば次にとるべき行動を確実に知ることができるのだろう?それに対する回答はこうだ。最悪に備え、最高を夢見つつ、その間をいくことである。
GTDがまったく「仕組みが、実行するタスクを規定しない」ということには、ノー
ここで再び前出の
GTDでは直感で選択する前提として、前もってタスクを考えておくこととしています。
それがあってこそ、直感で選択して問題ない仕組みを作り上げます。
「前もってタスクを考えておく」というのはGTDでは、以前に書いた以下の内容
>「把握する」「見極める」「整理する」「更新する」ステップを実行したあとに残っている選択肢の中から、直感を信じて行動を選択していけばいい。
とあり以下の章中で紹介される、「四つの基準で現在の行動を選ぶモデル」に「1日の仕事を三つのカテゴリーで評価するモデル」、「六つのレベルで仕事を評価するモデル」を加えて選択肢を整理した上で「(行動を)選択する」際の「直感」ですね。 脇道に逸れるメモ
「直感で選択して問題ない状態」と「直感で選択できない状態」の違いに何かありそう
「直感で選択して問題ない状態」というのは、GTDで唱えるGTDの5つのステップや各種モデルで評価した状態のこと 「直感で選択できない状態」というのは、上記の状態になっているのに「選択できない」状態のこと
何もやる気になれないとか
なんだろ、「選択できるけど実行できない」といったところ?
直感から選択するのは何もリストからだけではない。頭の外に書き出したことによってそれまで埋没していたやりたいことを選択することもありそう。それは、もしかしたらリストにないことなのかもしれない。
仕事のタスク管理をきっちりしたら、読みたかった本があったことを思い出して、読み始めるとか
その直感が怪しい
バイアスにまみれている
手をつけやすいタスクばかりを選択する
先送りになるタスクは常に先送りにしがち
ではそのバイアスにまみれた直感と付き合うには
直感で選択できるほどのタスクにする
「おりゃー」と気合いを入れないと選択できない・実行できないのでは、直感で選択しにくい
直感を直感で強化する
GTDを通じて自分の直感を信じるようになる、ひいては自分を信じることに繋がる面もある
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
玄武.icon全面改訂版p.277に
「把握する」「見極める」「整理する」「更新する」ステップを実行したあとに残っている選択肢の中から、直感を信じて行動を選択していけばいい。
とあり以下の章中で紹介される、「四つの基準で現在の行動を選ぶモデル」に「1日の仕事を三つのカテゴリーで評価するモデル」、「六つのレベルで仕事を評価するモデル」を加えて選択肢を整理した上で「(行動を)選択する」際の「直感」ですね。 この最後に直感を持ってくるあたりが面白いと思います。
私たちの「気になること」が多様であるのに、そのワークフローがあまりにも固定的過ぎるのではないか、という疑義
その最後の「選択する」にある直感が役立つ部分があるような気もします。
GTDのワークフローに従って、最後に残った選択肢があるとして
直感「だが断る」
と違う選択肢を選ぶことが残されているように思えるのです。
人間そうそう簡単に割り切れるものではありません。
「水のような心」を会得するにも、清すぎる水であれば「水清ければ魚棲まず」のことわざにもあるように、本人にとっても居心地のよいものではないのかもしれません。
清濁併せ吞むGTD(タスク管理)を考えたいものです。