covid-19 2020/3 ~ 2020/7
特殊な事情によって小児は新型コロナに感染しにくい、というわけではありません。 原則として、人に感染する病原体であれば大人も子供も平等に感染が成立します。 大人と子供で平等でないのは「重症度」です。 この人口の年齢分布と感染者の年齢分布の違いから分かるのは、小児は無症候性感染者や軽症例が多く、大半の事例で診断が見逃されているということです。1歳未満の乳児9例も報告されていますが、全員軽症です。
これらの事実をまとめると、一つの仮説が浮かび上がります。流行を広げているのは(もちろん全てではないにせよ)無症候性感染者や軽症患者かもしれないということです。そして20歳未満の若者の大半は無症候性感染者や軽症患者と考えられます。
どんな危機においても、リーダーには2つの等しく重要な責任があります。差し迫った問題を解決し、それが二度と起こらないようにすることです。COVID-19パンデミックは、優れた事例です。世界は今、人命を救うと同時に、大発生への対応方法を改善する必要があります。最初のポイントはより差し迫ったものですが、2番目のポイントは重大な長期的な結果をもたらします。
スーパースプレッダー、フリースケール・ネットワーク
世界保健機関(WHO)の報告によると、数週間前にCOVID-19患者で溢れた中国の病院には現在、空のベッドがある。実験的薬剤の試験では、適格な患者を十分に登録することは困難である。そして、毎日報告される新しい症例の数は、1日あたり数千から3月2日には125症例に急落しました。この報告は明確です。「この新しい呼吸器病原体の急速な拡散を封じ込める中国の大胆なアプローチは、急速に拡大し、致命的な流行の経路を変えました」と言う。「中国全土でのCOVID-19の減少は本物です。」
WHOチームは、最も打撃を受けた都市である武漢を含むいくつかの都市を旅行した。彼らは、病院、研究所、企業、生きた動物を販売する水上マーケット、駅、地方自治体を訪問した。「どこに行っても、話をした人は誰でも、責任感と集団行動があり、物事を成し遂げるために戦う体制がありました」とWHOのブルース・エイルワードは言う。問題は、世界が中国の明らかな成功から教訓を得ることができるかどうかだ。そして、他の国が「権威主義(authoritarian)」の政府によって課せられた大規模な封鎖と電子的監視措置を真似できるかどうか(現実の中国人が日常の経験から必ずしも同意しないかもしれない主張だが)。
隔離・検疫、学校の休校、集会の禁止の3点は1918-1919年のインフルエンザ・パンデミック「スペインかぜ」の際にも用いられた古典的な手法らしい
症状の出た人々の隔離と,感染者と接触した疑いのある人々の検疫
義務的な命令のみで,現代で論じられる自発的な隔離・検疫はこれと区別される
学校の休校
当局が公立校(小学校~高校)を休校にしたときにのみ「介入がなされた」と判定された
私立校や教区学校は,全校ではないものの大半が公立校の休校を踏襲した
集会の禁止
サロン・公共の娯楽施設・スポーツの催しのことを意味した
屋内の集会は禁止されるか屋外に変更された
当該期間に,屋外の集会は必ずしも禁止されなかった(e.g. リバティ債〔合衆国で発行された戦争債〕のパレード).
食料品店や雑貨店での買い物を禁止したという記録はなかった.
新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策 -第2弾-(ポイント)
AMED等の活用による治療薬等の開発加速
AMED とは?
クラスター対策の専門家を地方公共団体へ派遣
厚生労働省 対策本部 クラスター対策班
https://gyazo.com/6ade3f76191147710dd23b29a8f35bef
これ読んで、かなり勇気づけられた 2020/3/12
2020/03/15
2020/03/21
不謹慎かもしれないけど、凄い面白い 2020/3/17
WHO-中国合同ミッション報告書
インペリアル・カレッジ・ロンドンに拠点を置く「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応チーム」が3月16日に明らかにしたところでは、この数日間で政府の専門家チームはようやく、その政策が「おそらく数十万人の死をもたらす可能性が高い」(25万人の死者を出す可能性がある)こと、そして、保健医療システムが保有する患者への対応能力とリソースの最大8倍の需要に見舞われることになると認識するに至ったという。
インペリアル・カレッジで感染症疫学を率いるアズラ・ガーニ教授は3月16日に、「集団免疫を獲得できると期待していましたが、集団免疫アプローチでは事態に対処できないことがわかりました」と記者団に語った。新たな報告書は代替策として、他の多くの国と同様に、一貫して感染者数を低く保つ積極的な政策でウイルスを抑制することを提唱している。
インペリアル・カレッジのチーム
北海道大学の西浦博教授のチーム
西浦博
特集:新型コロナウイルス
病原体の実像に迫る 出村政彬/古田彩
コロナウイルスはどこから来たのか S. メイキン
私たちはどう闘うか 座談会:専門家会議メンバーが語る日本の戦略 尾身茂/脇田隆字/押谷仁
尾身茂/脇田隆字/押谷仁
官邸の新型コロナウイルス感染症対策本部で,2月14日に開催された第9回会議(議事次第と資料)で,漸く専門家会議の招集が承認された。構成員は決まったが,まだ会議自体は行われていない(Skypeなどオンラインでいいので迅速にやった方が良いと思う)。東北大学の押谷先生がメンバーに入っているので,専門家として必要なことを主張してくださるだろう。政府は専門家の発言を正しく受け止めて必要な対策をとってほしい。できれば,C型肝炎を専門とするウイルス学者である脇田先生よりも,尾身先生か押谷先生が座長をされた方が良かったと思うが。 http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#SPECIALISTS 専門家会議についての報道を見たところ,3月19日までに北海道のクラスター対策がうまくいったかどうか評価するという見通しが示されたようだ。ただ,クラスター発生予防はそこで終わりではなく,ワクチンか治療薬が見つかるか,国内終息まではずっとやらなくてはいけないはず。テレビの報道は19日までは,みたいな伝え方をしているのが怖い。尾身先生が説明された,「換気が悪い」「多くの人が密集」「近距離で会話や発声あり」という条件は,クラスターが発生しやすい条件なので,この3条件が重なる場を避けることは,少なくとも,その地域の新規感染者がゼロの状態が2週間続くまでは必要になるだろう(新規感染者が1人検出されることは,おそらくその10倍は感染者がいることを意味するので) http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#CLUSTERPAPER IHR2005
国際保健規則(IHR)
2020/1/31
PHEICはIHR2005で規定された概念で,IHRの枠組みについてはこの厚労省の資料が参考になると思う。加盟各国政府は,ここからリンクされている附録に書かれている体制と能力を備えなくてはならず,日本は達成していると評価されているが,すべての国で2012年までに整備するという目標は達成できなかった。
去年のエボラもPHEIC宣言されたし,CFRが高いのでアフリカでは大きな問題だったが,それほど感染力が強くなくてパンデミックになる可能性は低かったので,たぶん多くの先進国にとっては,IHR2005に基づいた対応は続けていても,どこか対岸の火事だったと思う。2019-nCoVはCFRはエボラよりずっと低いが(とはいえ,現在の推定値だと季節性インフルエンザより2,3桁大きくスペイン風邪と同等),感染力が強いので,パンデミックになる可能性が高く,世界中どこの国にとっても他人事では済まされない。
2020/2/5
IHR2005はグローバリゼーション前提で,人やモノの移動なしには世界中の人々の生活が成り立たないので,貿易や交通の制限は必要最小限に抑えつつ,犠牲者を増やさないために有効な対策をうつ,というものなので,WHO事務局長の発言は当然そういうスタンスになる。西浦さんの発表にあったように,既に半分くらいの感染が不顕性感染者から起こっているとしたら,症状がある人だけの移動を止める対策の効果はほとんど無いし,症状がない人まですべての中国との人口移動と物流を止めることはデメリットの方が大きいだろう(もっとも,もし,今後も世界的にCFRが2-3%であると判明したら,その限りではないが)。
IHR2005はグローバリゼーション前提で,人やモノの移動なしには世界中の人々の生活が成り立たないので,貿易や交通の制限は必要最小限に抑えつつ,犠牲者を増やさないために有効な対策をうつ,というもの
2020/3/5
この産経の独自取材記事が出ていて,「2週間経たないと」どころか,中国と韓国の日本大使館が発行したビザを無効にするという入国禁止措置であった。オーストラリアも似たようなことをやっているから,それを真似したのかもしれないが。外務省のサイトにはこの件はまだ出ていないのでわからないが,産経の記事からすると,日本人が帰国する場合は2週間の停留措置がとられるということだろう。産経の記事からすると,この政策決定は,厚労省でなく「5日夕の国家安全保障会議(NSC)の会合で確認する」という話なので,科学的根拠に基づくというよりも,政治判断なのだと思う。IHR2005が設計されたときの基本思想が,こうも簡単に崩れてしまうとは。
ヨーロッパは完全に鎖国状態となった 2020/3/18
なぜクラスター対策が重要か
2020/2/26
なぜクラスターへの重点対策が有効と考えられるのか。これは,暫く前に西浦さんが注目していたGrantz K, Metcalf CJE, Lessler J (15th Feb 2020) Dispersion vs. Control.が鍵で,R0の分散が非常に大きいことから,おそらくこのウイルスは集団内を均質に広がるのではなく,クラスターを作りながら広がり,クラスター内にはR0が非常に高い状況が生まれるが,それ以外では1未満である可能性がある。そこで地域クラスターを検知して集中的に対策することで,Rtを1未満にできれば,全体としてのアウトブレイクは終息に向かうはずだということだ。数理モデルでは可能性が示されている。あとはそれが実行可能かどうかだ。
github だ
2020/3/2
長期的な見通しについて
2020/3/9
5. 今後の長期的な見通しについて
今回、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくは、いつ再流行してもおかしくない状況が続くと見込まれます。また、世界的な流行が進展していることから、国外から感染が持ち込まれる事例も、今後、繰り返されるものと予想されます。
新型コロナウイルス感染症は、人々が気づかないうちに感染し、感染拡大に重大な役割を果たすという特徴があるため、クラスター(集団)を早期に発見し、早期に対応できる体制の確立が不可欠だと考えています。
今後、急速な感染拡大が予想される地域では、その地域ごとに「人と人との接触を可能な限り控える」対策を進め、収束に向かえば、比較的、感染拡大のリスクの低い活動から解除するなど、社会・経済活動の維持と感染拡大防止のバランスを取り続けるような対策を繰り返すことが、長期にわたって続くと予想されます。
WHO は、今回の新型コロナウイルス感染症の地域ごとの対策を考えるために、3 つの異なるシナリオ(3Cs)を考えるべきとしています。つまり、それぞれの地域を 1)感染者が他地域からの感染者に限定されている地域(Cases)、2)クラスターを形成している地域(Cluster)、3)地域内に広範に感染者が発生している地域(Community Transmission)、の 3 つに分類して対応を考えることが必要だとしています。まだ、WHO からそれぞれの地域の詳しい定義は提示されていませんが、厚生労働省のクラスター対策班でこれらの地域ごとの流行状況を決める指標とそれぞれのシナリオに応じた対策についての指針を作成しています。
3 つの異なるシナリオ(3Cs)
1)感染者が他地域からの感染者に限定されている地域(Cases)
2)クラスターを形成している地域(Cluster)
3)地域内に広範に感染者が発生している地域(Community Transmission)
専門家会議としては、この指針と北海道での対策の効果をもとに、全国各地での対応を検討し、報告する予定です。また、クラスター(集団)の早期発見・早期対応が長期的にわたって持続できる体制の整備が急務だと考えています。保健所については、労務負担を軽減すべく、帰国者接触者相談センターの機能について保健所以外の担い手を求めるなど、早急に人的財政的支援策を講じるべきだと考えます。また、地方公共団体や保健所の広域での連携及び情報共有が必要です。医療提供体制については、さらなる感染拡大に備え、対応にあたる一般医療機関や診療所を選定し、その体制を強化していく支援をすべきだと考えます。
https://gyazo.com/4173215a61f099c7add88f97351d73a8
クラスターマップ
2020/3/9
日本でも感染者1人から発生する二次感染者数のばらつきが大きいことは,3月2日の時点でNHKニュースにもなっていたし,厚労省のQ&A(3月2日にはQ12だったが,今はQ14になっている)にも載っていたが,プレプリントサーバにはNishiura H et al. "Closed environments facilitate secondary transmission of coronavirus disease 2019 (COVID-19)."(2020年3月3日)としてアップロードされていた。著者はクラスター対策班のメンバーとなっている。伝播リスクが高い状況を同定するため,2020年2月26日までの11のクラスターの110症例を調べている(東京の4つのクラスター,愛知,福岡,北海道,石川,神奈川,和歌山からそれぞれ1つのクラスターを含んでいると書かれているが,残り1つはどこなんだろうか? 数え間違い? 書き忘れ?)
2020/3/18
厚労省が公開しているクラスターマップが3月17日までの時点で報告されているものをすべて含んでいると考えると,クラスター対策班がプレプリントサーバにアップロードしている論文では東京4つ,石川もあったはずなのに,東京が屋形船しか載っていないのが解せないが……地図が不正確なのだろう,たぶん
2020/3/15 → 2020/3/17 訂正
https://gyazo.com/0a001f2ac1b6e54c3d970fad77568534
2020/3/17
厚生労働省は17日、新型コロナウイルス感染者の小規模集団「クラスター」の分布を示すため15日にホームページで公表したマップについて、10都道府県15カ所を8都道府県13カ所に修正した。クラスターと指摘された大分県などから異議が出たためという。
今後、透明性(オープンネス?)に懸念がある
2020/3/19
そして、今後の感染拡大防止策は地域の感染状況に応じて進めていく必要があるとして、感染が拡大している地域は、時期や期間を十分に見極めたうえで、緊急事態宣言や一律自粛の必要性を適切に検討するとしています。
また感染が収束に向かい始めている地域は、リスクの低い活動から徐々に解除を検討したうえで、感染拡大の兆しがみられたら、再び活動を停止し、感染が確認されていない地域は、学校活動や屋外でのスポーツ観戦、文化施設の利用など感染拡大のリスクの低い活動から解除してもよいとしています。
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」
2020/3/19
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解
https://gyazo.com/39854fd01d6c769288fdc4593926ce04
https://gyazo.com/334b9817227b12fb39de9ae1ece19cb9
専門家会議の3月19日状況分析・提言
2020/3/20
専門家会議の分析・提言は,リンクした本文をちゃんと読めば良いと思うが,ざっくりまとめると,現状何とかもちこたえていること,北海道でのクラスター対策に一定の成果があったこと,オーバーシュートを防ぐことの重要性,地域ごとの感染状況(Rtの値,新規発生者数の変化傾向,リンクの追えない感染者数の変化傾向により総合的に判断する)に応じた対応をすべきこと,クラスター発生防止のための一人一人の協力の必要性(どこまでの行動変容や社会的規制なら持続可能なのか一緒に考えて欲しいと,西浦さんは何度も言われていたが,その点こそマスメディアがやるべき役割だろう)が要点だったと思う。オーバーシュートを除けば,概ね思っていた通りだった。オーバーシュートの危険が強調されていたのは,武漢だけでなく,欧米でもオーバーシュートが起こったのが,それだけ衝撃的だったということだろう。あと,マスギャザリングイベントについては専門家の間でも意見が割れているそうだ。現在の世界の状況では,国際的に人が集まるイベントをやったらオーバーシュートの引き金になる可能性は非常に高いので,オリンピックは止めろと言いたいに違いないのだが,それを明言しなかった(専門家会議では議題に出ていないとのこと)のは,相当強い圧力が掛かってでもいるのか?
現状何とかもちこたえていること
北海道でのクラスター対策に一定の成果があったこと
オーバーシュートを防ぐことの重要性
地域ごとの感染状況に応じた対応をすべきこと
(Rtの値,新規発生者数の変化傾向,リンクの追えない感染者数の変化傾向により総合的に判断する)
クラスター発生防止のための一人一人の協力の必要性
(どこまでの行動変容や社会的規制なら持続可能なのか一緒に考えて欲しいと,西浦さんは何度も言われていたが,その点こそマスメディアがやるべき役割だろう)
Flattening The Curve
https://gyazo.com/354408f6b4f19e02b643a90284d72b5a
それは1月から2月上旬に中国および中国帰りの渡航者を端緒として始まった流行の比ではありません。非常識を承知で分かりやすいようにミサイルで例えると、1月から2月上旬は短距離ミサイルが5~10発命中した程度ですが、この3月のパンデミックの状況というのは空から次々と焼夷弾が降ってきているような状態です。そこで「火事を一つ一つ止めないといけない」というようなのが今の状態です。
無症状の感染者であっても、胸部単純CT検査にて異常影が観察されることがある【1】。当院でも来院時のCT検査では全体の67.0%、無症候性陽性者及び軽微な症状を有する症例に限定しても、約半数に異常陰影を認めた。陰影は両側末梢胸膜下に生じるすりガラス様陰影が特徴で、胸部単純レントゲン写真では異常を指摘できない症例が多かった(Fig1,Fig2)。無症候性陽性者及び軽微な症状を有する症例で、CT検査で異常影を認めたうち、約3分の2はそのまま症状が変化することなく軽快し、約3分の1は症状が増悪した。増悪する場合の画像変化は、経過とともにすりガラス様陰影の範囲が広がり、徐々に濃厚なair-space consolidationを呈することであった(Fig3)。我々は無症状あるいは軽微な症状にもかかわらずCT検査で異常陰影を認める病態を「Silent Pneumonia」と呼んでいる(Fig4)。「Silent Pneumonia」から「Apparent」になる際は、発熱や咳嗽の増悪や呼吸困難の出現ではなく、高齢者ではSpO2の低下、若年者では頻呼吸の出現で気付くことが多かった。
「Silent pneumonia」に関連して、無症候性を含む軽症者でも画像変化が認められることから、CT検査がPCR検査よりも感度が高いという報告がある【4,5】。当院で経験した症例においても、無症候性を含む軽症者のCT検査で異常所見が認められている。また、クルーズ船内で濃厚接触となる同室の家族や友人等がPCR陽性で、本人もCT検査で明らかに他の症例と類似する両側末梢のすりガラス様陰影を認めるにもかかわらず、PCRが陰性となる症例を一定数経験した。そのような症例において、繰り返しPCRを実施すると陽性になる症例もあれば最後まで陰性のままの症例もあった。また、退院確認時の2回連続のPCR検査も、1度目は陰性であるにもかかわらず、2回目が陽性となる症例を数多く経験した。これらの経験から、PCR検査の感度はさほど高くないのではないかと考えられた。明確な検討はできていないまでも、感覚的には70%程度の感度ではないかと思われた。しかしながら、当院のように全例CT検査注2を行うかどうか、判断は難しいところである。
注2) 当院では病院施設の構造上、一般患者とCOVID-19患者の動線を区別するため、一般撮影ではなくCT検査を実施した。
血液生化学検査所見では、COVID-19群と非COVID-19群において、CRP、LDH、AST、eGFR、Naに有意な差があり、リンパ球減少が観察されるとの報告がある【6】。しかしながら、当院では、無症状あるいは軽症例では、検査値異常を認めないことが多かった。また、他疾患との鑑別においても特に有用と考えられるような所見は得られなかった。一方、当院においても重症例ではリンパ球減少が認められた。我々の症例からは、接触歴や渡航歴を有しCOVID-19が強く疑われる症例では、AST、LDHの上昇とリンパ球数減少が揃えば、PCRでも陽性となる可能性が高いと考えられた。
COVID-19 reports
Imperial College Londonの特設サイト(2020/3/23掲載)
COVID-19 Resource Centre
The Lancetの特設サイト(2020/3/23掲載)
Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)
The Journal of the American Medical Associationの特設サイト(2020/3/23掲載)
Coronavirus (Covid-19)
A collection of articles and other resources on the Coronavirus (Covid-19) outbreak, including clinical reports, management guidelines, and commentary.
The New English Journal of Medicineが発信している情報
COVID-19
The London School of Hygiene & Tropical Medicineのサイト
新型コロナウイルスに関する情報提供
(北海道大学附属図書館)
新型コロナウイルスに関して各出版社から研究論文や診療情報等のリンク集
1969年、Indians of All Tribes(英)と自称するアメリカ先住民族のグループがサンフランシスコのアルカトラズ島を占領した。その際、その仲間の妊婦の出産介助のために医師の参加要求が出された際、ブリリアントは彼らの占領に非正規の医師として参加した。
アメリカ政府がアルカトラズ島からIndians of All Tribesを強制退去させた後、ブリリアントはメディアから引っ張り凧になり、映画会社は彼を、ヒットしたWoodstock Nation(英)の続編であるMedical Ball Caravanにキャスティングし、グレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレイン、ジェスロ・タル、ジョニ・ミッチェルらを慕ったヒッピーの集団についての映画で医師役に配役した。出演料はインドへの航空券とともに支払われ、ブリリアントとその他数名はその航空券を現金に変えてバスを借りてヨーロッパ中をドライブしていたが、その最中、バングラデシュ(当時は東パキスタン)をボーラサイクロン(1970年)が襲い、彼らのバスはその被害者救援のための救援隊へと様変わりした。
TED 2006
オクラナガイモ
労働の配分
現下の問題を「労働の配分」という観点から考察してみるとしよう。労働(職業)を大まかに4つのタイプに分類すると、以下のようになる。(A) 医者をはじめとした医療関係者, (B) オンライン小売業界で働く従業員, (C) 物理的な財の生産に従事する人々(工場労働者), (D) 専門職(教師、エンジニア、デザイナーなど)。それぞれの部門の就業者数は、需要(求人)と供給(求職)が釣り合う水準に決まってくる。
(A) 医者をはじめとした医療関係者
(B) オンライン小売業界で働く従業員
(C) 物理的な財の生産に従事する人々(工場労働者)
(D) 専門職(教師、エンジニア、デザイナーなど)
(A) 部門の就業者数は、短期的には(週単位、月単位では)そこまで変わらない。どうしても増えてほしいところだが、そうはいかない。できることと言えば、ニューヨーク市が今まさにやっているように、退職した医療従事者(看護婦や医者)に復帰を促すことくらいだ。
(B) 部門で働く人々は、ほくほくだろう。ネットショッピングが増えるのに伴って、所得が増えるだろうから。とは言え、活動のペースが緩められても、職場で新たな感染者が出てきてしまうかもしれない。この点に関しても、できることは大して無い。全員が飢え死にする運命を受け入れてもよいというなら別だけどね。
一番のキーとなるのは、(C) 部門だ。感染症の流行に伴って、(C) 部門で働く人々の所得は、大きく落ち込むことだろう。失業してしまう可能性も高い。それも、生活物資の蓄えも無い状態でだ。(C) 部門で働く人々を貧窮させておいてよいだろうか? 職を求めて街中をさまよい歩かせておいてよいだろうか? 「ノー」だ。(C) 部門で働く人々を自宅で待機させつつ、所得を可能な限り補填する。政策当局者は、そのことに関心を寄せるべきなのだ。言い換えると、(C) 部門で働く人々こそ、政策で焦点を当てるべき存在なのだ。(C) 部門で働く人々の所得を(人道という観点に照らしても、公益という観点に照らしても)ある程度の水準に保つべきだし、ウイルスの感染拡大のスピードを緩めるためにも、(C) 部門で働く人々には自宅待機をお願いすべきなのだ。
残すは (D) 部門だが、(D) 部門で働く人々の所得は大して変わらないだろう。少なくとも、短期的には。彼らが提供するサービスへの需要は、そこまで大きくは減りも増えもしないだろうし、在宅勤務も可能だろうしね。つまりは、(D) 部門で働く人々は、政策当局者が気を配るべき対象ではないのだ。
https://gyazo.com/3b10eaa310a6fa1ef35ec6bbaed8bb10
https://gyazo.com/6bf5464c2fbe0b2293e2ec6f1377c8cc
JCMに載っていたKuniya T "Prediction of the Epidemic Peak of Coronavirus Disease in Japan, 2020"(2020年3月13日)は,日本におけるCOVID-19の流行のピーク予測というタイトルで,SEIRモデルだがR0=2.6(95%CI 2.4-2.8)として初夏の時期にピークが来るとしている。感染者検出率は現実的にありうる値の範囲ではほとんどR0の推定に影響しないことも示されている。介入しない場合,10%検出できるとした場合,R0が2.6だと新規感染者報告数のピークは8月10日となり,1%しか検出できない場合,新規感染者報告数のピークは7月12日となるが,感染率β=0.26(R0=2.6に対応)を3月1日から介入実施期間中75%に下げられるとして,検出率1%の場合,1ヶ月介入だとピークは7月23日に遅れ,6ヶ月介入だと9月14日に遅れ,総感染者数は効果的に減少する,という結果が示されている。
発症日と確定日はどれくらい隔たっているのだろうか
https://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/python/img/200312c.svg
発症日と確定日の隔たりを,確定日ごとにプロットしたもの
https://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/python/img/200312f.svg
小池知事が緊急会見「“夜の街”控えて」感染疑い事例が多発(2020年3月30日)
https://www.youtube.com/watch?v=T9WNJnXw2MM
西浦サンの説明資料を画面表示してわかりやすかった
https://gyazo.com/21d500a8867f33c964af8f91e31439ac
https://gyazo.com/337fb4874e90a050fef0fff76586207a
https://gyazo.com/4446341465220180ec5db7124fd770c6
https://gyazo.com/243f0a2374183a553b97c8499e82cc79
増加している孤発例(クラスターではない発症例)が特定業種において発生している
38例、孤発例、全体の30%? といっていた
※ 特定業種
キャバレー等(※1)
(注)そのような営業を行っている、いわゆるクラブ、ラウンジ、キャバクラ等を含む。
ナイトクラブ等(※2)
バー、酒場等(※3)
※1 風営法の接待飲食店等営業(設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業)
※2 風営法の特定遊興飲食店営業(設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る。)で、午前六時後翌日の午前零時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。))
※3 風営法の深夜酒類提供飲食店営業(深夜(午前零時から午前六時)において、設備を設けて客に酒類を提供して営む飲食店営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。)
COVID-19とスケールフリーネットワーク
COVID-19のまとめ資料(私見,と書いたスライドは学生向けからは除くべきかも)を作った
https://gyazo.com/c443449a87112f9d2859ec2246f7cd60
スケールフリーネットワークだ
ランダムグラフとスケールフリーグラフの次数分布の比較。ランダムグラフの次数分布は特定のピークを持つが、スケールフリーグラフの次数分布にはピークは存在しない
https://gyazo.com/9760370f985bd4aeb5306a5c2629cf02
バラバシ・アルバートモデル
https://gyazo.com/7cffb51224ef710501f54c192e1a6336
スケールフリーグラフの頑強性と脆弱性
スケールフリーグラフが持つ注目すべき特性として、ネットワーク障害など「ランダムな故障や攻撃」に対して頑強性が高いことがあげられる。スケールフリーなトポロジーを持つネットワークでは、全頂点のうちのランダムに5パーセントがダウンしたとしても、代替経路の存在によって頂点間の接続を維持でき、系全体の平均経路長(平均最短距離)はほとんど変化しないのである
一方で、スケールフリーなネットワークは、特定の重要なハブをピンポイントで狙った攻撃に対しては脆弱であるという弱点も併せ持っている。次数の集中した上位5パーセントの頂点がダウンしたとすると、系全体の平均経路長は約2倍にまで増大してしまう
先日のNHKスペシャル,NHK Worldで放送される国際版は4月9日までweb視聴可能と教えていただいた。公共放送なのだから,COVID-19関連のNスペとクロ現プラスは期限を区切らず公開してくれたら良いのになあ。
NHKの特設サイト「新型コロナウイルス」>私たちはどう行動する>生活の中で大切なことが更新されていて,マイクロ飛沫の動画や,3つの密を避けること,家族が感染したときの対処についての動画が載っていた。
メディア(とくに3月12日だったかの日経新聞)とかSNSで疫学批判言説を書いている人には,まず日本語テキストでいいから,せめて『ロスマンの疫学』とか『感染症疫学ハンドブック』くらい読んでからにして欲しいと言いたい(本当は『感染症の数理モデル』も読んで欲しいが)。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に資する統計データ等の提供の要請について
プラットフォーム事業者・移動通信事業者等が保有する、地域での人流把握やクラスター早期発見等の感染拡大防止に資するデータ(例:ユーザーの移動やサービス利用履歴を統計的に集計・解析したデータ)を活用することにより、
・ 外出自粛要請等の社会的距離確保施策の実効性の検証
・ クラスター対策として実施した施策の実効性の検証
・ 今後実施するクラスター対策の精度の向上
等が可能となり、感染拡大防止策のより効果的な実施に繋がると期待されます。
そこで、政府では、今般、内閣官房、総務省、厚生労働省、経済産業省の連名で、プラットフォーム事業者・移動通信事業者等に対して、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に資するデータの政府への提供を要請することとしました。
2020/3/30 東京都の会見にて
COVID-19への対策の概念
新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部クラスター対策班
東北大学大学院医学系研究科・押谷仁
(2020年3月29日暫定版)
北海道で起きていたこと
2020/3/29
https://gyazo.com/031c90bb5599fa7f294e99501a60b284
https://gyazo.com/6eb7638613c46aed7ed5511ffc9628b4
https://gyazo.com/65629f239cc3e1387aceeed427f22d86
https://gyazo.com/eda0a3f1ddb3f3d6b96f84ab7a3a0d93
https://gyazo.com/c78e8e9df1f5307fbae3c398f3fd57ae
指数関数的
Nextstrain
3月19日の提言で示した3つの地域区分については、それぞれ次のような名前で呼ぶことにする。「感染拡大警戒地域」「感染確認地域」「感染未確認地域」それぞれの地域区分で求められる対応や行動は、例えば次のとおり。
「感染拡大警戒地域」
https://gyazo.com/af8ad0387da6630eaee3d4718dc29c7b
▽期間を明確にした外出自粛要請
▽10名以上が集まる集会やイベントを避ける
▽家族以外の多人数で会食などは行わない
▽地域内の学校の一斉休校も選択肢として検討すべき
「感染確認地域」
https://gyazo.com/0849f6df4056aea6f3bd0808bfb91266
▽「3つの密」を徹底的に回避したうえで、感染拡大のリスクが低い活動については実施する
▽屋内で50名以上が集まる集会やイベントは控える
▽感染拡大の兆しが見えた場合にはリスクが低い活動も含めて対応をさらに検討する
「感染未確認地域」
https://gyazo.com/1c0c127423460c7d8c9544ea547ef146
▽感染拡大のリスクが低い活動について注意をしながら実施する
▽「3つの密」を徹底的に回避する対策は不可欠
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年4月1日)
2020/4/1
https://gyazo.com/db50c7851db074c4c8baf646a62bb456
https://gyazo.com/299a1751e6c03d2f72b8f35d405f27fd
https://gyazo.com/2dd3132dd5a6f1804d95114eab750486
https://gyazo.com/65a2964d20783952257219c8019d6057
戦争に備えるのと同じ方法でパンデミックの準備をする
2015年、私はTEDの講演で世界の指導者たちに、戦争に備えるのと同じ方法でパンデミックの準備をするよう促しました。シミュレーションを実行してシステムの亀裂を見つけることです。今年のように、まだまだ長い道のりがあります。しかし、科学、データ、医療専門家の経験に基づいて適切な決定を下すことができれば、命を救い、国を復活させることができると私は信じています。
マスク(フェイスカバー)について
最近の研究から、新型コロナウイルス感染症患者はかなりの割合で症状がない人(無症候性感染者)がいることや、最終的に症状を発症する前の人(前症候性感染者)であっても、症状を示す前に他の人にウイルスを感染させることがあることがわかりました。 つまり症状が現れていなくても、近距離で話をしたり、咳やくしゃみをしたりすると、ウイルスが広がる可能性があるということです。 この新しい根拠に照らして、CDCは、他の社会的距離を維持することが困難な公共の場所(食料品店や薬局など) 布製のフェイスカバーを着用することを推奨しています。「特に」地域内感染が著しい地域では重要です。
他の人から6フィート(≒2メートル)の距離を保つことは、ウイルスの蔓延を遅らせるために引き続き重要であることは、きわめて重要です。 それに加えてCDCは、ウイルスの感染拡大を遅らせるため、また、人々がウイルスに感染していることに気づかないうちに他の人に感染させたりすることを防ぐために、簡易的なフェイスカバーの着用を推奨します。自宅にあるものを流用したフェイスカバーや、普通の材料を使って家庭で安価に作られたフェイスカバーを自主的に使う事で、新型コロナウイルスの広がりを遅らせる公衆衛生対策の助けになるでしょう。
感染させられることの予防ではなく、感染させることの予防
【布のフェイスカバーは定期的に洗濯したり消毒したりする必要がありますか?また、その頻度は? 】
はい。 それらは使用頻度に応じて定期的に洗浄する必要があります。
【布製フェイスカバーを安全に滅菌・消毒するにはどうすればよいですか?】
洗濯機できちんと洗えば十分です。
【使用済みのフェイスカバーを安全に取り外すにはどうすればよいですか?】
顔のカバーを外すときは、目、鼻、口に触れないように注意し、取り外したらすぐに手を洗ってください。
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定める憲法25条1項、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とする憲法25条2項のもとで、政府が有効な策を早急に実施する責任を負っていることはもちろんである。
ここで、不当・不要な制約が起きることが危惧されているのが、「表現の自由」(憲法21条)、「幸福追求権」(憲法13条)、「移動の自由」(憲法22条)、「経済活動の自由」(憲法22条・29条)である。
このうち憲法22条と29条は、「公共の福祉」による政策的・積極的な制約を認める規定になっている。先に見たような憲法25条上の責任を果たすため、たとえば「正当な補償」のもとに経済活動への制約を求めること(たとえば一定の土地や建物や船舶を公用収用して医療施設として使うこと)は、できるのである。それが「できない理由」として現行憲法を出し、憲法改正の検討という壮大な迂回路を持ち出すことは、誤りである。
日本国憲法13条には、「生命」という言葉が明記されている。前文には「平和的生存」という言葉もある。これらの言葉と先に見た25条を総合して考えると、日本国憲法は、人間の生命を守ることを根底的な関心事としていると言える。感染症拡大について、ここまでの危機的状況が起きている現在、(緊急事態宣言を行うかどうかはともかくとして)、生命への危険を回避するためにさまざまな政策をとる根拠は、現行憲法上、すでにある。
80%の行動制限
ごく普通の中小企業、製造業で、他者との接触頻度を80%削減するための方策とは
疫学のマクロな視点と、生活のミクロな視点の間に断絶がある。この二つをつなぐものが必要
休校だけでは2-4%しか死亡が減らず,他の社会的隔離政策よりずっと効果が小さく,もしするなら他の社会的隔離政策と組み合わせて実施することを政策決定者は考慮すべき
Lancetの姉妹誌,Lancet Child & Adolescent HealthにViner RM et al. "School closure and management practices during coronavirus outbreaks including COVID-19: a rapid systematic review"(2020年4月6日出版)という,学校閉鎖についてのレビューが載っていた。Lancetの特設サイトでEditor's Pickになっている。Summaryを見る限り,これまで何度も書いてきたのと同じ結論で,多くの国で全国休校が導入されたが,中国や香港のように他の社会的隔離政策と組み合わせて伝播抑制に成功した国でも,休校がどれくらいそれに寄与したかデータがないし,中国,香港,シンガポールのSARSアウトブレイク時のデータでは休校は流行抑制に寄与していなかったし,最近のモデル研究(インペリグループ第9報のこと)でも休校だけでは2-4%しか死亡が減らず,他の社会的隔離政策よりずっと効果が小さく,もしするなら他の社会的隔離政策と組み合わせて実施することを政策決定者は考慮すべきだという論調。自分の認識が間違っていなかったと自信がもてた……というか,自分でも時間があれば書けたな。
感染者の世界平均検出率
Gigazineに新型コロナウイルス感染者の世界平均検出率はおよそ6%、実際の感染者は数千万人を超えている可能性という記事があった。が,『フォルマー教授が2020年3月17日時点のデータから、COVID-19の感染が疑われた人のうち、検査で感染が確定した人の割合を「検出率」として算出した』と記述はミスリーティングだ。
「感染が疑われた人」という表現からは,症状などから感染が疑われた人,と思ってしまいそうだが,検出率の分母の計算の仕方はまったく違う。元論文(このページの最後のRead the fulll report here.というリンクからpdfをダウンロードできる)に戻ってみると,
分母となる感染者数推定の手順は以下の通り。
(1)各国から報告されているCOVID-19による死者数は正しいと仮定する
(2)インペリグループがLancet Infectious Diseasesに発表した論文に掲載されている年齢別IFRはユニバーサルに正しいと仮定する
(3)各国の年齢別人口を国連のデータベースから得て,それで重み付けした年齢調整IFRを計算する
(4)死者数をそれで割ると,各国の感染者数が推定できる
ラフな推定値だが,この方法だと,3月17日時点での日本の検出率が約25%と推定されていて,その頃まではかなり検出率が良い方だったと考えられる。
https://gyazo.com/df3ce769cebba23f953e476e491264c3
IFR/CFR
感染致命割合(Infection Fatality Risk: IFR)
北大・西浦さんのグループからJCMに掲載された第2弾(2020年2月4日)メディア等で0.3-0.6%という値が一人歩きして実は低かったという誤解が広まると大変まずいが,感染の半分が不顕性感染者から起こっているので(20200228修正:この部分,この論文に書かれていたことではなかったので削除します),確定診断がついた患者数を分母とする通常のCFRを計算するのではなく,感染者総数を分母として感染致命割合(Infection Fatality Risk: IFRという語を提案されている)を計算するべき,として推定された値であって,決して2-3%が過大だったという話ではない。IFRが0.3-0.6%もあったら1957-1958年のアジアかぜパンデミックに匹敵するということも要旨にも明記されている。
西浦教授は「減らす必要がある接触とは屋内での会話などで、屋外での散歩やジョギングなどの活動はリスクが低いため含んでいない。8割を減らすというのは、これまで10人に会っていたとしたら、8人とは会わないようにするということだ。特に屋内でのちょっとした会話も含めて接触と考えてほしい。ただ、社会機能を維持するためには医療や物流、ライフラインなどに携わる人の接触は減らすことができない。すでに感染リスクが高いことが分かっている夜の接待飲食の店や飲み会で使う居酒屋、ライブハウスやスポーツジムなどでの接触は、100%に近い形で減らしてもらいたい」と話しました。
そして、「働き方についても、すぐに8割を減らすことができなくても、リモートワークを徹底的に進めるなどして今週中には4割、来週は6割といったように段階的に減らしてほしい。リモートワークが難しい中小企業などでも、分散出勤などの工夫をしてもらいたい。一人一人の取り組みでは限界があり、会社を運営する立場の人たちに行動をしてもらい、抜本的に変える必要がある」と話しました。
西浦教授によりますと、接触を8割減らすことができれば、2週間ほどで1日の感染者数の数が落ち着きはじめ、さらに2週間たった1か月後には目に見える効果が出てくることが期待できるということです。
一方で、接触の減りかたが不十分で、7割や6割程度にとどまると効果が出るまでに2か月や3か月とかなり長い期間がかかってしまうということで、西浦教授は「痛みを伴っても、接触を8割減らすことで、対策が長引くことを避け、社会や経済へのダメージを最小限に抑えることができると考えてほしい」と呼びかけました。
情熱大陸、すごい、的な
新型コロナウイルス感染症 クラスター対策専門家 記者意見交換会
政府、厚生労働省を介さずに直接メディアにアプローチしてきた
科学者が科学者であるための独立性
COVID-19 について重要なライターと思われる
BuzzFeed
風邪を引き起こすコロナウイルスの免疫は通常、1、2年しか持続しない
「一度の接種で免疫が生涯続くのであれば、だれにとっても最善のシナリオです」と、ペン長老派医療センターのオドネル氏は言う。しかし、風邪を引き起こすコロナウイルスの免疫は通常、1、2年しか持続しない。これはつまり、人々が毎年COVID-19ワクチンを接種する必要があることを意味する。
現在のところ、一般の人々が疲弊する医療従事者を助けるためにできる最善のことは、公衆衛生上の勧告に従うことだと、オドネル氏は言う。「社会的距離を保つこと、家の中にいること、手を洗うこと、顔を触らないことです。この感染症にかからないよう、できる限りの予防策を講じてください」
日本感染症学会「COVID-19シンポジウム」
2020/4/18
日本感染症学会のシンポジウムより、主に押谷先生の分析と提言について千葉雄登記者がまとめました。年代による感染拡大の特徴の違い、感染者数ではなく地域に広がっているかどうかが重要なことなど、今知っておきたい情報がてんこ盛りです。ぜひご一読ください。
日本感染症学会は「COVID-19シンポジウム」と題した特別シンポジウムを4月18日開催した。
登壇したのは新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長や厚労省のクラスター対策班を率いる東北大学大学院の押谷仁教授ら6人の専門家。
政府の専門家会議や厚労省クラスター対策班、研究、診療の立場からそれぞれが最新情報と課題を報告した。
https://gyazo.com/4197a3dec33a60d8c4c92c793fcbb3d8
https://gyazo.com/89c5464debd6d3500ea31de4f006cb77
https://gyazo.com/593010f67496e8d842af40f83062e832
https://gyazo.com/7efea5b37efbcdad4418d0fc70c6b624
https://gyazo.com/dc876524d4442653bfd6c7a46001e433
最後に、行動変容を行うことができれば、「終息の方向に急速に向かわせることができる」と押谷教授は強調した。
「ただし、このウイルスは日本からも地球上からもしばらくなくなることはない。1年なのか、2年なのか、現時点ではわかりません。ただし、我々がこのウイルスと長期にわたって向き合わなくてはならないことは明白です」
だからこそ、感染拡大やそれに伴う医療崩壊を食い止めるためにも、医療者や研究者だけでなく、国民一人一人の協力が必要だという。
「大きな感染拡大を起こした国々が、必死になって抑え込もうとしています。そして、明るい光も見えつつあります。これから高齢者施設と病院での感染拡大を中心として、さらなる死亡者が出て来ることが予想されます。しかし、日本ではまだまだ低いレベルに保たれています」
「ウイルスと長期にわたって付き合っていく必要があるからこそ、医学だけでなく様々な知恵を結集することが必要です」
https://gyazo.com/b2b19e3e878c7023cd03789363c4d5a7
https://gyazo.com/5f681bf77273774f414f77f8d5555860
https://gyazo.com/4e770e826c494bce4688b36020f7c175
これまでアフリカや東南アジアなど、世界各地で30年にわたりウイルスの脅威と対峙してきた押谷さん。
「僕らの大きなチャレンジは、いかにして社会経済活動を維持したまま、この流行を収束の方向に向かわせていくかということ。都市の封鎖、再開。また流行が起きて都市の封鎖ということを繰り返していくと、世界中が経済も社会も破綻します。人の心も確実に破綻します。若者は将来に希望を持てなくなる。次々に若者が憧れていたような企業は倒産していきます。中高年の人たちは安らぐ憩いの場が長期間にわたって失われます。その先に何があるのか。その先はもう闇の中しかないわけです。その状態を作っちゃいけない。」(押谷さん)
さらに数理モデルが専門の西浦博さんは、自身が示すデータが人の命に直結するという重い責任を痛感しながら、その思いを語った。
北海道大学大学院 教授 西浦博さん
「近未来っていうものが専門性のせいで、自分は定量的にある程度分かります。(ウイルスの)流行がこんなに悲惨なものになりますよ。集中治療、特に人工呼吸器が足らないです。日本でも何十万人ぐらいの死亡者数が見込まれます、というお話をしっかりとお伝えする。その上で、いま行動を変えなくていいんですか。長期持続可能な行動に変えませんか、と呼びかける義務が僕にはあるんだろうと。」(西浦さん)
「今までの生活が返ってくるかどうか。その保証はすぐ近くの未来、1年以内にはありません。ただし、ものすごく自粛をしないといけないような緊急事態宣言下の生活が、ずっと続くということでもない。社会経済活動が停止しない範囲。一方で二次感染が起こるハイリスクな環境、特に屋内環境を避ける手段をみんなで可能な限り考えた上で、クラスター対策の第2弾みたいなものを感染者が減ったところでスタートする。それができれば、この流行とうまく付き合いながら、ゴールが見えてくると思っている。」(西浦さん)
最後に押谷さんは、現状への危機感と、この未知のウイルスを克服するために重要なポイントを語った。
「非常に厳しい状況にあると思っています。特に集中治療の限界を超えて、救える命が救えなくなる、そういうことが東京などの地域では現実のものとなりつつあります。緊急事態宣言が出て対策の効果が見えてくるのは、まだ10日以上先です。その間に感染者はまだ増えるという可能性が非常に高い。そういった地域では早急に医療体制をどう整備していくか、ということが非常に大きな課題になってくると思います。一方で、日本がこのウイルスを急速に収束させる方向に向かう(のではないか)という希望も出てきています。実際にいくつかの地域では、医師会・医療機関・自治体・一般の人たちが連携して、このウイルスを克服しようという動きも出てきています。私はこのウイルスを克服するカギは“地域力”だと思っています。ただし自治体の連携に時間がかかるとか、国からの指示がないと動けないというようなことを言っていると、時間が浪費されていって手遅れになる可能性がある。平時の考え方からいち早く脱却して、この未知のウイルスにいかに立ち向かうのか、ということが必要だと思います。」(押谷さん)
国立感染症研究所は、新型コロナウイルスの患者から感染したリスクのある「濃厚接触者」の定義を変更した。接した時期を患者の「発症日以降」から「発症2日前」に早めた。距離については「手で触れることができる範囲(目安として1メートル)の距離で、必要な感染予防策なく、患者と15分以上の接触があった者」とした。
感染研が発症2日前から感染のリスクがあることを認めた形になる。会話では1メートル以上の距離が求められ、マスクなしに1メートル以内で15分以上会話し、相手が2日後に発症すれば濃厚接触者になる恐れが高まる。マスクには不織布のサージカルマスクだけでなく、布マスクも含まれるという。
実施要領の3月12日版では、濃厚接触者について感染が確認された患者との距離を「手で触れること、または対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)」という基準を示していた。
4月20日版では距離を1メートルに短縮し、対面以外の会話も含めるなど範囲を広げた。具体的な接触の内容は、周辺の環境や接触の状況などから患者からの感染性を総合的に判断する。
発症2日前から
マスクなしに1メートル以内で15分以上会話
マスクには不織布のサージカルマスクだけでなく、布マスクも含まれる
新型コロナウイルスの感染が世界中に流行し、日本においても大都市を中心に急速に広がっています。新型コロナウイルス感染症は、発熱やせき・たん、のどの痛み、体のだるさが主な症状ですが、嗅覚(におい)や味覚(あじ)も低下することが分かり、新聞やニュースで報道されています。しかし、嗅覚や味覚の障害はインフルエンザや一般の「かぜ」でも生じることがあり、必ずしも新型コロナウイルスだけが原因ではありません。また、新型コロナウイルス感染症による嗅覚や味覚の障害は自然に治ることが多く、特効薬もありません。
新型コロナウイルス感染症における対応と注意事項をまとめましたので参考にしていただけますよう、お願いいたします。
1. 37.5度以上の発熱が4日以上続く場合や、咳、息苦しさ、だるさがあれば、お住まいの区市町村の帰国者・接触者相談センターにご相談ください。厚生労働省のホームページからも確認することができます。
2. 急に「におい」や「あじ」の異常を感じるようになった場合には、万が一、新型コロナウイルス感染症であったときに周囲の人に感染を拡大する可能性がありますので、2週間は出来るだけ不要不急の外出を控えてください。その間、医療機関への受診は控え、体温を毎日測定し、手洗いをこまめにしてください。人と接する際にはマスクをつけて対話をしてください。
3. 嗅覚・味覚障害の治療は急ぐ必要はありません。自然に治ることも多いのでしばらく様子を見てください。特効薬はありませんが、2週間経っても他の症状なく嗅覚や味覚が改善しない場合は耳鼻咽喉科外来を受診してください。
テレビが欧米の新規感染者数が減り始め再開に向けて動き始めたと報道しているが,ロックダウンによって抑え込んだなら再開したら再流行するし,対策によって累積感染者数を低く抑え込むことができればピークに到達するまで時間が掛かるのは当然のことだ。Community Mitigationの概念図を思い出して欲しいが,対策に成功すればゆっくり感染者が増えていき,ゆっくり減っていくのだ。日本の収束がドイツやアメリカより遅れていると言って,対策に失敗しているかのような印象を与える報道をするのは間違っている。うまく行ったかどうかは総感染者数や総死者数をどれだけ低くできたかで評価すべき。 http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#SUCCESSFULDEALY https://gyazo.com/9805be49164d6eca60169b5c0006dcf1
【感染から報告されるまでのタイムラグ 】 新型コロナウイルスの感染者が減少し始めてからデータとして見えるようになるには約2週間かかります。私達はこのタイムラグを考慮してデータ分析をしています。 みなさんもデータを見る時にこの点を心に留めてみて下さい。
武藤氏は冒頭、専門家会議の位置づけについて、「新型コロナウイルス感染症対策本部の下、対策について医学的な見地から助言等を行う組織として設置されているが、それ以上の詳しい役割や目的の説明はない」と説明。
類似組織であるイギリスのScientific Advisory Group for Emergencies(SAGE)の役割が、「内閣府ブリーフィングルームで意思決定ができるように、時機を得て(タイムリー)、調整された(コーディネート)科学的助言を確保すること。助言は政府の政策を代表するものではなく、あくまで助言を受けて政府が政策を決定する」と明確であり、常設組織であることと比較。
「専門家会議という名称はやりすぎだった。期待と誤解を生む、背負う物の多い名称だった」と述べ、「専門家会議は今回の対策の為にぽっと設置された会議体であることが、不透明さや不安定さを生んでいる」と問題点を指摘した。
既存メディアで「情報が全く届いていない層」へのアプローチとして、「新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会」と題しNoteとTwitter(@senmonka21)で情報を発信していることを紹介した。
武藤氏は「コンセプトは『秒で理解、秒で拡散』。分かりやすく、全世代の人に届けたい」と意義を説明。既に、「緊急事態宣言で変わること・変わらないこと」や「ゴールデンウイークが明けたら、コロナとの戦いは終わるの?」、「『人との接触』ってどうやって数えればいいの?」等の疑問に西浦博氏や和田耕治氏らが答える形で情報発信をしている。
https://gyazo.com/87736148b99fa60a9781009f1aaa78a3
(「専門家の説明責任と市民の行動変容」資料より)
武藤氏は経緯について、「プロボノにより1週間くらいで実行。現在は30人超の有志が支えている。原則情報発信に徹し、企業からの財政的支援は受けずに、組織・団体から独立することで信頼を得られたらと考えている」と説明。「公的な所が同様の役割を担ってくれるまでは、続けて行かなければならないと思っている」と述べた。
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年4月22日)
2020/4/22
今回、実行再生産数がどうなったかについて報告がなかった
緊急事態宣言以降、この2週間でどの程度の成果が出ているのかについてはノイズになる可能性があったのだろう
今後、ゴールデンウィークがあるから
市中感染の割合について
2.5%~4.2%,
スタンフォード大学の研究チームがシリコンバレーの住人3300人を対象に血液検査を実施したところ、推定2.5%から4.2%が新型コロナウイルスにすでに感染しているとの結果を得た。確認されている感染者の50倍以上となり、致死率は従来の予測よりも大幅に低い可能性がある。
研究チームはフェイスブック広告でボランティアを募り、4月の第1週にドライブスルー方式で血液を採取、検査を実施した。その結果、1.5%がウイルスへの抗体を持っていることが分かった。この数字は、現時点での症状はなくても、ある時点で新型コロナウイルスに感染していたことになる。
同チームは、検査が常にうまくいくとは限らない(誤って陰性が出る場合もある)ことを考慮し、さらに調査対象者の選択バイアスを修正した。その結果、実際には住人の2.5%から4.2%、人口200万人の郡内では8万3000人ほどが、新型コロナウイルスにすでに感染していると推定した。
サンタクララ郡ではその時点で約950人のみの感染が確認されていた。今回の調査は、公式記録が示す「暫定的な感染率」の50倍から85倍も多くの人々が実際には感染していたことを示唆している。
5.97%
4月13日から4月19日の期間に行われた術前および入院前PCR検査において、新型コロナウイルス感染症以外の治療を目的とした無症状の患者さんのうち5.97%の陽性者(4人/67人中)が確認されました。これは院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があり、感染防止にむけてさらなる策を講じていく必要があると考えております。
所在地 〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
東京の慶応大学病院が今月、新型コロナウイルス以外の患者67人に対して、感染しているかどうか調べる検査を行ったところ、およそ6%の人が陽性だったことが分かり、病院は地域での感染の状況を反映している可能性があるとしています。
慶応大学病院によりますと、今月13日から19日の間に新型コロナウイルス以外の患者、67人に対して、手術前や入院前に感染しているかどうか調べるPCR検査を行ったということです。
患者は全員、新型コロナウイルスに感染した際に見られる症状はありませんでしたが、およそ6%にあたる4人が陽性と確認されたとしています。
この結果について、慶応大学病院は患者は病院の外で感染したものと考えられ、地域での感染状況を反映している可能性があるとしています。
保健の専門家たちは、例えばランニングや自転車などの呼吸が激しくなるような活動が感染の可能性を高めるとは考えにくいとしている。しかし、4月15日付けで学術誌「New England Journal of Medicine」に発表された論文によると、大きな声で話すことによって飛沫が話者から最大で1メートルほど飛ぶという。
マスクは感染拡大防止に役立つかもしれないが、最も効果的なのはウイルスを保有している人が身に付けた場合であり、それも正しく装着しないと周囲の人を守ることにはならない。WHOによれば、現時点では、健康な人がマスクを着用することによって呼吸器疾患への感染を防げるという証拠はない。しかし、新型コロナウイルス感染症の症状が表れていない人が感染を広めることはありうるため、CDCは公共の場で布製のマスクを着用することを推奨している。
誰もが実践できる最も重要なことの1つは、くしゃみや咳をするときには必ず鼻と口を覆うということだ。
ニュー・ノーマル
バズワードっぽい
日本では行動変容
肺炎症状が出ているのに、息切れ感じない
1月14日から2月12日までの深圳CDCのデータを使って,発症から確定診断,隔離,入院までの日数と伝播に関する指標値を推定することが目的で,最初にデータを得た時点では391症例の91%は軽症で,2月22日時点では3人が死亡,225人が回復していたこと,発症後隔離まで平均4.6日だったが,接触者追跡によってこの日数が平均1.9日減ったこと,世帯内感染全体のうち患者と一緒に旅行した場合の感染リスクが6.27倍,患者と一緒に旅行すると他の濃厚接触の7.06倍感染しやすくなること,世帯内での大人から子供への感染は大人同士の感染と起こりやすさに差が無いこと,観察された再生産数が0.4で平均発症間隔が6.3日だったこと,がfindingsとしてsummaryに書かれていた。 http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#MISECONDINFECT 新型コロナウイルスに感染したあとで重症化し、人工呼吸器や人工心肺装置を使って治療を受けている患者について、日本集中治療医学会がウェブサイトで都道府県別の人数のデータを公開し、対策に生かしてほしいと訴えています。
日本集中治療医学会は、新型コロナウイルスで重症化し、人工呼吸器と、ECMO(エクモ)と呼ばれる人工心肺装置を使っている患者数の推移を都道府県別に日ごとにまとめ、28日、ウェブサイトで公開しました。
クライシスコミュニケーション
第1に、陽性の検査結果を知らせてきた従業員に、思いやりを示すこと
次に、人事部の担当者に連絡すること。感染拡大リスクを最小限に抑えるために、ここは迅速に動く必要がある
ただ少なくとも、感染が確認された従業員に、過去2週間に「濃厚接触」した同僚の名前を聞く必要がある
米国疾病予防管理センター(CDC)は、「濃厚接触」を「感染者と180センチ以内の距離に長時間いた者」と定義している
そして、濃厚接触者にできるだけ早くその旨を知らせ、CDCのウェブサイトに示されている通りの助言を与え、かかりつけ医に連絡するよう指示しよう。
ここでは、守秘義務をきちんと守る必要がある。感染者のアイデンティティを明かすことなく、濃厚接触者全員に連絡を取ろう
どの方法にせよ、あなたのメッセージは同じでなくてはいけない。「私たちの職場の仲間が、新型コロナウイルス感染症の陽性と確認された。あなたはCDCの定義による濃厚接触者に当たる。私たちは全面的にサポートする。いま職場にいるなら、できるだけ早く帰宅の準備をしてほしい。そして帰宅したら、または、すでに在宅勤務中であるなら、自己隔離できる場所を探し、何らかの症状がないかを自分でチェックし、かかりつけ医に連絡すること。その過程で助けが必要だったら連絡してほしい」という内容だ。
感染者と濃厚接触者への連絡が終わったら、職場全体に警告することを検討しよう
このときのメッセージは、会社が社員をどのように扱っているかの象徴になるので、透明性を確保し、冷静なトーンにすることが重要だ。
感染者と濃厚接触者のアイデンティティを明かさないこと。そのうえで、シンプルに事実を伝えよう
最後に、CEOなどのシニアリーダーが感染者に声をかけることは助けになる
筆者がコーチしているあるCEOは3月末、無症状者を含め、陽性が確認された従業員全員と濃厚接触者に電話をかけた。大変な思いをしている従業員に声をかけることだけが目的で、電話を受けた全員が感謝の気持ちを示した
7. If one of our employees is quarantined, what information can we share with our employees?
If an employee is confirmed to have COVID-19, employers should inform fellow employees of their possible exposure to COVID-19 in the workplace. Employers should not, however, disclose to co-workers the identity of the quarantined employee because confidentiality requirements under federal law, such as the Americans with Disabilities Act (ADA), or state law, such as California’s Confidentiality of Medical Information Act (CMIA), may apply.
7.従業員の1人が隔離された場合、従業員とどのような情報を共有できますか?
従業員がCOVID-19を持っていることが確認された場合、雇用主は職場でCOVID-19にさらされる可能性があることを同僚の従業員に通知する必要があります。 ただし、雇用者は、隔離された従業員の身元を同僚に開示しないでください。これは、米国障害者法(ADA)などの連邦法、またはカリフォルニア州の医療情報機密保持法(CMIA)などの州法に基づく秘密保持要件があるためです。 、 適用される場合があります。
【Q5】
従業員がウイルスに感染していることがわかりました。このことは公表すべきでしょうか。また、ウイルスによる企業の業績への影響について公表すべきでしょうか。
【A】
従業員情報の公表、企業の業績への影響の2つについて、それぞれ解説したいと思います。
1. 従業員情報の公表
(1) 公 表
労働契約法5条は、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定しています。
そのため、使用者は、労働者の安全や健康に配慮する義務(以下、「安全配慮義務」といいます)を負い、会社内で従業員がウイルスに感染したことが判明した場合には、保健所や職場に告知・連携を行い、感染経路や(濃厚)接触者の範囲を確認のうえ、消毒作業などの「必要な配慮」をとらなければならないと考えられます。
他方、保健所等に対する告知や上記の「必要な配慮」を超えて、情報公開をするか否かについては、現在、一律のルールは定められていません。
この点、企業イメージや事業に与える影響から、公表をすべきか否か、公表するとした場合にいかなる範囲で公表するのかなどについての判断は、極めて難しいものといえます。
もっとも、会社を訪れる人の二次感染被害の防止や内部から通報された場合のリスクを考慮すれば、個人情報の保護に配慮したうえで、可能な限りの事実関係や対応措置について公表することが望ましいといえるでしょう。
実際に、NTTデータや電通、JR東日本などでは、社員の感染情報等について公表しています。
(2) 個人情報の保護
個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)16条2項は、個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで当該「個人情報」を扱ってはならないと規定しているところ、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」には本人の同意が不要であると規定しています(同条3項2号)。
もっとも、感染者について、年代・性別・居住地域などの基本情報以外は公表しないという行政の対応に合わせることにより、「個人情報」にあたらず、本人の同意が不要であると考えられるため、個人情報保護法違反の問題が生ずる可能性は低いといえるでしょう。
なお、会社としては、会社内で従業員がウイルスに感染したことが判明した場合に、どのように公表等の対応をするのかについて、従業員に対してあらかじめ周知しておくことが、その後の問題を回避するためにも有益だと思われます。
リスクコミュニケーションは適切か?
リスクコミュニケーションは適切か?
ーー市民と政府の間のコミュニケーションはとても重要だと思いますが、日本ではこのリスクコミュニケーションはうまくいっていますか?
下手くそですね。専門家会議も、リスコミの専門家が入っていると思いますが、あまり発言できていない感じですね。
「3つの密」もあの3つの円が重なっているベン図、最初は重なっているところの色が濃くなかった。集合の概念をよく理解する人は、3つの条件が全て重なったど真ん中がいけないということはわかるのです。
https://gyazo.com/4c0bc32fc1bf466468bc2eb2662b3af9
でも一般の人にそれは伝わっていない。3つ全てダメだと思っていた人が多いです。ある程度のわかりやすさが必要なんです。
これのそれぞれの要素が全部ダメとなったら、社会生活が成り立たないです。メッセージをどうわかりやすくするかということがまず大事ですが、メッセージは単に情報を渡すだけではありません。
人々に見通しや安心感を与えるメッセージも必要です。今は危険のメッセージばかりです。でもこうすると、未来が見えてきますよというメッセージが必要です。
「偶然や幸運は続かない 次の波で戦えるか?
「個人の自由と公共心
「公衆衛生の強制力と人権
ただしこの人も、公衆衛生学のプロであって、感染症のプロではない
https://gyazo.com/f430726d36333b8c436b6b68c943c43a
世界各地の研究所において SARS-CoV-2 のゲノム配列が解読されており、2020 年 4 ⽉ 16 ⽇現在で4,511 患者の SARS-CoV-2 ゲノム配列(ゲノム分⼦疫学に充分なほぼ完全⻑)が登録されている 7。国内においても各地の協⼒施設から陽性検体を収集し、562 患者においてゲノム解読を実施した。それら世界と⽇本のゲノム情報を統合して塩基変異を抽出し、ウイルス株の親⼦関係を⽰すハプロタイプ・ネットワーク(図1)を作成した。SARS-CoV-2 の変異速度は現在のところ 25.9 塩基変異/ゲノム/年(つまり、1年間で 25.9 箇所の変異が⾒込まれる)と推定されている 8。2019 年末の発⽣から4ヶ⽉ほどの期間を経てゲノム全域に少なくとも 9 塩基ほどの変異がランダムに発⽣していると⽰唆されている。
1 ⽉初旬に中国・武漢から発したウイルス株を基点にして、⽇本各地で初期のクラスター(図1 ⾚●)が複数発⽣し消失へと転じていることが確認された。さらに、2⽉5⽇から本格的な検疫を開始したクルーズ船・ダイヤモンド・プリンセス(DP)号の乗客・乗員 896 名(全対象 3,711 名の 1/4 に相当)から検出された陽性患者 148 名のうち 70 名分のゲノム情報を確定した 9。武漢株(Wuhan-Hu-1: GenBank_IDMN908947)のゲノム情報と⽐較した結果、船内の⼤規模感染を引き起こした株のゲノムは1塩基のみ変異(G11083T)していた(図1 マゼンタ●)。現在のところ、この DP 号を基点とするウイルス株は検出されておらず、⽇本においては終息したものと思われる。
この中国からの第1波による感染クラスターを抑え込みながらも、世界では3⽉初旬からヨーロッパおよび北⽶で感染拡⼤と感染爆発の傾向がみられ、⽇本においてもヨーロッパ株を基点にした SARS-CoV-2株が検出された(図1 左上・⾚●)。その後、⽇本での3⽉における⾏動制限が不⼗分な中、⼤都市圏での感染拡⼤を発端に全国各地へ“感染リンク不明”とされた孤発例が多数検出されるようになった。2020 年 3 ⽉末から4⽉中旬における⽇本の状況は、初期の中国経由(第1波)の封じ込めに成功した⼀⽅、欧⽶経由(第2波)の輸⼊症例が国内に拡散したものと強く⽰唆された。
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月4日)
2020/5/4
記者会見資料
「新しい生活様式」
長丁場を宣言
2020/5/6
このあと加藤大臣は記者団に対し、新型コロナウイルスのPCR検査をめぐり、これまで「37度5分以上の発熱が4日以上続く場合」などとしてきた相談・受診の目安について、「自宅で体調が急速に悪化する事例なども出てきているので、専門家や医療関係者、保健所の方々に素案を出して意見を聞いている」と述べ、見直しを進めていることを明らかにしました。
そのうえで、新たな案について、「『高熱』と『発熱』という2つの概念を出す。『高熱』だと思った方はすぐ検査に行っていただく」と述べ、目安には基準とする体温の数値は明記せず、高熱が出た場合や基礎疾患がある人などは軽い発熱でも相談できるよう見直し、近く公表する考えを示しました。
SARS-CoV-2 感染の実態について
https://gyazo.com/4ee435943f112444cadfc36eb413b97e
感染した日からの感染性の推移(Science 10.1126/science.abb6936 (2020).およびTomas Pueyo氏 "The Basic Dance Steps~"より)
この図は感染した日(発症した日ではありません)からの感染性の推移を見たScience誌に掲載された論文の図を元にTomas Pueyo氏が作成されたものですが、なんかカッチブーな図なので紹介します。
これによると人から人への感染は、
発症前の時期が45%
発熱や咳などの症状のある時期が40%
環境(高頻度接触面など)を介した感染が10%
無症候性感染者からが5%
人から人への感染の約半分が「発症前の時期」または「無症候性感染者」から感染することになります。
発症前感染 45%
無症候性感染者 5%
https://gyazo.com/f4dff89677f82e479bacccaee79ea3f3
インフルエンザは発症から1日後、
SARSは発症から10日後頃に感染性のピークが来ます。
これに対し、新型コロナは発症2日前に感染性のピークがあることが分かっています。
COVID-19 疑わしい感染からの復職
新型コロナと診断されていない風邪症状の人が休む期間は?
現在は医師の判断でPCR検査をすることができるようになっています。
しかし、地域によっては検査のキャパシティのために必ずしも検査ができないことがあります。
「コロナかもしれないのにPCR検査をしないなんて!」と思われるかもしれませんが、PCR検査をしたからといって新型コロナを100%否定することもできません。
また、若い方では新型コロナウイルス感染症は非常に軽微な症状であることが多いことも分かってきています。
そうすると、ただの風邪と新型コロナウイルス感染症とを区別することは医師であっても非常に困難です。
こうした発熱や風邪の症状があったものの新型コロナと診断されなかった(PCR検査が陰性、医療機関を受診しなかった場合を含む)人はいつ職場復帰すればよいのか、についても日本渡航医学会、産業保健委員会などが目安を示しています。
次の 1)および 2)の両方の条件を満たすこと
1) 発症後に少なくても 8 日が経過している
2) 薬剤*を服用していない状態で、解熱後および症状**消失後に少なくても3日が経過している
*解熱剤を含む症状を緩和させる薬剤
**咳・咽頭痛・息切れ・全身倦怠感・下痢など
新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策
日本渡航医学会 産業保健委員会
日本産業衛生学会 海外勤務健康管理研究会
CDC勧告 7日間→10日間へ変更
2020/5/3
2020/4/30
適切な専門家に聞く「新型コロナ」の読み解き方
インタビューア:川端裕人さん
インタビューイ:中澤港さん
先日川端君からの提案で実現したインタビューが,今日からWebナショジオで連載開始。4月中旬の日曜午後に6時間くらい掛けてZoomでインタビューを受けた内容を川端君が咀嚼して文章にした後でチェックさせて貰って情報追加したものなので,既に内容は固まっているのだが,1日当たりの量には制限があるらしく,結構長い連載になるらしい。状況の変化によっては今後追加もあるそうだ。CFRとIFRの違いとか検査性能の評価の話,そしてクラスター対策の本当の意味については,とくに世間の共通認識になって欲しい。 http://minato.sip21c.org/im3r/20200512.html ブラジルの確定患者数がUSA,ロシアに次いで世界3位になったというBMJのニュースが,2020年5月21日付けで出ていた。ダウンロード済みのデータファイルをリネームして,Rコードを再び走らせて国別死者数推移を描いてみたら,ブラジルの急上昇は確かに目に付くが,それでも当初よりは指数的増加の傾きは小さくなっているので,意外に早くR<1になるのかもしれない。西浦さんが東洋経済でインタビューに答え,先週触れていた論文(ここでも紹介した)に言及し,集団免疫戦略に切り替える国が出てくるかもしれないという主旨の発言をされているが,クラスターの存在や年齢などによる異質性をちゃんと考えたモデルだと総感染者数が人口の20%程度で集団免疫に至る可能性があるとすれば,終息までの総感染者数は当初予測より少なくて済みそうだが,それでも多くの先進国には受容不可能だとぼくは思っていた。しかしUSAの死者数は既に10万人近いので,言われてみれば,もはや抑え込むというレベルではないのかもしれない。そうなると,確かに,抑え込みに成功している東アジアの国々と,集団免疫状態に達するまでのUSAとの交通は大きな問題になりそうだ。 http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#CHANGESTRATEGY 西浦さんがFacebookで触れていたという,プレプリントサーバに載っている2本の論文は,Rの過分散とmixtureの偏り(ある意味同じ現象の違う側面を構成しているようにも思うが)を考えてモデル化すると,既感染者割合が20-40%でも集団免疫に至る可能性を示したという話なので,そのFacebook記事が書かれる元となった宮坂先生の主張である,対策が取られてRtが下がるので既感染者割合20%以下でも収束するという話とは筋が違うし,何も対策しないでR0が2.4で完全なランダムmixtureの大集団なら80%が既感染にならないと集団免疫がついた収束には至らないという古典的なモデルが否定されたわけではない。Lipsitch教授は2月頃にRの過分散にもパンデミックに至らない可能性の1つとして注目していた連ツイの最初のところで,ランダムではないmixtureを考えたら40-70%でパンデミックが終息すると予想していたが,具体的に集団の不均質性をモデルに入れると,もっと低いかもしれないという話は興味深い。ただ,20%としてもIFRが1%だったら人口の0.2%が死亡する災厄なので,先進国では受容できないと思う。 http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#NEWHERDIMMUNITYMODEL ここからは数理疫学の専門分野を離れてしまうが、仮にアメリカが感染拡大の制御を諦めれば、経済を回すために他国にも「門戸を開けなさい」と迫るのではないだろうか。そうなれば、日本に影響がないはずはない。 もしそうなれば、日本国内でせっかく感染拡大を制御できていても、海外との人や物の移動が再スタートとなり、感染再拡大に火がつきかねない。 感受性人口がまだまだ膨大にいる日本と、感染者をたくさん持つ国が1週間に何便ものフライトでつながってしまうわけだから。実際に6月からこの動きはある程度始まりそうで、アメリカのエアラインがカリフォルニア州と日本を結ぶ週3便を再開するという話が出ている。 集団免疫率が従来の想定の半分強で済むことによって、海外の国の戦略が変わってしまい、日本独自の対策だけでは話が済まなくなる可能性がある。人の移動を遮断できないと、集団人口単位の政策は効果を失うのが、感染症対策の特徴だ。国際協調のあり方を含めて、この問題について多くの人に考えてもらいたいと思っている。 https://toyokeizai.net/articles/-/352503 ―過度な感染症対策は、監視・管理社会につながるという指摘もありますが。
現行憲法下では、中国や韓国のように国民を監視・管理することは難しいと思います。感染症の分野では戦後、憲法違反の状況が多く残されていましたが、患者が起こした訴訟の判決が是正を迫ってきました。憲法が保障している基本的人権を尊重する体制とすることを、感染症対策においても求めてきた歴史があります。個人情報の保護に努めることも求められています。緊急事態には社会防衛を優先すべきとの主張もありますが、過去の判例などを考えると難しいように思います。日本では感染症流行時であっても、警察や軍隊を動員してまで市民を取り締まることを正当化するのは難しいのです。このことを理解しておく必要があります。
これに対して欧米先進国の多くは、第二次世界大戦の戦勝国であることから、戦前の感染症対策のフレームワークをベースにした体制を維持しています。例えば、米国の公衆衛生長官の名称は軍医総監(Surgeon General)とされています。また、欧米の感染症に関わる研究機関や研究所と軍の施設とは深い関係にあります。フランスや米国で、「これは戦争だ」などと首脳が発言しているのもその表れです。
また、お隣の韓国がPCR検査を迅速に大量実施できたと評価されていますが、国民を戦時動員できる国であることが背景にあります。位置情報システム(GPS)などで国民を監視する体制も、そのような国家体制と関係しています。日本は憲法上、軍隊を持たない国であり、欧米や韓国とは少し異なる方向を目指す必要があります。
―異なる方向を目指すとはどういうことなのでしょうか。
地方自治体と国民とが主体的に関わり、協働して進めていく仕組みを進化させるしかありません。地方自治体の対応力を高め、国民の感染症対策の関与を高めることです。これこそまさに、19世紀に誕生した公衆衛生の完成した形と言えるのかもしれません。公衆(Public)の、公衆による衛生というシステムを日本で完成させるのです。これは憲法が求めている日本の未来像かも知れません。そのためには、自治体と国民の感染症のリテラシーを高めていけるかどうかにかかっています。
昨日の専門家会議の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和2年5月29日)(膨大な資料で,読むだけでも大変だが,作るのは大変だっただろう)の「補論」で,「三密」を避けるクラスター発生回避が有効だったという自己評価が明示された。この自己評価は,某議員のtweetによると,当該議員が尾身先生に中間評価の提示を依頼し,その中で「さかのぼり」という言葉を使うよう求めたとのこと。retrospectiveは「後向き」と呼ぶのが普通なのに,なぜback tracingを思わせる「さかのぼり」という言葉を使うのか(ここでいうprospectiveもretrospectiveも両方contact tracingには違いないのに)不思議だったが,議員の指示だったか。まあ言葉の問題はさておき,3月3日に書いたことを漸く専門家会議自身が公式に明記したのは,いったん収束した(たぶん接触制限から予想されたよりも早く)ので,クラスター対策の有効性にある程度自信がもてたからだろう。ぼくは,もっと予防効果の重要性を強調した方が良いと思うが。 https://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#SAKANOBORI 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」
2020/5/29
サンデーモーニングで松本哲哉先生が再開された職場での感染は仕方ないと言っているが,クラスターが報告されている職場の中で,3月3日にWHOが出した"Getting your workplace ready for COVID-19"を遵守しているところがどれくらいあるのだろうか。三密を避けられる職場であれば,できることをきちんとやれば,クラスターにはならないと思うのだが。逆に,東京の現況を放置したら秋冬ではなく7月末から8月に大流行するリスクもあると思う。奇跡のようにうまく設置されたクラスター対策班を招集した専門家会議も政治家によって廃止されてしまったし,日本は政治家が無能すぎ,官僚が権力に従順すぎるので絶望的な気もする。希望は,多くの人々が自主的に正しく防御に配慮した行動を続けることと,HER-SYSとCOCOAがうまく動いて,濃厚接触者が自主隔離できるようなインフラが整うことだが……。 http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#PSWORKPLACE 3W 3C
(5月13日)
保健省が以下を発表しました。
・社会のすべての層の者が社会的責任を負い,COVID-19感染を抑制するために自分の役割を果たさなければならない。これは,保健省が推奨する予防的措置,特に以下のTHiSを遵守することによって行うことができる。
T: CMCOの下で設定された条件とSOPs
Hi:子ども,乳幼児,高齢者,障害者などのハイリスクグループは保護されなければならず,症状があって具合が悪い場合は早期に治療を受ける
S: 他人から1メートル以上離れている安全な社会的距離を常に保つ
・事業主,取引業者,雇用主は,当局が定めたすべての条件とSOPを遵守しなければならない。公共の場での集会や,公衆をCOVID-19感染のリスクに晒すような活動は,これまで通り禁止されている。
・保健省はまた,3Cと3Wを覚えておくように一般市民に助言する。
・3C,すなわち,混雑した場所(Crowded places),狭い空間(Confined spaces),密な会話(Close conversations)を避ける
・3W,すなわち,水と石鹸で頻繁に手洗いをする(Wash),公共の場所あるいは症状がある場合はフェイスマスクを着用する(Wearing),以下のことを自分や他人に警告する(Warn)
(ア)握手や他人に触れないようにする
(イ)咳エチケットを実践する
(ウ)頻繁に触れる表面を消毒する
(エ)家にいる
(オ)症状がある場合は治療を受ける
2020/7/2
なし崩し的に東京も緊急事態宣言が解除されたことからすると、日本の政府はNZや台湾のような終息あるいは排除を目指していないのだと考えられる
経済活動をちゃんと再開したかったら,順次緩めるのではなく,このようにきちんと封じ込めるまで対策を続けるべきで,それで生活がもたない人や業種に対しては,直接給付によって生活を支えるのが政府の役割であるべきだろう。GoToキャンペーンは旅行代理店や広告業界を潤すことになるから,それに依存しているメディアでも利害関係者が多すぎて批判されにくい面があるのだろうし,アドヴァイザリーボードも愚策Aともっと酷い愚策Bの2択でAを選んだという話ではあるのだろうが,機能していないなあ。前専門家会議が勝手に廃止された時に読めていたことだが。
もし緩やかに経済を回しながら2年間耐えるつもりで東京の感染が収束していない段階で行動制約を解除したのならば,昨日の麻生派の会合みたいな大規模なmixtureとか,既に多くの店で普通に見られる対面での飲食は,感染が終息するまでは許可すべきではない。なし崩し的に東京も緊急事態宣言が解除されたことからすると,日本の政府はNZや台湾のような終息あるいは排除を目指していないのだと考えられ,そうだとすると3月のレベルまでしか行動制約を緩めることはできない(小中学校は開校できると思うし,野球やサッカーの観戦も今のやり方ならリスクはそんなに高くないと思うが)