殉教
https://gyazo.com/f71121d61268534a97847d672d093fca
星新一作
新潮文庫・作品集『ようこそ地球さん』収録
https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/109802/
概要
星新一の商業第2作にして、代表作のひとつ。
死者と会話が出来る装置が発明されて、死後の世界が非常に幸福であるという事実が判明し、自殺の大流行が起こった世界を描いた物語。
おすすめポイント
星作品最高峰の完成度と、比喩表現の卓越性。
「生と死」という壁を排除した世界を、簡潔な言葉で表すことでどこで起きても不思議ではない物語のように感じられるところが好きです。この作品は60年以上前に書かれた作品ですが、今どこのだれが読んでも発表当時と同じ鮮明さをもって読まれるのではないかなと思います。
実は、この作品は最初の雑誌掲載版と現行の『ようこそ地球さん』収録版とではかなりの部分が書き換えられており、それらを比較することで星新一の新たな側面を知ることが出来ます。(参考:http://shiyuu-sf.hatenablog.com/entry/2018/11/03/160329 )
子供のころいちど読んでいても、大人になった今なら、また新しい発見があるかもしれません。
同じ「生と死」というテーマを扱った星新一の作品、「処刑」「生活維持省」の2作と読み比べるとより楽しめます。
次に読むSF
同じ作家から選ぶ
星新一「処刑」
星新一「生活維持省」
星新一「ゆきとどいた生活」
星新一「最後の地球人」
違う作家から選ぶ
伴名練「延命小説」
安部公房「鞄」
筒井康隆「お助け」
筒井康隆「睡魔のいる夏」
筒井康隆「笑うな」
筒井康隆「にぎやかな未来」
小松左京「地には平和を」
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