ゆきとどいた生活
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星新一作
新潮文庫・作品集『ボッコちゃん』収録
https://www.shinchosha.co.jp/book/109801/
概要
星新一の代表作のひとつ。
朝起きてから出かけるまで、すべてのことを行ってくれる家事ロボットが普及した近未来が舞台。
レイ・ブラッドベリ『火星年代記』収録の「二〇五七年十月 優しく雨ぞ降りしきる」を元ネタとした作品。
おすすめポイント
これぞ星新一、といった感のある諷刺。
諷刺性に富みながらも、それが嫌でないという素晴らしい作品。
この作品は上述の通りブラッドベリの「優しく雨ぞ降りしきる」という作品が元ネタとなっているのですが、抒情性に富むブラッドベリと、乾いた諷刺に富む星新一とで比較すると、両者の違いというものがより浮き彫りになります。星新一がSF作家になったきっかけが『火星年代記』である、ということがよく分かる実例です。
SFにおいて、別々の作者が同じテーマや着想から物語をつくりだすということはよくあることですが、これによってそれぞれの作家の姿勢がよく見えるのが非常に面白いところです。(例:シェクリイ「危険の報酬」と手塚治虫『火の鳥』「生命編」)
読めば読むほど楽しめる、SFというジャンルの面白さを体現した作品です。
次に読むSF
同じ作者から選ぶ
星新一『ノックの音が』
星新一「包囲」
星新一「暑さ」
星新一「処刑」
星新一「最後の地球人」
違う作者から選ぶ
レイ・ブラッドベリ『火星年代記』
「優しく雨ぞ降りしきる」
フレドリック・ブラウン「ノック」
フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」
ロバート・シェクリイ「危険の報酬」
筒井康隆「にぎやかな未来」
筒井康隆「幸福ですか?」
筒井康隆「デマ」
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