火星年代記
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レイ・ブラッドベリ作/小笠原豊樹、木島始、森優(南山宏)訳
ハヤカワ文庫SF・連作短篇集
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000011764/
概要
SFの吟遊詩人ブラッドベリの描き出すソネットのような作品。
SFマガジン700号記念人気投票において、海外長篇部門第16位を獲得。
おすすめポイント
星新一がSF作家を目指したきっかけになった歴史的名作。
星新一と言えば、知らない人がいないほど有名な作家ですが、その星新一がSFを書くきっかけになった作品がこの『火星年代記』です。
抒情的で装飾きらびやかな文体のブラッドベリと、無駄な装飾を極限まで排した文体の星新一とではまったく方向性が違うように思われますが、作品を読み比べると、目線やアイデアなどに共通点がいくつか見られるのに気づくかと思います。特にそれが顕著なのが『火星年代記』収録の短篇「優しく雨ぞ降りしきる」と、星新一の「ゆきとどいた生活」です。アイデアがほぼ一致していますが、読んだ印象はまるで違います。ブラッドベリと星新一、それぞれの作家としての特徴がよく分かる例です。
もちろん、『火星年代記』自体も素晴らしい作品なので、まずは最初の短篇「ロケットの夏」だけ試しに読んでみてください。きっと読まずにはいられなくなるはずです。
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#オールタイムベスト #卜部理玲のマイベスト #火星SF