鞄
https://gyazo.com/1c90989029fbc08d3d5fdcf3e55c6ecf
安部公房作
新潮文庫・短篇集『笑う月』収録
https://www.shinchosha.co.jp/book/112118/
概要
主人公の事務所に、ある男が訪ねてきた。男の言うには、鞄に導かれてやって来たというが......。
おすすめポイント
安部公房の思考実験の面白さ。
公房の作品の面白さは、論理的な思考実験の面白さにあります。ある条件下での、公房の思考実験の軌跡をそのまま味わえるのが公房の小説の面白いところです。
この作品は最後の視点変更が鮮やか。実に論理的に、思いもよらない視座へと至れる、SFの面白さのエッセンスと言える作品です。
ちなみに、安部公房と星新一はお互いライバル視していたことで知られています。ふたりの作品を読み比べていくと、その理由が分かってくることかと思います。
次に読むSF
同じ作者から選ぶ
安部公房「R62号の発明」
安部公房「第四間氷期」
安部公房「箱男」
違う作者から選ぶ
夏目漱石「夢十夜」
星新一「処刑」
星新一「殉教」
星新一「ひとつの装置」
川端康成「片腕」
伊藤計劃「ハーモニー」
伴名練「延命小説」
#卜部理玲のマイベスト #ショート・ショート