メモ:現在手に入る中国SFリスト
『三体』で中国SFを知った方のために、現状手に入る中国SF・中華SFを掲載した本をリストにしました。抜けがあるかもしれませんが予めご了承ください。
それぞれだいたい手に入れやすい順に単行本・雑誌・同人誌に分けて上から並べていきます。(入手難易度はあくまでも目安です)
収録作品等、詳細は個別ページにて確認してください。
なお、「中国SF」「中華SF」および「SF」の定義はかなり広くとっています。
単行本・文庫本等
長篇。
長篇。
アンソロジー。
アンソロジー。
長篇。
短篇集。(広義の中華SFということでご勘弁)
アンソロジー。
『2000年代海外SF傑作選』(ハヤカワ文庫SF)
アンソロジー。
『2010年代海外SF傑作選』(ハヤカワ文庫SF)
アンソロジー。
『中国・SF・革命』(河出書房新社)
文藝2020年春季号の単行本版。単行本化にあたり、ケン・リュウ「宇宙の春」が「トラストレス」と入れ替えになり、新たに郝景芳「阿房宮」などが追加。 アンソロジー。
短篇集。(これも広義の中華SFということでご勘弁)
短篇集。
短篇集。
短篇集。
短篇集。
短篇集。
短篇集。
短篇集。
短篇集。
『沈黙の遺伝子』
黄序作/望月暢子訳
長篇。
『沈黙の細胞』
黄序作/望月暢子訳
長篇。
長篇「黄泥街」と訳者の論文を収録。
あまりSFらしいSFとは言えないものの、とりあえず広義のSFということで。
短篇集。
短篇集。
長篇。(同じく広義の中華SFということで)
中国の出版社、外文出版社が日本向けに日本語で出版しているSF短篇集。
中国からの個人輸入か、中国の本を取り扱っている専門の書店からでないと購入出来ない。そして異様に高い。(約7000円超)
連作短篇集。(台湾)
『台湾セクシュアル・マイノリティ文学 2 紀大偉作品集『膜』』(作品社)
短篇集。
入手困難。
『中国科学幻想小説事始』(イザラ書房)
童恩正作/ 訳「雪山魔笛」
鄭文光作/ 訳「太平洋人」
短篇小説2作、映画シナリオ1本、評論3編のほか、魯迅によるヴェルヌ「月世界旅行」の前書きが収録されているのが特徴。
小説は70年代の作品の翻訳であり、翻訳当時ですでに20年以上前の作品。
入手困難。
長篇。
『三体』序盤で文化大革命の犠牲者の筆頭として名前が挙がった中国の国民的作家、老舎の”失敗作”。
SF界隈ではその表紙のドギツさと内容のダメダメさ、そして作者本人に「失敗作だ」と断言されているネタ性によって、不名誉な方向であまりにも有名。
入手困難。
雑誌
SFマガジン2020年12月号
劉慈欣作/泊功訳「人生」(特集の一環ではなく、連載企画として) 本号は中国SF特集第二弾で、中国のSF雑誌『科幻世界』とのコラボ特集でもあります。充実の中国SFブックガイド、立原透耶先生による特集解説など、見逃せないラインナップです。 アジア文化(亜州文化)2019年10月号(特集 王晋康SF傑作選)
「転生の巨人」井田綾訳
「夏禍帰還」浅田雅美訳
「天に替りて道を行う」上原徳子訳(誌面では泊功訳と誤記)
「追殺」笹沼俊暁訳
「水星播種」(中国語)
「生命之歌」(中国語、邦訳あり「生命の歌」)
「養蜂人」(中国語、邦訳あり「養蜂家」)
「終极爆炸」(中国語)
「七重外殻」(中国語、邦訳あり「七重のSHELL」)
「斯芬克斯之謎」(中国語)
座談会『王晋康作品について語る』
ほかにも評論を掲載。
文藝2020年春号(特集 中国・SF・革命)
立原透耶「『三体』以前と以後 中華圏SFとその周辺」(エッセイ) 黒色中国「監視社会を生きる人々」(ルポ)
※伴名練さんによるジョージ・ソーンダーズ作/岸本佐知子訳『十二月の十日』の書評も掲載されているので、お見逃しなく。 単行本として、作品を追加して刊行されます。
SFマガジン2020年6月号〜
劉慈欣の訳しおろし短篇を連載中。
SFマガジン2019年8月号
ミステリマガジン2019年3月号
本号は華文ミステリ特集号であり、ほかにも陸秋槎と陳浩基の短篇を収録している。 三田文学2019年春季号
SFマガジン2019年4月号
SFマガジン2017年2月号
現代中国文学 第13号
現代中国文学 第19号
現代中国文学 第22号
灯火 2017年 社会と人間
これ以降は入手困難な雑誌。
聴く中国語2017年11月号
聴く中国語2017年12月号
SFマガジン2008年9月号
SFマガジン2007年6月号
SFマガジン2003年10月号
本号は非英語圏SF特集号で、ほかにフランス・ロシア・ドイツ・スペインの作品と紹介が掲載されています。
SFマガジン1990年7月号
(台湾)
SF宝石1980年2月号
SF宝石1981年6月号(終刊号)
SFマガジン1979年11月号
1980年前後のSF宝石、奇想天外にも中国SFが掲載されていたとの情報をSF翻訳家山岸真さんからいただきました。現在調査中です。(2020年4月11日、追記しました) 同人誌
『天球の音楽』(2018年4月刊行)
ケン・リュウの作品を収録した同人誌。
『九龍』第2号(2018年12月刊行)
東北大学SF・推理小説研究会の機関誌。現在も通販形式にて頒布中。詳しくは東北大SF研Twitter(@tohoku_sf)まで。
SFファンジン2016年7月号(通巻60号)
SFファンジン2017年8月号(通巻61号)
SFファンジン2018年7月号(通巻62号)
ほかにも中国のSF小説が載っている同人誌の存在は知っているものの、性質上もう手に入る可能性が限りなく低いため省略しました。
参考資料等
中国SF・中華SFに興味のある方向けです。
『文學界』2020年10月号
評論 李琴峰「宇宙の神秘に迫る壮大な叙事詩──『三体』シリーズ」
『日経サイエンス』2020年3月号
特集 中国のSF「三体」の科学
『数学セミナー』2020年1月号
特集 3体問題と力学系
『中国科学幻想文学館』(大修館書店、上下巻)
2001年刊行と古めの本ではありますが、20世紀の中国SFを知るには最高の本です。私もこれを読んで勉強しました。
東方451~453号(東方書店)
立原透耶さんが「中華圏SFほんのさわり」という記事を3回にわたって連載されていました。こちらは最近の若手作家への言及があります。 『エクリヲ』11、12号(同人誌)
中国文学研究者・批評家の楊駿驍さんによる『三体』に関する批評が連載されています。
『東北大SF研、中国SFを大いに語る』参考資料
SFレビュアー下村思游による、2019年の京都SFフェスティバル合宿企画『東北大SF研、中国SFを大いに語る』の参考資料。東北大SF研公式wikiに掲載。 『#02 ケン・リュウからはじめるSF入門』
私、卜部理玲によるケン・リュウと中国SFについての紹介動画です。『三体』刊行前の動画ですので少々古びている部分もありますが、本質的な部分についてはどこよりも詳しく解説している自信があります。
https://youtu.be/k8iQP2hicm4