荒潮
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概要
アメリカからの電子ゴミを一手に引き受ける中国南東部の“シリコン島”を舞台としたサイバーパンク的な作品。 『三体』の劉慈欣をして「近未来SFの頂点」と言わしめた作品。 おすすめポイント
中国の直面する種々の問題、そしてサイバーパンクと化した現実。
新年はじまってひと月ですが、2020年最良の翻訳長篇のひとつだと断言していいかと思います。過去の作品をしっかり吸収した上で、現在の中国が直面している作品に対して、簡単には結論が出ないけれど、それでも頑張って向き合おうとしているのが、とても好印象でした。
そして何より、中華サイバーパンク的光景のかっこよさですよね。サイバーパンクの本場といえば日本・中国などのアジアですが、やはり中国の街でサイバーパンクを繰り広げると、かっこいいです。このかっこよさこそ、サイバーパンクの大きな魅力だと思います。
単純に読んで面白くて、その上できちんと現実の問題に対して、SFでしか取れないようなアプローチをもって向き合っているのが印象に残っています。2020年にSFを読むなら、まずはこの作品から読みはじめていただきたいな、と思います。
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