天球の音楽
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概要
脳に機械を埋め込むことで、直感や感覚を拡張出来るようになった世界。しかし、数学者を目指す主人公は、機械を受け付けない体質だった。それでも、主人公は確かな論理のみに従う数学の道を信じていた......。
おすすめポイント
ケン・リュウらしい残酷さ、そしてあたたかさ
ケン・リュウは抒情的な作家と言われますが、作品を実際に読んでみると、結構シリアスでシビアな展開の作品が多いのに驚くかと思います。
しかし、そこで終わるのではなく、シリアスでもシビアでも、それでもその先の未来を信じている。それがケン・リュウの作品の魅力です。
私はケン・リュウの作品の中ではこの作品が一番好きなのですが、それはこの作品で描かれている状況と、この作品を読んだ当時の私の状況が非常によく合致していたから。こういう、個人的に感情移入出来る作品を読んだ時、ケン・リュウの魅力は最大化するのだと思います。
この作品を読んで面白いと感じたなら、同じ状況を扱ったSF、星新一さんの「空への門」、グレッグ・イーガンの「七色覚」と読み比べると、それぞれの作家の姿勢の違いを楽しめるのではないかと思います。 次に読むSF
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