三連禁
「タテまたはヨコに連続する白マスが3つ以上の太線で囲まれた領域にまたがってはいけない」というもの
「タテまたはヨコに連続する白マスが2つ以上の太線を跨いではいけない」と言い換えられる。
ヒントとしての性質
ヒントは太線の形で表現され、
「2本の太線のひとつ外側のマスまでに1つ以上の黒マスが入る」ことを示すので
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ヒント記号としては、
2つのヒント記号で1つのヒント制約として機能すること(*1) あるヒント記号のうち片方のヒント記号が別のヒント記号と組み合わさって別のヒント制約が作られること(*2)
さらにそのヒント制約同士の範囲が重なり合うこと(*次項で解説) という性質を持っており、ペンシルパズルにおけるヒントの中でも珍しいヒントといえる。 ---
(*2) 例えば「数字が小さい順に繋ぐ」というヒントはそのヒント単体では意味を持たず、a < b < cとなる(a,b,c)が置かれていた時にbはa<bというヒントの一部かつb<cというヒントの一部になる。
重なった領域ヒント
同じ列に複数本の太線がある時、ヒント範囲として、
緑色の中に黒マスが1つ以上
青色の中に黒マスが1つ以上
黄色の中に黒マスが1つ以上
とヒントの範囲が重なり合った状態になる(下図の各列のヒント)
https://scrapbox.io/files/639149d54a99ab001d570d2b.png
それによって、同じ配置でも範囲のどこに黒マスを配置するかによって
必要な黒マスの個数が変わってくる(下図)
https://scrapbox.io/files/63914b39a5125e00238f6bc1.png
2行目の配置では2個必要、3,4行目の配置では1つの黒マスで2つの三連禁を満たしている
へやわけにおいては領域内数字による領域ヒントと三連禁を組み合わせることによって、
領域内の配置を隣り合う領域に制約伝播する働きを担っていると考えられる。 下限ヒント
ペンシルパズルにおけるヒント要素のうち、個数に関わるものを
特定の個数を指示するヒント
一定の範囲を示すヒント
と分類する。
ほとんどの数字ヒントは特定の個数を指示しているものであるが、
一定の範囲を示すヒントの例としては相ダ部屋などが挙げられる。 三連禁は「範囲内に1つ以上の黒マスが入る」制約であるため下限ヒントである
他の下限ヒントの例としては、
へやブロの数字のない領域(1つ以上の黒マスが入る) チョコバナナの白マスの大きさ(非長方形ルールより最低3マス以上が確定する) などが挙げられる
上限ヒントや下限ヒントは全体制約や他のヒントがないとつまらない解の問題しか生成されなくなるため、
(例えば黒マス配置パズル黒マスの個数に上限ヒント/下限ヒントしかなく、
すべて白マスで塗りつぶす/すべて黒マスで塗りつぶした時に他の制約を満たしていると、それが答えとなる)
他に強いヒントや制約があるか、数字ヒントと組み合わせて使われることが多い。
へやわけの場合は領域内の黒マスの個数を表す数字ヒントが存在するが、
三連禁によって決まる黒マス下限をDynastyによって決まる黒マス充填数に近づけることで、 -----
(*3) 実際には、Dynastyによる制約では黒マスの下限が決まらない(→黒マスが発生しない)ため 「黒マスが発生する制約」として三連禁の方が後から足されている
三連禁で決まる黒マス下限数の上限
「範囲内に1つ以上の黒マス」の「1つ以上」の部分は変わらないので
範囲を狭めることで黒マスの密度を上げることができる。
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この時、「黒マス数は最低1/3」となる。
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各列各行に太線を複数並べた時(格子へやわけ)も図のように黒マス数は盤面の1/3となる 数字なしへやわけ
へやわけにおける、MX値、四辺の壁で囲まれた範囲の黒マスの個数の最大値も盤面サイズの1/3であることから、(*4) 特に幅1の太線を列・行の一方に並べた川へやわけについては2020年に手筋として体系化された。 また、壁のない範囲の黒マスの個数(*5)には満たないことから数字なしへやわけが内部から決まっていくことはないものと考えられる。 川へやわけは行・列の一方のヒントを強く、他方のヒントを弱くした状態と見做すことができる。 2*2格子へやわけや不定形数字なしへやわけなど、一般の数字なしへやわけは、 さらに弱い制約が盤面全体に均一に広がっていて絡み合っている状態となるため、
どこから手をつけて良いかわからない闇と呼ばれるペンシルパズルになることが多い。 ----
(*4)
$ \frac{(n+1)*(m+1)}{3}程度