テイラー
1981『実践としての社会理論』
1985『Philosophical Papers vol.1』: Human Agency and Language
1985『Philosophical Papers vol.2』: Philosophy and the Human Sciences
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「序論」
言語を中心とした解釈学と哲学的人間学の立場をとる。
個人は自分がその一部であるコミュニティにおいてのみ維持され、更新されることができる言語と文化によって一部構成されている。〜自らを規定する自己解釈はコミュニティが続行する交換から導き出されるという意味で、コミュニティは個人を構成する。
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「人間の行為とは何か」
自己の欲求の評価において質的に区別するものを強い評価
豊かな言語を通じて洞察し、より高いもの、より高貴なもの、より深いものという言語による質的区分に基づく。
これは自己のアイデンティティの構成に留まらず、基準などに代表される根源的な再評価へと開かれる。
量的に区別しかできないものを弱い評価と呼ぶ
単純な考量者
1989『すれ違い』
原子論者と全体論者の、存在論争点と弁論的争点において、各々の主張がすれ違っている。
フンボルトの全体的個人主義を提唱。
1989『自我の源泉』
1990『還元できない社会的善』
ソシュール言語学や後期ウィトゲンシュタインの言語ゲーム論を使って、ホッブズから始まる原子論の流れを批判し、彼の社会・政治理論を展開している。
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ソシュールの循環
パロールの行為はラングの存在を前提とするが、後者はパロールの行為によって絶えず再想像される。
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ヴィットゲンシュタインやソシュールの言語論に認められるのは、個々の言語が背景にある一定の言語コミュニティにおいて意味を持つが、そのコミュニティにおいては"絶えず交換があり、言語が創造されている"ことである。
しかし、原子論はこのようなコミュニティの規範的な実践を理解できず、そのため「社会存在論」も認識できない。ソシュールの循環とは社会的善やその善が位置するわれわれの文化を理解するのに有益なものである。
1990『呼び戻される市民社会』:※市民社会の様相も含む
ロックからモンテスキュー、トクヴィルへ
ロックの潮流
社会を経済の問題や「公衆(public)」「公論(publicopinon)」としてとらえ、ともに社会が公式な政治的次元の外部にあるという考えに基づいている。
この経済的なものとする考えは、市場の自律性を強調することで、人間の自律性を脅かすものになるのであり、この点では、サッチャーのような主張は悪夢、ディストピアである。
モンテスキューの潮流
ロックの公衆という考えから、国民は政治構造の外部に一つのアイデンティティを持つという革命的考え、つまり民族やプロレタリアートの自律という市民社会を徹底的に破壊する逆説がもたらされる
このような傾向を批判し、社会を政治的なものとすると同時に社会と国家を区別し、中央権力と私的な権利との中間的なものとした。
トクヴィルへ
上記モンテスキューの流れは「柔らかい専制主義」に対する防波堤として「自発的なアソシエーション」を考えたトクヴィルにはっきりと認めることができる。
政治的な目的である自己支配の習慣をつけるために重要なものであり、そのためには一つの政治組織のなかに、多くの小さな非中央集権的なアソシエーションが必要となる。このことによって自己支配はローカルなレヴェルでもナショナルなレヴェルでも可能となる。
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『市民社会の様相』にて
このモンテスキューの流れ、トクヴィル由来のリベラリズムを、ロックの流れにある二つの傾向、つまり個人主義的リベラリズムではなく、国民・民族の一体化を説く全体主義でもない第三の道と呼んでいる。
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※同時期の論文『市民社会の様相』も粗方内容が同義なので上記に含む
1991『真正の倫理学』:カナダ版は『近代の病』
近代の病
個人主義
人々がますます原子論的になり「共通の企図や忠誠」に縛られなくなる断片化の傾向が問題である。
断片化社会はその成員が自らの政治社会をコミュニティとして同定することがますます困難になるもの
具体例として中立性の手続き的リベラリズムが強まるアメリカをあげている
道具的理性
柔らかい専制主義
ここでは市民としての尊厳が失われる官僚制国家としての「柔らかい専制主義」の危険性を指摘している。
1992『西洋における市民社会』(引用)
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1994 『マルチカルチュラリズム』&ハーバーマス&ウォルツァー
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