闘争・逃走反応
alias: 戦うか逃げるか反応, 闘争と逃走, fight and flight
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source: By Peretz Partensky from San Francisco, USA - This was a timely capture, CC BY-SA 2.0
戦うか逃げるか反応 - Wikipedia
闘争・逃走反応(とうそう・とうそうはんのう、英語: fight-or-flight response)は、1929年にウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された動物の恐怖への反応である。
闘争か逃走か反応、戦うか逃げるか反応ともいい、戦うか逃げるかすくむか反応(fight-or-flight-or-freeze response)、過剰反応(hyperarousal)、急性ストレス反応(acute stress response)とされることもある。『火事場の馬鹿力』と訳されることもある(英語で火事場の馬鹿力に相当する語は、Hysterical strengthという)。
キャノンの説によると、動物は恐怖に反応して交感神経系の神経インパルスを発し、自身に戦うか逃げるかを差し迫るという。この反応は、脊椎動物あるいはその他の生物でストレス反応を引き起こす一般適応症候群の初期段階として後に知られるようになった。
概要
動物は、差し迫った危機的状況において、戦うか逃げるか、身動きを止める(擬死、凍結挙動)方法で生き延びてきた。
身体的な反応
恐怖などのストレッサーの刺激が視床下部、下垂体に伝達し副腎皮質刺激ホルモン (ACTH)が分泌され、アドレナリンとコルチゾールが放出される。その結果以下の変化が起きる。
心臓・肺機能強化(心拍数上昇、血圧上昇、呼吸数上昇、気管拡張など)
体の多くの部分の血管収縮、 筋肉向けの血管拡張
脂肪やグリコーゲン等の代謝エネルギー源の放出
胃などの消化機能阻害・停止
膀胱の弛緩
勃起不全
涙腺と唾液腺の阻害
瞳孔散大(散瞳)
聴覚喪失
周辺視野の喪失(視野狭窄)
脊髄反射の脱抑制
振戦(ふるえ)
生理学的機能の変化
体の他の部分に回る血を抑制し、優先的に筋肉に血が供給される。
筋肉に血やエネルギー等を供給するため、心拍や呼吸が早くなり、血圧が高くなる。血糖値が上昇する。脂肪の燃焼が促進される。
怪我した際の血液凝固作用が高まる。
筋肉が、より早く、より強く動けるように緊張状態になる。
関連ホルモン・関連物質
アドレナリン
オステオカルシン
ストレスを受けた後、数分以内に骨から放出され、副交感神経系の活動を阻害する。また、副腎が機能不全になり、オステオカルシンが増加すると急性ストレス障害を起こす。
エストロゲン
テストステロン
コルチゾール(コルチゾル)
ストレスを感じたときに放出されるホルモン。血圧や血糖レベルを上げ、緊急時に必要ない臓器の活動を抑制する。
ノルアドレナリン
ストレスを感じたときに放出されるホルモン。注意と衝動性に対して敏感になり、心拍数を上げ、脂肪細胞からエネルギーを放出させる。