視床下部-下垂体-副腎系
alias: HPA系, hypothalamic-pituitary-adrenal axis, 視床下部-下垂体-副腎系
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視床下部-下垂体-副腎系 - Wikipedia
視床下部-下垂体-副腎系(ししょうかぶ かすいたい ふくじんけい、英: hypothalamic-pituitary-adrenal axis)は、ストレス応答や免疫、摂食、睡眠、情動、繁殖性行動、エネルギー代謝などを含む多くの体内活動に関して、視床下部、下垂体、副腎の間でフィードバックのある相互作用を行い制御している神経内分泌系。HPA軸(HPAじく)ともいう。
サーカディアンリズムとも関係する。
ストレス - 脳科学辞典
生体にストレッサーがかかると様々な生体反応が生じる。ストレッサーが引き金となる生体反応のうち、視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)を介した内分泌反応は様々な精神疾患との関連が示唆されている。ストレス負荷により視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が分泌されると下垂体前葉からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌が促進される。ACTHは副腎皮質を刺激し、コルチゾールの分泌を促進する。海馬、視床下部、下垂体にはコルチゾールと結合する受容体(糖質コルチコイド受容体(GR)、鉱質コルチコイド受容体(MR))が存在し、コルチゾールの分泌量が増大するとこれら受容体を介してCRHやACTHの合成・分泌を抑制し、結果としてコルチゾールの分泌量が抑制される(ネガティブフィードバック制御)。HPA系はストレッサーから生体を守る正常な機構の1つであり、中でもネガティブフィードバック制御はコルチゾールの神経細胞への過度な曝露を抑制する機構と考えられている。HPA系の機能調節異常は、海馬神経細胞の萎縮を引き起こすこと、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)と関連することが示唆されている。