設計者に必要なお金の基礎知識
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タイトル
設計者に必要なお金の基礎知識 付加価値創造の考え方と手段
著者
メタ情報
2015
本の概要
簿記の検定試験のような会計処理の詳細は書いていない。逆に検定試験のテキストは計算方法の説明はされるが、考え方を説明しない傾向があるように思うので、先にこちらを読んでおくほうが個人的には理解しやすいと思う 題材は製造業
設計者は付加価値を意識しなければいけないというのが本書の一貫した主張 なぜそうなのか?という大枠と、具体的な理解のための基礎知識(財務諸表の見方)が書いてある。
本の内容
p.44 粗付加価値の方がin/outがわかりやすいのは、減価償却費は会計上の処理であって実際のお金は購入タイミングのみでうごくため 粗付加価値だと他の会社の売り上げに含まれるのでGDPには適さない、と言うことだと思う📝 商社のビジネスは代理店であり、口銭という付加価値を生む(横に流してるだけなのでこの付加価値は小さいという議論がある)。慣習的に販売金額全体を売上として計上している 販売金額全体における付加価値の割合が小さいのに、売上に販売金額全体を計上している
法人当事者か代理人かで売上の計上が変わる方式
当事者: 顧客への販売金額全体
代理人: 手数料
当事者は返品や顧客倒産のリスクを取っている
付加価値ベースの会計
付加価値を上げる方法は2つ
売上を上げる
顧客のトータルのコストを今より少し安くする製品を作って差額をもらう(原価積み上げより高く売れるようなモデルが作れる)
成形品の原価のうち金型より樹脂材料費、成型加工費の方が高い。成型コストを金型の価格差より下げられるなら顧客はトータルの金額が安くなるので金型を買う
顧客の工程のコスト感がわかっていないとできない 📝
p.70
パッケージソフトの保守費用は20%
標準化・自動化のコスト
回収期間がある
金型の標準化の例
ガラケーのアンテナ伸ばす仕組みや判事が必要だったのは10年
ガラケーは構造的な違いがあり筐体側の部品点数が多かった
スライド機構、折りたたみ機構、デザイン
一方、iPhoneは射出形成ではなく削り出しで金型不要→金型の標準化が価値を産まなくなった
電機5年、自動車10年でトレンドが変わる
自動車は安全性の規制が大きいので周期長い
コスパが悪くなるまで自動化をしてはいけない。程々に
自動化の(整備|運用)コストとメリットの損益分岐点がどこかにある
程々にする例:基本設計だけやって詳細設計は人件費が安いとこに外注(やり方を標準化しておき、並列実行でリードタイムを減らす)
p.77
業績を数値で可視化したもの
一定期間(1年間)にどれだけ利益を出したか
どんな元手をどう運用しているかの財産(資産・負債・純資産)一覧表
決算期末の資本調達と運用(結果?)
企業活動を3つにわける
営業活動
投資活動
資金のin/outを可視化
BS+PL-> CF
p.80
海外工場は99%現地雇用
トヨタの原価企画では付加価値の95%が設計情報になるように作っている