マイナス金利政策
2016年〜
以前の補完当座預金制度とは逆で、「これからは超過準備金に対しては利子を取りますよ」ということである。2008年以来、利子がもらえていたのに取られることへ逆転したので民間金融機関は大騒ぎをしたが、ここは正確な理解が必要だ。 日銀当座預金は400兆円程度ある。しかし、マイナス金利が適用になるのはほんの一部である。ほとんどの部分にプラスの金利が付与されており、金融機関が日銀からお小遣いをもらっている状況に変わりはない。 ? 当座預金はゼロ金利なのでプラスの金利は付与されないのでは
ゼロ金利というわけではなく区分があるらしい。トータルでみるとプラスということのようだ
元日銀理事(金融政策担当)の門間和夫みずほリサーチ&テクノロジーズ・エグゼクティブエコノミストは、「マイナス金利が安定的な2%の目標に寄与した度合いはゼロ」と指摘。「日本のインフレは海外からの物価上昇圧力によって引き起こされた」と説明する。
ECBは、マイナス金利は銀行の融資を後押しし、政策の金融システムへの影響の伝達を改善し、経済を刺激して物価を上昇させたという調査結果を基に、マイナス金利は成功だったと結論付けている。
スイス中銀のヨルダン総裁は昨年、マイナス金利政策は「価値が証明された」とした上で、必要であれば再び導入されるだろうとさらに踏み込んだ発言をした。一方、金融システムへの影響が大き過ぎると判断したスウェーデン中銀は、19年後半に同政策を終了した。
米連邦準備制度理事会(FRB)はマイナス金利を導入せず、新型コロナ対応で引き下げた20年3月の0-0.25%が底となった。マイナス金利は短期的には有効だが、「長期間実施すると逆効果」になる可能性があると昨年9月の調査報告書に記されている。
FRB出身でピーターソン国際経済研究所(ワシントン)のシニアフェロー、ジョセフ・ギャニオン氏は、「マイナス金利についてわれわれが学んだ主たることは、マイナス金利は極めて限定的であるということだ」と述べた。
FRBのアナリストらは、マイナス金利はスイスやデンマークの中銀が目標としたように、自国の通貨安誘導に有効な手段になり得るとの見解を示している。