給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く
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目次(Amazonページより)
パート1 給与についての疑問
第1章 何が給与を決めるのか?
権力、慣性、模倣、公平性
第2章 私たちは何が給与を決めると思っているのか
学者の見方 学者によるそのほかの見方 働く人の見方 給与設定者の見方
第3章 自由市場に背く雇用主
秘密を守る (不)完全な競争 組織化される模倣 集中の力
第4章 成果の測定の問題と能力主義の落とし穴
定義の議論 不完全な測定 成果主義による給与制度の落とし穴 有言不実行
第5章 ボスのボス
神話のはじまり みんなでぼろもうけ 株主があなたの給与を奪うとき
パート3 その仕事だからその給与なのか
第6章 良い仕事が悪い仕事になるとき
去りはしたが、忘れてはいない 国内回帰 新しいデトロイト 労働組合の減少 派遣労働者 トラック運転手 建設労働者
第7章 悪い仕事は良い仕事になる
節約の先にあるのは豊かな暮らし? アンハッピーセット 危険の代償は? ジャングルにようこそ(おかえりなさい) ケアする人がケアされない
パート4 公平な賃金を目指して
第8章 格差を再考する
技能偏向的技術進歩 職業による格差? 組織の変化と格差の拡大 新たな「金ぴか時代」における権力
第9章 公平な賃金を目指して
下限を引き上げよう! ミドルクラスを増やそう! 天井を下げよう!
エピローグ 歩兵にふさわしいもの
基本的にアメリカの労働市場の話
日本だと、CEOの給料がアメリカほどバカ高くなってない
労働組合が解体された影響で、労働者側の力が弱くなり給与が下がる傾向にある 給与を決める要素として、「力関係」は大きい
株主と雇用主の力が増加している
近年は特に株主の力の増幅が大きい
昔:利益は労働者で分け合い、残りを株主に配当する
今:利益は株主とCEOで分け合い、残りを労働者へ
大きな利益が出ても、株主とCEOが余剰のほとんどを持っていき、労働者はいつもの定額報酬になる
現職の安い給料で我慢するしかない
もしくは、一度別の職種を経由してから転職する。
別の職種への転職は給料を下げることが多い
なぜ労働者の多くは、競業禁止ルールに無条件でサインしてしまうのか?
雇用契約を中断にさせられてしまうかもという恐れがある
雇用交渉が終わり、初出社日にサインを求めてくる会社がある
断りづらい。断ることで印象が悪くなったり、試用期間や契約打ち止めのリスクがある
力関係を悪用している例であり、個人的にとても嫌いkidooom.icon
給与の評価基準を定量的なものにしてしまうと、評価ハックが発生する 不正をしてでも評価を上げるものが出てくる
短期的に高い成績を上げて、雲行きが怪しくなったら高い報酬と退職金を手にバックレる者が利益をかっさらっていく
「なぜ私の給料がXさんより低いんですか?」という要求を防いでる
全員の給料をすべて開示したほうが本当は交渉しやすい
しかし、他人よりも給料が低いという事実を突きつけられると、メンタルにダメージを負う人が出てくるのは確実
給料には慣性が働く
お金を求める人は、一度低い給料の慣性がついてしまった職業にはつかないほうがいい
従業員の給料を減らすというコストカットの結果、会社の株価や業績が上昇し、CEOや株主への配当が増える
マクロで見れば、労働者から雇用主・株主へのお金の移動、搾取
2024/4/20 に再読
労働組合の解体によって、株主と雇用主へのパワーに傾きが強くなったのが格差拡大の原因という主張が強い
株主のために働く会社に所属したくないなと思った
2024/4月から数人と一緒に起業したので、その関係性から抜け出せたkidooom.icon
成果主義による給与決定は、成果の測り方に依存する
そもそも個人の成果とは複雑で測れないもの
評価制度を撤廃して報酬山分けが格差をなくせて平等になる?
フリーライドが出るかもしれないし、生活に必要な報酬も得られないリスクが高くなる